卵巣がんの再発のめやすは5年とされていますが、それ以降に再発しないとは言いきれません。5年、10年と経過しても定期的に検診を受けることが望ましいとされています。
とくに、初回治療後の定期検診は、予後を確認し、療養生活における細かな指導を受けるうえで、とても重要です。
再発がんは、一般的に治癒は難しいですが、早期発見することで対処できる可能性は高まります。自覚症状が現れる前に再発がわかることも多いので、検診を欠かさないことが大切です。
検査項目や検査の時期は?
治療後の定期検診では、初回の治療内容や患者さんの状態に応じた検査が行われます。基本的には、触診、内診、直腸診などの診察や、細胞診、胸部単純X線検査などの画像診断、血液・生化学検査、腫瘍マーカーなどにより、再発の有無を調べます。
また、手術や放射線療法、化学療法に伴う合併症についての確認も行われます。
再発・転移を調べる検査
体内に腫瘍細胞ができると、その腫瘍特有の物質が血液中に出現します。この物質を腫瘍マーカーといい、数値によって腫瘍発生の有無を判断します。
また、骨シンチグラフィーは、体内に投与した放射線同位元素が沈着する様子を画像で確認し、全身の骨への転移を調べる検査方法です。これは、注射した薬剤が骨の代謝が活発なところに集まる性質を利用したもので、がんの経過観察のほか、骨折や炎症の確認にも使われます。
卵巣がん再発時の治療法
再発がんの治療法は、がんの広がり方や再発した時期、これまで行った治療法などにより、総合的に判断されます。
がん病巣が初回に発生した場所に限られている場合は、手術や放射線療法を行います。また、がんが複数箇所に転移している場合は、手術による完全摘出や放射線療法が難しいため、抗がん剤による化学療法がとられます。
一般的に、初回治療に比べ、再発がんは治療が難しくなります。がんが全身に広がっていることも多く、手術での治療に限りがあります。
【卵巣がん再発時の主な治療法】
<局所再発>
・外科手術
・放射線治療
<遠隔転移>
・腹膜播種であれば化学療法
・脳への転移は放射線療法
以上、卵巣がんと再発・転移についての解説でした。