ナスの特徴
インド生まれのナスは、高温を好む夏野菜の代表です。故郷の気候風土に近い7~9月頃のナスが一番おいしくなります。
ナスは他の野菜に比べて栄養素が豊富、というわけではないですが特徴的な栄養があります。ナスの濃紺色はアントシアニンの一種、ナスニンという色素です。ナスニンには活性酸素を抑制する抗酸化作用があり、機能性成分コリンは動脈硬化を防いだり、胃液の分泌を促すと言われています。
京都の「賀茂なす」山形の「出羽小なす」大阪の「水なす」など全国的にその土地特有の品種が栽培され、味わい方も多岐にわたる野菜です。
【がん(癌)に作用されると言われている成分】
ナスの皮に含まれるナスニンは、ポリフェルの一種である色素成分で、抗酸化作用があり、LDL(悪玉)コレステロー減らし、脂質異常症を予防します。抗酸化作用とがん抑制効果のあるクゲン酸も含んでいます。
ビタミンAやβカロテンの参加を防ぎ、細胞膜を健全に保つなど、がん予防にも有効な成分であるビタミンEを豊富に含む植物油(オイーブオイルなど)をとるには最適です。
京都府立医科大学におけるナスの抗酸化作用の研究では、発がん促進物質を抑制する作用があると報告されています(マウスを使った実験による)。
【調理方法のコツ】
皮ごと食べることで有効成分であるナスニンが摂れます。アク抜きや変色防止のため、切ったら水にさらすほうがよいですが有効成分が流出してしまうので水にはさらしすぎないことが大切です。油で調理するときにはアク抜きは必要ありません。
【良いナスを選ぶポイント】
ヘタの上の切り口がみずみずしく、身にはりがあって皮につやがあるものや、ガクにあ
るトゲが鋭くさわると痛いものは新鮮です。大きさのわりに重ければ、中身も充実していることが多いです。
・保存法
冷暗所で保存が基本です。10℃前後の涼しい場所が最適です。低温と乾燥に弱いので冷やしすぎは禁物。野菜室に入れるならポリ袋に入れたあと新聞紙で包むほうがよいです。
【主な栄養成分】(100gあたり)
エネルギー 22kcal
たんぱく質 1.1g
脂質 0.1g
炭水化物 5.1g
カリウム 220㎎
カルシウム 18㎎
マグネシウム 17mg
リン 30mg
鉄 0.3㎎
亜鉛 0.2mg
銅 0.06mg
マンガン 0.16mg
ビタミンA:β-カロテン 100マイクログラム
ビタミンA:β-クリプトキサンチン 1マイクログラム
ビタミンE 0.3mg
ビタミンK 10マイクログラム
ビタミンB1 0.05mg
ビタミンB2 0.05mg
ナイアシン 0.5mg
ビタミンB6 0.05mg
葉酸 32マイクログラム
パントテン酸 0.33mg
ビタミンC 4mg
飽和脂肪酸 0.03g
水溶性食物繊維 0.3g
不溶性食物繊維 1.9g
以上、がん(癌)とナスについての解説でした。