日本人の死亡原因の第1位はがんです。
がんによる死亡は心疾患、脳血管疾患をすでに追い抜き、増え続けています。がんは人口の高齢化や生活習慣が影響しているといわれています。現在、がんによる死亡数は医学的にも社会的にも大きな問題となっています。
現在、がんで死亡する人数は3人に1人といわれています。がんの死亡数は増加を続け、公益財団法人がん研究振興財団の「がんの統計2013」によれば、2012年のがん死亡総数は約37万人でした。性別でみれば、男性が約22万人、女性が約15万人です。10万人あたりのがん死亡率は、男性が約350、女性が約226となっています。
死亡率とは、人口10万人あたりの1年間に発生する死亡数のことです。
最も多いのが肺がんで続いて胃がん、大腸がん
全体的にみて、日本人で最も死亡数が多いがんは肺がんです。他のがんに比べて圧倒的に5年生存率が悪いといえます。
次に死亡数が多いがんは、胃がんであり、続いて大腸がん、肝臓がん、膵臓がんの順と続いています。
性別だと男性では、肺がんの死亡数が1番多く、次いで胃がん、大腸がん、肝臓がん、膵臓がんの順となっています。
女性では、大腸がんによる死亡数が1番多いです。次いで死亡数は、肺がんが多く、胃がん、膵臓がん、乳がんの順となっています。
これからわかるように日本では肺がんが最も命のリスクがあり、1年間で約9.7万人が肺がんにかかり、約7.1万人が肺がんで死亡していることになります。
肺がんになる原因は主に喫煙が関係しています。また、高齢者に多く、肺門部にできるがんはエックス線撮影で発見しにくいという特徴があります。
がんになる人の数も増えている
日本では現在、生涯でがんに罹患(りかん)する確率は男女とも2人に1人といわれています。男性は50歳代、女性は30歳代からがんの罹患率は上昇してきます。罹患率とは、通常、人口10万人あたりに1年以内に新しく病気に罹る人が何人いるかということです。
公益財団法人がん研究振興財団の「がんの統計'13」によれば、2008年のがん罹患数は、約75万人、そのうち、男性が約44万人、女性が31万人となっています。人口10万あたりの罹患率は、男性が約703、女性が約477です。
全体的にみて、日本人のがん罹患数で最も多いのは胃がんです。昔は、漬け物など塩分の過剰摂取が胃粘膜を荒らし、胃がんになるのではないかといわれていました。現在では、喫煙、食生活、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)などさまざまなリスクが重なって胃がんが発症するといわれるようになりました。次に、がんに罹るリスクの大きさは、大腸がん、肺がん、乳がん、前立腺がんの順です。
男性では、がんは、胃がんが1番多く、次いで肺がん、大腸がん、前立腺がん、肝臓がんの順で罹っています。女性では乳がんが最も多く、次いで大腸がん、胃がん、肺がん、子宮がん(全体)の順に罹ります。
がん細胞は、長い年月をかけて増殖するため、高齢化社会になるにつれてがんに罹る人が増えます。働き盛りを終えた以降の世代の方は特に注意が必要です。