膵臓がんの手術を受け、何日か入院していると、体力が落ちた、疲れやすくなったと実感することが多いです。
退院後は運動などに制限は特にありません。激しい運動は控えたほうがよいですが自分の体調に合わせて、無理のない程度から実行していきましょう。
膵臓がんの手術直後には、傷の痛みも残っていて、どうしてもおなかをかばいがちです。しかし、手術創(傷)を過度にかばってばかりいては、体力、気力もなかなか元に戻ってはくれません。
おとなしくして、傷を大事にしていたからといって、傷やがんの治りがよいわけでもありません。できるだけ早いうちから適度にからだを動かすほうがよいといえます。
退院後、2か月ほどはあまり無理をしないで、その後は、自分のからだと相談しながら動かしていきましょう。はじめのうちは、近所への買い物や2~3時間の外出からはじめて、からだの疲れ具合をみて活動範囲を広げていきます。病院への通院もよいリハビリになります。
手術後の食生活
膵臓がん術後には、インスリン不足による糖尿病の発病リスクも非常に高くなってしまいます。糖尿病を発症したら、インスリン治療が必要になることもあります。この場合は、血糖やカロリーのコントロールが重要になってきます。暴飲暴食などは控え、適度な運動で体脂肪のコントロールを行うことが大事です。
手術後の社会復帰
自分の体調に合わせて、自信がでれば社会復帰が可能です。職種によって、仕事開始時期や仕事の内容について異なりますので、主治医と相談しましょう。
手術後のスポーツや旅行
好きな趣味や娯楽でリラックスしたり、ストレスを発散することは、心身ともよい効果を生み出します。もちろん旅行も問題ありません。
適度な運動は筋力を回復させます。胃腸の活動も活発になって下痢や便秘も解消されます。血行もよくなり、傷の治りをよくします。からだを鍛え上げるような運動をする必要はまったくありません。ウォーキング、ハイキング、テニス、ゴルフ、釣り、自転車など、好きなものを生活に取り入れて長く続けることがポイントです。
以上、膵臓がんの手術後の生活についての解説でした。
がんと診断されたあと、どのような治療を選び、日常生活でどんなケアをしていくのかで、その後の人生は大きく変わります。
納得できる判断をするためには正しい知識が必要です。