大根の特徴
大根は日本原産の野菜ではなく、地中海沿岸から中央アジアにかけて広がる一帯に生まれ、シルクロードを渡って日本にやってきました。
冷涼な気候で育ち、根を太らせるダイコンは、11月~2月ぐらいまでの秋どり、冬どりが食べどきです。
大根はは自然の消化薬といわれています。デンプンの消化酵素であるジアスターゼを多く含み、食べ物の中のデンプンを分解する働きがあります。生のダイコン葉は、ビタミンCが豊富に含まれているので葉も調理するのが望ましいです。また、葉にはビタミンA、Eも多いです。
【がん(癌)に作用されると言われている成分】
大根の葉に近い部分には、でんぷん分解酵素のジアスターゼや解毒作用のオキシターゼ、たんぱく質分解酵素のセルラーゼが豊富です。
これらの各種の消化酵素は食物の消化を助け、胸やけ、胃酸過多、胃腸の働きを整えるほかに、解毒作用もあります。なおこれらは焼き魚の焦げなどに含まれるトリプトファンなどの発がん物質を解消する手助けもするといわれています。
このほかにも、ビタミンCや、食物繊維のリグニン(胆汁酸を吸着し、排出する)といった成分が豊富に含まれ、がん細胞の発生を抑制するといわれています。もちろん胃腸の働きを整える役割もあります。
さらに、辛味の成分の1つアリルマスタードオイルには胃液の分泌を促す作用もあり、これも、胃腸の調子をよくするために役立っています。
根の先の方には、ピロリ菌の生育阻害効果がある辛味成分イソチオシアネートを多く含みます。イソチオシアネートは大根の辛味成分です。これはイオウ化合物で肝臓を助けて解毒作用を強化し、がの発生を抑制するといわれています。
【調理方法のコツ】
葉もとは甘いのでサラダなどの生食に向いています。中間部は辛さと甘さも中間です。好みで煮物にも生食にも向きます。先の方は辛味が強いので大根おろしに。ただし辛味が苦手な場合は葉もとをおろしてもよいといえます。皮もきんぴらなどに使えます。
根の部分に含まれるビタミンCは皮の近くに集中しているので、大根おろしにするときは、ビタミンCを上手に摂取するために皮つきのほうがよいです。ただし、時間とともにビタミンCは減ってしまいます。30分の放置で20%損失し、ジアスターゼも消えてしまうので、おろすのは食べる直前にしましょう。
【良い大根を選ぶポイント】
白くてきめ細かい肌で全体にハリのあるもの。葉がピンとしているものがよいです。首が黒ずんでいるのは畑で老化してしまったものが多いので避けたほうがよいでしょう。
なめらかでヒゲ根がなく、すらっとしていて長さがあるものを選びましょう。手で持ってみて大きさのわりにずっしりと重いもので、肩が盛り上がったものが美味しいとされています。
【主な栄養成分】(100gあたり)
エネルギー 18kcal
たんぱく質 0.5g
脂質 0.1g
炭水化物 4.1g
ナトリウム 19㎎
カリウム 230㎎
カルシウム 24㎎
マグネシウム 10mg
リン 18mg
鉄 0.2㎎
亜鉛 0.2mg
銅 0.02mg
マンガン 0.04mg
ビタミンB1 0.02mg
ビタミンB2 0.01mg
ナイアシン 0.3mg
ビタミンB6 0.04mg
葉酸 34マイクログラム
パントテン酸 0.12mg
ビタミンC 12mg
飽和脂肪酸 0.01g
不飽和脂肪酸 0.02g
水溶性食物繊維 0.5g
不溶性食物繊維 0.9g
以上、がん(癌)と大根についての解説でした。