抗がん剤は、血液の成分をつくる骨髄の細胞にもダメージを与えます。そのため、血液中の白血球、赤血球、血小板が減少する「骨髄抑制」が起こります。
白血球の減少は、免疫力の低下につながります。感染症にかかるリスクが高まるので、日ごろから注意が必要です。
細胞に酸素を運ぶ赤血球が減少すると貧血になり、症状が進むと疲れやすくなったり、息切れや動悸を感じたりします。血小板には出血を止める働きがあるため、減少すると皮下出血などが起こりやすくなります。
自覚症状としては、あざができやすい、歯ぐきから出血する、などがあります。骨髄抑制は、薬の内服や注射、輸血などによって治療します。
骨髄抑制への対処法
白血球の減少:疫力が低下し感染症にかかりやすくなる
<生活の工夫>
・人込みを避け、外出時はマスクをつける
・手洗い、うがいをこまめに行う
・白血球数が極端に減少しているときは、生ものを避ける
<病院での治療法>
・重症の場合は、白血球をつくり出す薬を投与する
赤血球の減少:貧血になり、心臓への負担が大きくなる
<生活の工夫>
・鉄が豊富な食材を積極的にとる
<病院での治療法>
・軽症なら、鉄剤を投与する
・重症の場合は赤血球の輸血を行う
血小板の減少:出血しやすく、血が止まりにくくなる
<生活の工夫>
・けがや打撲に注意する
・皮膚をひっかいたり、歯磨きの際に歯ぐきを傷つけたりしないように注意する
<病院での治療法>
・重症の場合は、血小板輸血を行う