スキルス胃がんは、見つかったときには手遅れであることが多く、進行の早いがんとして恐れられています。
医師の中にも、スキルスの早期発見・早期治療は無理だという人がいますが、実は、スキルスでも内視鏡検査によって、早い段階で見つけることができます。
胃がんの約5~10%がこのスキルスもしくはスキルスに発展するがんで、一般的な胃がんのように粘膜の表面には表れず、胃壁の中に広がっていくので、「バリウムを使ったレントゲン検査でしか発見できない」というのが定説のようになっています。
しかし、本当に早期の段階は、内視鏡でしか発見できないといえます。バリウムで発見できる大きさになったときには、すでに手遅れということも少なくありません。
スキルスというのは、確かに胃の粘膜の下に潜ってぱらぱらと広がっていくのですが、内視鏡で注意深く見ると、潜っていても表面からうっすらと黄色く見えるので早期発見が可能だという医師もいます。もちろん、この時期にはバリウム検査では発見できません。ただし、このスキルスを早期に見つけるには、内視鏡検査を行う医師の技術と経験が重要だといえます。
凹凸なく、形も不確かな早期スキルス胃がんは内視鏡でしか見つけることができません。あやしいと思った場所に薬液を吹き付けると、色や粘膜の変化でがんがあるかどうか確認できることもあります。ただし、どういう状態が早期のスキルス胃がんなのか、まったく分からない医師には、どんなに高性能な内視鏡を使っても、早期スキルス胃がんは発見できません。
内視鏡検査をかなりたくさんやっていて、このタイプのがんを見つけた経験がある医師でなければ、すでに手遅れになっているスキルス胃がんでも見落とされることがあります。
こういった進行の早いがんを早く見つけてもらうためにも、内視鏡検査を受けるときには、技術が高く、経験豊富な医師を選ぶ必要があります。
以上、スキルス胃がんについての解説でした。