・一般名:リツキシマブ(遺伝子組換え)
・商品名:リツキサン
・投与経路:点滴静注
・血管外漏出による皮膚障害のリスク:低
・催吐リスク:低
<特徴>
作用機序:Bリンパ球表面に発現するCD20抗原に特異的に結合し、抗体依存性細胞傷害作用(ADCC)、補体依存性細胞傷害作用(CDC)によって効果を現す。
代謝経路:大部分は尿中に排泄されると推定されている。
<代表的なレジメン>
単剤投与
R-CHOP療法
RB療法
・使用時の注意点
投与方法:点滴静注。他の薬剤との混注は避ける
投与量(単剤使用時):1回375mg/m2を1週間間隔で投与。最大投与回数は8回。
投与量の調整が必要な場合:注入速度に関連して血圧下降、気管支痙攣、血管浮腫等が生じるので、注入速度を守る。
※注入速度を上げる際は特に注意する。症状発現時は注入速度を緩めるか、投与を中止する。重篤な症状の場合は、ただちに投与を中止し、適切な処置を行う。
※投与再開時は、症状が完全に消失した後、中止時の半分以下の注入速度で投与開始する。
慎重投与:血液中に大量の腫瘍細胞がある(25,000/μL以上)、脾腫、心・肺・腎機能障害、感染症(敗血症、肺炎、ウイルス感染等)、B型肝炎ウイルスキャリア、間質性肺炎、薬物アレルギーの既往など。
前投薬:インフュージョンリアクション軽減のためリツキシマブ投与30分前に抗ヒスタミン薬、解熱鎮痛薬などを投与。
・重大な副作用
インフュージョンリアクション
腫瘍崩壊症候群
B型肝炎ウイルスによる劇症肝炎、肝炎の増悪
・その他注意が必要な副作用
汎血球減少(高頻度)
感染症(高頻度)
・投与に関するポイント
初回投与開始後30分~2時間より24時間以内はインフュージョンリアクションが出現しやすい。あらかじめ症状について確認しておく。Bリンパ球の低下に伴う感染リスクがある。感染予防行動について医師の指導を受けておく。
リツキシマブによるインフュージョンリアクションは、末梢血液中にあるB細胞が障害される際に産生・放出されるサイトカインが原因と推測されている
末梢血液中のB細胞は、1回目の投与によってすみやかに消失することが多いため、2回目以降の投与ではインフュージョンリアクションの発症が少なくなると考えられている。