リンパ浮腫は思い当たる原因がなく、少しずつ脚が腫れてくることがありますが、脚を使いすぎる生活が原因で発症するケースが少なくありません。長期間に疲れがたまるだけでなく、短い時間正座をしたために起こることもあります。
日常生活でとくに気をつけたいのは「①脚にうっ滞を起こさせない」「②脚を使いすぎない」「③脚に炎症を起こさせない」の3点。法事での正座は「①うっ滞」が原因で、リンパ液などの流れが阻害されて起こるものです。
ストレスや疲れが発症のきっかけになりやすい
②の脚を使いすぎない点では、立ち仕事を続けたりする直接的な疲労もありますが、日常的にストレスをためたり、睡眠不足の生活を続けたりして、リンパ浮腫を発症させてしまうことがあります。疲れを感じたら、早めに休むことを心がけましょう。
法事などで正座が必要でも、体調を理由にいすを用意してもらいましょう。疲労や無理がリンパ浮腫の原因になることが多いので、「疲れたら」ではなく「疲れる前に休む」習慣をつけましょう。
つい無理してしまうことがいちばんの大敵
立ち仕事や正座など、リンパ浮腫を悪化させてしまう行為には用心できても、自分の意思に反してつい無理してしまう行為があります。
たとえば、預かった孫の世話に追われたり、親の介護で体に力を入れすぎたりと、あとから思えば無理しすぎたと思っても、その場では気がつかずに体が動いてしまいます。そんなときこそ要注意。オーバーワークに気をつけましょう。
予防のコツは疲労をためずにリンパ液の流れを良くする
リンパ浮腫予防のポイントは、腕や脚を使いすぎないようにすること、リンパ液の流れをよくすること、脚に傷がつかないようにすることです。
日常生活での注意点は、こうした原因から身を守ることですが、毎日「リンパ浮腫の予防だけ」を考えて生きるのは不可能ですし、それだけで疲れて悪影響が出かねません。最も大事なのは、リンパ浮腫を理解し、その対策を日常生活のなかに溶け込ませてしまうことです。
たとえば、疲れたら休む、皮膚をいつも清潔にしておく、脚に傷がついたらすぐに消毒するなど、当たり前のことを忘れずに実行することがリンパ浮腫の予防につながります。
いつもと違う生活シーンは気をつけて
ふだんの生活では十分気をつけても、お祝い事や法事などで人が集まったり、どこかに出かけたりしたとき、つい気を抜いてしまうことがあります。
無理して長時間歩いたり、同じ姿勢をとったり、そんなときこそ脚がむくまないように気をつけ、少しむくみを感じたら、すぐに休むようにしましょう。
外出時に携帯したい「救急セット」
リンパ浮腫予防には感染症予防やスキンケアが大事です。虫に刺されたりしても、家ならすぐに対処できますが、外出中は手を洗うのも不自由なことがあります。
そんなとき、殺菌薬やばんそうこう、ウエットティッシュ、日焼け止めクリームなどが入ったミニ救急セットを携帯しておくと便利です。小さなささくれや、とげも危険ですから、とげ抜き用のピンセットも入れておきましょう。
日常牛活で気をつけたいこと
①けがや感染に注意する
虫刺されや小さい傷からの感染や炎症に気をつける
②皮膚の健康と清潔を守る
汗や乾燥から皮膚の清潔を守り、炎症を予防する
③ゆったりした下着や衣類を選ぶ
下着や靴・靴下など、きつめのものを選ぶとうっ滞を招く
④移動では同じ姿勢を続けない
飛行機などで同じ姿勢が続くときは、こまめに脚を動かす
⑤肥満に気をつける
肥満はリンパ液の流れを阻害するので、体重の管理を
⑥休養・睡眠は十分にとる
過労や睡眠不足は要注意。十分な休息と睡眠をとる
以上、リンパ浮腫についての解説でした。