どんなときに大腸がんで薬物療法が行われるのか?
大腸がんの薬物療法は、2000年以降、大きく変化しました。抗がん剤をいくつか組み合わせたり、アバスチンなどの分子標的薬の開発によって以前よりも腫瘍縮小効果が期待できるようになりました。とくに切除不能な再発・転移がんでは、以前は生存期間が1年未満でしたが、現在はおよそ3年とされています。 大腸がんの薬物療法は、次のようなときに行われます。 転移がある場合や再発した場合 がんがリンパ節や肝臓、肺など他の臓器に転移したときや再発した場合は、局所治療である手術では対応できないことが多く、広い範囲に効 ...
大腸がんの標準的(基本的)な治療方法とは
日本では大腸がんが増えていて、死亡数はこの半世紀で約10倍になりました。現在、大腸がんの死亡率は、男性は3位ですが、女性では1位です。薬物療法では新しい分子標的薬が次々と登場し、進行・再発がん患者さんの治療の選択肢が広がっている、という状況です。 切除可能なら手術が優先。再発・転移がんは薬物療法 大腸がんは、早期がんと進行がんに分けられます。早期がんは、がんの広がりが粘膜内、または粘膜下層までにとどまっているもの(MがんとSMがん)、進行がんは、固有筋層以上にがんが深く浸潤しているもの(MPがん、SSがん ...
【2025年更新】胃がん手術後にはどんな治療をする?抗がん剤治療・薬物治療について解説
胃がんにおける薬物治療の位置づけ 胃がんは他の多くのがんと比較して、抗がん剤などの薬物が効きにくい特徴を持っています。このため治療の中心は手術となり、手術前に抗がん剤を使用するケースは現在も限られています。 術前補助化学療法という考え方も研究されていますが、2025年時点でも標準的な治療法としては確立していません。 したがって、胃がんで薬物療法が実施されるのは主に以下の3つの状況です。 治療のタイミング 目的と対象 手術後の補助化学療法 再発予防を目的とした治療 再発した場合の治療 手術後に再びがんが出現 ...
胃がん治療の中心となっている薬
2010年以降、胃がんに効果がある使用可能な薬は増えてきました。 近年、胃がんで主体となっている薬は、代謝拮抗薬の1つ、フルオロウラシル系の薬(5-FU、TS-1、カペシタビンなど)、プラチナ製剤のシスプラチン、植物アルカロイドに分類されるトポイソメラーゼ阻害薬のイリノテカン、タキサン系の薬(パクリタキセル、ドセタキセル)の4種です。 TS-1の正式な薬剤名はテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウムといいます。 カプセルの中身には、フルオロウラシル系の抗がん剤であるテガフール、テガフールの副作用(下痢、 ...
胃がんの薬物療法はどのように行われるのか?
Ⅰ~Ⅲ期は手術が基本 手術後の薬物療法が普及 胃がんの治療方針は、がんがどのくらい進んでいるかという進行度によって決まります。胃がんは最も内側にある粘膜から発生し、胃壁の外側表面に向かって深く広がっていきます。その深さがどの程度かによって、早期がんと進行がんに分けられます。 早期がんは、がんの深さが粘膜下層までに止まっているがんを、進行がんは筋層より深くに達したがんをいいます。 また、より正確にがんの進み具合を表すために、10年から国際標準に沿った新しいステージ(病期)分類が導入されました。腫瘍の規模(T ...
胃がんの薬物療法の考え方
がんの部位別死亡率で、胃がんは男性で2位、女性で3位です。近年、胃がん死亡数は減少傾向にありますが、それでも年間約5万人が亡くなっています。乳がんの分子標的薬トラスツズマブ(ハーセプチン)が胃がんでも承認され、胃がんでも個々のがんのタイプに合わせて薬が選択されるようになりました。 2011年3月、乳がんで使われている分子標的薬のトラスツズマブ(ハーセプチン)が、「HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発胃がん」に対しても、承認されました。 これによって、胃がんも乳がんと同様、HER2陽性とHE ...
【2026年更新】乳がんハーセプチン治療の期間と費用はいくら?投与方法・高額療養費制度も
乳がんハーセプチン治療とは こんにちは。がん専門のアドバイザー、本村ユウジです。 乳がん治療で広く使われているハーセプチン(一般名:トラスツズマブ)について、実際に治療を受けるとなると「どのくらいの期間続けるのか」「費用はいくらかかるのか」という疑問を持たれる患者さんは多くいらっしゃいます。 ハーセプチンは、HER2(ヒト上皮増殖因子受容体2型)というタンパク質を標的とする分子標的薬です。 2001年に日本で承認されて以来、HER2陽性乳がんの治療成績を改善し、現在では標準的な治療法として確立されています ...
【2025年更新】乳がんの手術後の薬物療法と術後化学療法|進行・再発時の治療選択肢を完全解説
乳がんの治療において、手術後の薬物療法は再発リスクを下げるために重要な役割を果たします。しかし、一口に乳がんといっても、その性質によって適切な薬物療法は大きく異なります。ここでは乳がんの手術後の薬物療法について、最新の治療ガイドラインに基づいて詳しく解説します。 乳がん術後薬物療法の基本的な考え方 術後薬物療法の対象となるのは、手術前に抗がん剤による治療を受けていない患者さんが基本となります。すでに十分な抗がん剤を用いているケースでは、抗がん剤による術後薬物療法は原則として行いません。これは、過剰な治療に ...
【2025年更新】乳がん手術前の薬物療法(術前化学療法)で使用される主要な治療薬組み合わせとその効果
乳がんの治療において、手術前に薬物療法を実施する「術前薬物療法(術前化学療法)」ことはがんを小さくして手術をしやすくしたり、乳房温存手術の可能性を高めたりするために実施されます。 乳がん術前薬物療法の目的と意義 術前薬物療法は、手術前にがんの縮小を目指す治療法です。主な目的は以下の通りです。まず、がんの大きさを小さくすることで、手術範囲を縮小し、乳房温存術の適応を拡大することができます。また、進行がんで手術が困難とされていた患者さんでも、薬物療法によってがんが縮小すれば手術が可能になる場合があります。 乳 ...
乳がんで使われる薬の種類と名前
がん専門のアドバイザー、本村です。 当記事では乳がんで使われる薬の種類と名前について解説します。 乳がんではほかのがんに比べて、いろいろな種類の薬が治療に用いられています。また、がんの性質や患者さんの状態によって、用いる薬が変わるのも、ほかのがんにはあまり見られない大きな特徴です。使われる薬は大きく分けて3タイプになります。 1.抗がん剤 分子標的薬やホルモン療法が充実していることもあり、抗がん剤による治療は、どちらかというとなるべく控えるという方向に進んでいます。とはいえ、いまもなお一般的によく使われて ...
乳がんでは状況に応じて薬物療法の目的が異なる
乳がんではさまざまなタイミングで薬物療法が行われます。大きく分けると「手術前に行う」「手術後に行う」「手術が適応外となる場合に行う」という3つのケースがあるといえます。 術前薬物療法の目的 手術前に薬物療法をする目的は大きく2つあります。1つ目は「がんを小さくする」、2つ目は「薬の効果を確認する」です。 ①がんを小さくする しこりが3cm以上あっても、薬で3cm以下にまで小さくできれば、乳房温存手術の対象になることがあります。手術前の薬物療法によりおよそ8割くらいの患者さんで、がんの縮小効果が認められてい ...
乳がんの薬物療法(化学療法)の方法とガイドライン
2010年以降、の乳がん患者数はおよそ18万人を超えて推移しています。30年間で5倍にも増え、女性の罹患率のトップとなっています。 乳がんの薬物療法(化学療法)は長い歴史があり、様々な薬が使われてきました。現在では事前にがんの性質を調べて、効く薬を選択して使う方法が一般的になりました。 乳がんのタイプを調べてから薬を選ぶのが基本 がんの薬物治療では、その人のがんの性質に合わせた薬の選択ができるようになりつつありますが、とくにその傾向が強いのが乳がんです。 2年に1度開催される乳がんの国際会議「ザンクトガレ ...
【2025年更新】非小細胞肺がんの薬物療法(化学療法)と使われる薬|治療選択の最新ガイド
肺がんは大きく「非小細胞がん」と「小細胞がん」に分かれます。それぞれ使われる薬が異なり、非小細胞がんは肺がん全体の約85%を占めています。このうち非小細胞がんでは、さらに「非扁平上皮がん」と「扁平上皮がん」で分けられ、それぞれに適した薬物療法が選択されます。 非小細胞肺がんの薬物療法では、がん細胞の遺伝子変異の有無が治療選択の重要な決め手となります。EGFR、ALK、ROS1、BRAF、MET、RET、NTRK、KRAS、HER2などの遺伝子変異が確認された場合、それぞれに対応した分子標的薬を使用すること ...
骨転移の痛みなど、がんに関する痛みに使われる薬とは
がんの症状の1つに、痛みがあります。 とくに再発・転移がんの患者さんでは、発現する時期や強さに個人差があるとはいえ、ほとんどの場谷に痛みがともないます。腫瘍が大きくなったり、広がったりすることで内臓を圧迫したり神経に浸食したりすることで痛みが生じます。 そのため、がんの痛みをとることも大事な治療だといえます。 痛みをとる治療は、一般的には「緩和ケア」に含まれます。 緩和ケアというと、末期がんの患者さんに行われるものと思っている人が多いですが、現在は世界的に「早期からの緩和ケア」が推奨されています。どの段階 ...
【2026年更新】がん治療の副作用を軽減する薬はある?種類と効果、最新情報を解説
こんにちは。がん専門のアドバイザー、本村ユウジです。 がんの治療を受ける際、抗がん剤や分子標的薬などの治療薬が持つ副作用について、多くの患者さんが不安を感じています。しかし現在では、副作用を軽減するための様々な薬が開発され、以前と比べて治療中の生活の質を保ちやすくなっています。 この記事では、がん治療において副作用対策として使われる薬について、2026年の最新情報を交えながら詳しく解説します。 支持療法とは何か がんの薬物療法では、がん細胞を攻撃する抗がん剤や分子標的薬、ホルモン剤といった治療薬以外にも、 ...
【2026年更新】抗がん剤の効果はどう測定する?生存期間中央値・無増悪生存期間・奏効率の意味と見方を解説
こんにちは。がん専門のアドバイザー、本村ユウジです。 がん治療を受けている患者さんやそのご家族にとって、「この薬は効いているのだろうか」「どのくらい効果があるのだろうか」という疑問は、治療を続けるうえで最も気になるポイントの一つではないでしょうか。 抗がん剤や分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬などの薬物療法では、その効果を数値やデータで示すために、さまざまな「指標」が用いられています。 この記事では、がん治療の効果測定に使われる「生存期間中央値」「無増悪生存期間」「奏効率」といった指標について、それぞ ...
【2026年更新】がんの薬物治療の投与スケジュールとクールはどう決まる?投与量の計算方法から外来化学療法まで
こんにちは。がん専門のアドバイザー、本村ユウジです。 がんの薬物療法を受けることになったとき、多くの患者さんは「どのくらいの量の薬を使うのか」「どんなスケジュールで治療するのか」といった疑問を持たれます。 薬物療法は手術や放射線治療と異なり、繰り返し行われる治療であり、そのスケジュールの理解は治療を受ける上で重要な要素となります。 この記事では、がんの薬物療法における投与量の決め方やスケジュールの組み立て方について、最新の情報を交えながら詳しく解説していきます。 がんの薬物療法における投与量の決め方 がん ...
がん治療で使われる薬はどうやって決められるのか~標準治療とは~
がんの治療ではさまざまな薬が使われます。では、どんな基準で選ばれるのでしょうか。 薬物療法(化学療法)は、年齢や体力がどれくらいあるか、持病があるかなど患者さんの全身状態を考盧されますが、一般的には「標準治療」を1次治療(初回治療、ファーストラインともいいます)にします。 標準治療とは、それまでに行われた国内外の大規模な臨床試験の結果から、現時点で最も有効性と安全性が裏付けられている治療のことをいいます。 多くのがんでは、例えば再発時の初回治療ではこの療法、それが効かなくなったときの2次治療(セカンドライ ...
【2026年更新】がんの薬物療法で複数の薬を使う理由とは?多剤併用療法のメリットと具体例
がんの薬物療法で複数の抗がん剤を使う理由 こんにちは。がん専門のアドバイザー、本村ユウジです。 がんの薬物療法を受けることになった患者さんから「なぜ複数の薬を同時に使うのですか」「1種類の薬ではだめなのですか」というご質問をいただくことがあります。 確かに、複数の抗がん剤を使うことで副作用が増えるのではないかと心配になる気持ちは理解できます。しかし、多剤併用療法には単剤療法にはない明確なメリットがあり、多くのがん種で標準治療として確立されています。 この記事では、がんの薬物療法において複数の薬を併用する理 ...
がんのホルモン療法で使われるホルモン剤(薬)の種類と効果・副作用について
乳がんや子宮体がん、前立腺がんでは、特定の「性ホルモン」ががん細胞の増殖に関わっていることが分かっています。そこで、そのホルモンと反対の作用をするホルモン剤を投与することで、ホルモンの作用を抑え、がんの増殖を抑えます。 ホルモンは、がん細胞にあるホルモン受容体と結びつくことで初めて作用します。受容体がないのにホルモン剤を投与しても、がんの増殖は抑えられません。つまりホルモン剤は「効果がある」と事前に分かっている人に対して使用されます。 性ホルモンによって成長するがんを「ホルモン依存性のがん」といいます。ホ ...



















