卵巣がんは、疑いがあっても開腹しない限り、卵巣やその周辺の細胞を採取・検査することができませんので、第一次検査で多く用いられるのは超音波(エコー)検査です。
膣内に、超音波を出すプローブという管を挿入し、子宮を中心に断面画像を映し出します。これにより卵巣や子宮の大きさや、形、子宮内膜の厚さ、卵巣内の腫瘍や腹水の有無などがわかります。
また、子宮にがんがあると、子宮内膜が不均一に厚く見えます。また閉経後の人で内膜の厚さが、たとえば5mm以上あるようだと、がんの可能性が高くなります。
これに対して、お腹にゼリーを塗り上から超音波を当てて調べる方法を「経腹超音波断層法(経腹エコー)」といいます。大きな卵巣や子宮の腫瘤を観察する場合は経腹エコーが有用です。子宮内膜の状態は、経膣法のほうが経腹法よりわかりやすくなります。放射線の心配もなく、痛みもないので、負担の少ない検査です。
性交体験がない人では経直腸超音波検査もできますので医師に相談しましょう。
【卵巣がんの検査の流れ】
第一次検査 | 問診、内診、経膣超音波断層法 |
第二次検査 | 経膣超音波断層法、カラーパルスドップラー検査、 腫瘍マーカー検査 |
第三次検査 | 直腸診、超音波断層法、MRI、 CT、PET/CT、胸部X線検査、胸水、腹水細胞診 |
以上、卵巣がんの検査法についての解説でした。
がんと診断されたあと、どのような治療を選び、日常生活でどんなケアをしていくのかで、その後の人生は大きく変わります。
納得できる判断をするためには正しい知識が必要です。