家族ががんになったとき、どう接すればよいのか?どうはげませばよいのか?と周囲の家族や親族もとても不安になります。
がんを告知された人は、病気を受け入れるまで、現実を否定してわざと元気に振る舞ったり、理不尽なことを言い出したり、周囲の人に当たり散らしたりすることがあります。
これは、受け入れられない現実に対する感情を無意識のうちに処理しようと、心が機能しているためです。
このようなときは、治療に影響がない限り、患者さんの行動を理解し、温かく見守ることが大切です。否定したり、感情的になってはいけません。
患者さんの話をよく聞き気持ちを共有する
立ち直りの時期であっても、患者さんの心が繊細になっていることに変わりはありません。そして、患者さんが相談したいと思っているのに、家族が病気の話題を避けるのも好ましくありません。大切なのは、患者さんの話をよく聞き、気持ちを共有することです。
答えに困るときは、無理に明るい言葉をかけようとせず、患者さんの言葉をくり返すだけでもよいでしょう。安易な励ましの言葉も避け、これまでどおりに接することを心がけてください。
家族の心的ストレスにも注意
がんの告知や再発が認められたときは、ショックを受けるのは家族も同様で、患者さんと同じように不安になったり、落ち込んだりします。また、患者さんを支えなければと、無理に気持ちを奮い立たせる、患者さん以上のストレスを抱えることもあります。
がん患者さんの家族が「第2の患者」と呼ばれるのはこのためです。
患者さんにはこう対応しよう
・患者さんの行動を理解する
わがままな言動や、現実を否定する行為も、治療に支障がない限り受け入れる。何があっても感情的にならない。
・いままでどおりに接する
家族が明るく支えなければと、無理に元気に振る舞ったり、やさしくしたりすると、患者さんがリラックスできない。
・病気の話題を避けない
病気の話題を避けようとすると、かえって気まずくなり、患者さんが自分を責める原因になってしまう。
・気持ちを共有する
患者さんの目を見て、よく話を聞き、共感していることを態度で示す。答えに困るときは、無理に明るい言葉をかけようとしない。
・安易に励まさない
患者さんは、告知を受けたときから、受け入れがたい現実と必死で闘っている。それ以上の努力を求めるような「がんばって」という言葉は禁句。