子宮体がんでは、手術後に化学療法(抗がん剤など薬を使った治療)を追加して提案されることがあります。
具体的には次のケースです。
1.ステージ1~3期で、手術後の補助療法として。
2.ステージ4期で、姑息的手術の術後に、補助療法として。
しかし、手術後に必ず化学療法を提案されるわけではありません。
手術後、再発のリスクが低い=「低リスク群」だと判断されれば、化学療法は行わずに経過観察をすることが推奨されます。
化学療法が提案されるのは中リスク群と高リスク群のときです。
【子宮体がんの術後再発リスクと治療】
低リスク群 | ・類内膜腺がんで分化度がG1(高分化型)あるいは G2(中分化型)で筋層浸潤が2分の1以内 ・子宮頚部への浸潤がない ・腹腔細胞診が陰性 ・脈管への浸潤がない ・遠隔転移していない |
経過観察 |
中リスク群 | ・類内膜腺がんで分化度がG3(低分化型)で筋層浸潤が 2分の1以内 ・類内膜腺がんで分化度がG3(低分化型)で 筋層浸潤が2分の1を超える ・子宮頚部への浸潤がある ・腹腔細胞診が|陽性 ・脈管への浸潤がある ・漿液性腺がん.明細胞腺がんあるいは未分化がん ・遠隔転移していない |
化学療法または 放射線治療 |
高リスク群 | ・付属器・漿膜・基靭帯への進展がある ・朧壁への浸潤がある ・骨盤あるいは傍大動脈リンパ節への転移がある ・膀胱・直腸への浸潤がある ・腹腔内播磁がある ・遠隔転移がある |
化学療法または 放射線療法 |
以上、子宮体がんの補助治療についての解説でした。
がんと診断されたあと、どのような治療を選び、日常生活でどんなケアをしていくのかで、その後の人生は大きく変わります。
納得できる判断をするためには正しい知識が必要です。