人気コンテンツ累計150,000名以上に読まれています。無料ガイドブック「がんを完治させるための5つのルール」プレゼント中です。

25.抗がん剤・分子標的薬・免疫チェックポイント

【2025年更新】がん分子標的薬の種類と特徴・副作用について - 最新治療法の解説

分子標的薬の種類と特徴・副作用

近年、従来の抗がん剤以上に期待されているのが「分子標的薬(ぶんしひょうてきやく)」です。分子生物学の進歩により、がん細胞の増殖や転移に関して、がんだけに見られる、あるいはがんで多く発現している異常なタンパクや酵素が重要な役割を果たしていることが分かってきました。

分子標的薬は、がん細胞に特異的な分子や、過剰に発現してがんの成長に関与している分子を標的にして攻撃し、がん細胞の増殖を防ぐことを目的につくられた薬です。標的とする分子が決まっているため、事前にその分子があるかどうかを調べることで、薬の効果を予測できます。


【サイト内 特設ページ】




がんに関する情報は、世の中に溢れています。

「何を信じていいのか分からない」と不安なら。

こちらのページに解決策があります。

がんを治すための「たった1つの条件」とは?.


分子標的薬の特徴と最新動向

2025年現在、日米で総計190種類のがん分子標的治療薬が承認されています。2010年時点では21種類だったことから、平均すると年間12剤のペースで新薬が承認されていることになります。これは、がん治療における分子標的薬の重要性が年々高まっていることを示しています。

分子標的薬は、がん細胞だけを狙って作用することから、従来の抗がん剤よりも副作用が少ないと考えられていました。しかし、最近は分子標的薬特有の副作用が起こることが分かってきており、適切な管理が必要となっています。

分子標的薬の分類と種類

分子標的薬は、標的とする特異的な分子や性状などにより、次の5つのタイプに分類されます。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

抗体製剤

抗体とは、体内に侵入した病原体などの異物(抗原)を撃退するために免疫系でつくられる物質のことです。抗体製剤は、遺伝子工学を利用して人工的につくられた抗体で、がん細胞にだけある特定の受容体や情報伝達物質にとりついて、そのはたらきを阻害するなどして効果を発揮します。

人工抗体は、以前はマウスの抗体を利用していました。現在は93~95%がヒトの抗体で残りがマウスの抗体のもの、100%ヒトの抗体のものも登場しています。これにより、アレルギー反応などの副作用が軽減されています。

代表的な抗体製剤には以下があります:

  • トラスツズマブ(ハーセプチン):HER2陽性乳がんに使用
  • ベバシズマブ(アバスチン):血管新生を阻害する抗VEGF抗体
  • リツキシマブ(リツキサン):悪性リンパ腫に使用される抗CD20抗体
  • セツキシマブ(アービタックス):大腸がん、頭頸部がんに使用される抗EGFR抗体

シグナル伝達系阻害薬

がん細胞の増殖に関わるシグナル伝達経路を阻害する薬剤群です。主に2つのタイプに分けられます。

チロシンキナーゼ阻害薬

多くのがんでは、同じような細胞を際限なく増やす異常なシグナルが出続けています。シグナル伝達を担っている物質(EGFRなど)に変異が起きているためです。

チロシンキナーゼ阻害薬は、がん細胞内にあるチロシンキナーゼに作用し、増殖するときに発せられるシグナルの伝達を抑えることで、がんの増殖を抑えるはたらきがあります。代表的な薬剤には、ゲフィチニブ(イレッサ)、イマチニブ(グリベック)、エルロチニブ(タルセバ)などがあります。

これらの薬剤では、皮疹などの皮膚障害が出ることがあり、適切なスキンケアが重要となります。

mTOR阻害薬

がん細胞の増殖や新生血管の生成をコントロールするというmTORというタンパクを持続的にブロックします。腎がんに使われるエベロリムス(アフィニトール)、テムシロリムス(トーリセル)があります。

血管新生(けっかんしんせい)阻害薬

がん細胞は酸素や栄養を補給するため、血管内皮増殖因子(VEGF)を自ら分泌して、血管を新しくつくり出しています。このVEGFのはたらきを抑えて、新しく血管ができないようにするのが血管新生阻害薬です。

がんを兵糧攻めにして、増殖を抑制するのです。代表的な薬剤はベバシズマブ(アバスチン)です。単独では効果が限定的ですが、抗がん剤の成分を細胞内に浸透しやすくする作用もあるため、抗がん剤との併用で用いられます。

血管新生阻害薬の副作用として、高血圧、タンパク尿、鼻出血などが認められることがあり、定期的な血圧測定や尿検査が必要です。

プロテアソーム阻害薬

がんの細胞内で不要になったり、間違えてつくられたりしたタンパクを分解するのが、プロテアソームという酵素です。この酵素のはたらきを抑えて、がん細胞を自滅させる作用があります。

代表的な薬が、多発性骨髄腫で使われるボルテゾミブ(ベルケイド)です。この薬には発がん性のあるタンパクを分解する物質の産生を促す作用もあるとされています。

ビタミンA誘導体

分子標的薬の中では最も歴史の古いもので、ビタミンA誘導体ががん細胞に見られる特殊な遺伝子のはたらきを抑えます。

急性前骨髄球性白血病の画期的な治療薬として知られていますが、投与をやめると元に戻ってしまうことから、これとは別に「寛解後療法(地固め療法)」が必要になります。


【サイト内 特設ページ】




がんに関する情報は、世の中に溢れています。

「何を信じていいのか分からない」と不安なら。

こちらのページに解決策があります。

がんを治すための「たった1つの条件」とは?.


分子標的薬の副作用と対策

分子標的薬は、がんの発生や増殖に関連する分子を標的とする薬ですが、このような分子は実際には正常な細胞にもあり、副作用の原因となることがあります。症状は標的となる分子によって異なり、従来の抗がん剤とは異なる特有の副作用が現れます。

主な副作用の種類

薬剤の種類 主な副作用 対策・注意点
EGFR阻害薬 皮疹、爪囲炎、下痢、間質性肺炎 スキンケア、保湿剤使用、定期的な胸部画像検査
血管新生阻害薬 高血圧、タンパク尿、鼻出血 血圧測定、尿検査、出血傾向の観察
抗体薬 インフュージョンリアクション 投与速度の調整、前投薬の実施
ALK阻害薬 視覚障害、味覚障害、むくみ 運転時の注意、栄養管理、体重管理

重篤な副作用への注意

間質性肺炎は、分子標的薬の重篤な副作用として注意が必要です。これは、薬剤によって肺の弾力性が失われ、呼吸をすることが困難になる病気です。EGFR阻害薬のゲフィチニブでは、間質性肺炎が起こる頻度は3~6%、副作用による死亡率は1~3%と報告されています。

男性の喫煙者が間質性肺炎になりやすく、逆に女性の非喫煙者では間質性肺炎の副作用は少ない傾向にあります。また、もともと間質性肺炎を合併している患者さんでは間質性肺炎が悪化する危険性が高くなります。

インフュージョンリアクション

抗体薬では、インフュージョンリアクションと呼ばれる副作用がみられることがあります。多くは投与開始直後から24時間以内に生じ、主な症状には、悪寒、発熱、皮疹、軽度の血圧低下、息苦しさなどがあります。

分子標的薬治療の適応と遺伝子検査

分子標的薬は、変異した遺伝子から作られたタンパク質を標的とするものがあります。一部のがんでは、このような分子標的薬を使った治療が標準治療になっています。

この治療では、まず、使用を検討している分子標的薬に対応する遺伝子変異があるかどうかを調べます(遺伝子検査)。検査の結果、変異がある場合は、その分子標的薬を使用します。

がんゲノム医療の進展

多数のがん遺伝子の変異を同時に調べる検査を「がん遺伝子パネル検査」といいます。また、がん遺伝子パネル検査の結果に基づいて行う医療を「がんゲノム医療」といいます。

がんゲノム医療は、標準治療が終了したり、珍しいタイプのがんであったりするなどの理由で、現状では治療法を見つけることが難しい場合の選択肢になることが期待されている医療です。

最新の分子標的薬開発動向

2024年には、日本人症例のゲノム解析を起点とした新しい分子標的薬タスルグラチニブが胆道がんの治療薬として承認されました。これは、FGFR2融合遺伝子を標的とするFGFRキナーゼ阻害剤で、難治性がんである胆道がんに対する新たな治療選択肢となっています。

また、抗体薬物複合体(ADC)のように、複数の機能をもつ薬も登場してきており、がん細胞を標的とする抗体に細胞障害性抗がん薬を結合させて、がん細胞を効率よく攻撃する薬も開発されています。

分子標的薬治療の今後の展望

分子標的薬治療は、対応する遺伝子変異や融合遺伝子がある患者さんには、高い効果が期待できる治療法です。日本人の肺腺がん患者さんの約半数にEGFR遺伝子の変異が、約5%にALK融合遺伝子が認められ、これらの患者さんには対応する分子標的治療薬が投与されます。

現在も新たな標的分子の発見と薬剤開発が活発に進められており、今後も年間10剤以上のペースで新薬が承認されることが予想されます。これにより、より多くのがん患者さんに個別化された効果的な治療が提供できるようになることが期待されています。

治療における注意点

分子標的薬の副作用は、使用する薬ごとにさまざまな特徴がありますので、医師や薬剤師の説明をよく聞いてしっかり確認しておくことが重要です。治療中や治療後に、いつもと違う体調の変化を感じたら、医師や薬剤師、看護師にすぐに相談しましょう。

分子標的薬治療は、一定の治療効果が認められる間は継続することが勧められています。治療の効果が認められなくなってしまったら、別の治療法を検討します。同じ遺伝子変異や融合遺伝子に対して複数の治療薬がある場合には、別の治療薬に変更することで効果を得られる可能性があります。

まとめ

分子標的薬は、がん治療において画期的な進歩をもたらした治療法です。2025年現在、190種類以上の分子標的薬が承認されており、がん患者さんの治療選択肢は飛躍的に拡大しています。

従来の抗がん剤と比較して、がん細胞を特異的に標的とするため副作用が軽減される一方で、特有の副作用もあることから、適切な管理と定期的な検査が重要です。今後も新たな標的分子の発見と薬剤開発が進み、より多くの患者さんに個別化された効果的な治療が提供されることが期待されます。

参考文献・出典情報

  1. 世界と日本で承認されたがん分子標的治療薬一覧 - フロンティアファーマ
  2. 薬物療法 もっと詳しく - 国立がん研究センター がん情報サービス
  3. 肺がんの「分子標的薬による治療」現在使用されている薬は?今後の動向は?
  4. 【2025年最新】がんの最新治療とは?治療の歴史と2025年最新情報まで解説
  5. 日本人でのゲノム解析から創製された新薬が難治性がんである胆道がんの治療薬として承認 - 国立がん研究センター
  6. Q43分子標的治療薬の副作用や注意したほうがよいことにはどのようなものがあるでしょうか
  7. 薬物療法で使われる薬の副作用と知っておきたい対処法について教えてください - 小野薬品
  8. 肺がんの分子標的治療薬の特徴と種類・副作用 - 中外製薬
  9. 抗がん剤と分子標的治療薬 - 再発転移がん治療情報
  10. 肺がん治療と副作用~薬物療法と副作用 - ファイザー

 

・・・・・・・・・・

 

がんに関する情報は、世の中に溢れています。

そのなかで、外してはいけない重要なポイントは1つだけです。

詳しくはこちらのページで。

 

がんを治すための『たった1つの条件』とは?

 

本村ユウジ
がん治療専門のアドバイザー・本村です。

私の仕事は【がん患者さんに正しい選択を伝えること】です。

「本村さん、おかげで元気になりました」

そんな報告が届くのが嬉しくて、患者さんをサポートしています。

→200通以上の感謝の声(これまでいただいた実際のメールを掲載しています)

しかし毎日届く相談メールは、

「医師に提案された抗がん剤が怖くて、手の震えが止まらない」

「腰がすこし痛むだけで、再発か?転移か?と不安で一睡もできなくなる」

「職場の人も家族さえも、ちゃんと理解してくれない。しょせんは他人事なのかと孤独を感じる」

こんな苦しみに溢れています。

年齢を重ねると、たとえ健康であっても、つらいことはたくさんありますよね。

それに加えて「がん」は私たちから、家族との時間や、積み重ねたキャリア、将来の夢や希望を奪おうとするのです。

なんと理不尽で、容赦のないことでしょうか。

しかしあなたは、がんに勝たねばなりません。

共存(引き分け)を望んでも、相手はそれに応じてくれないからです。

幸せな日々、夢、希望、大切な人を守るには勝つしかないのです。

では、がんに勝つにはどうすればいいのか?

最初の一歩は『治すためのたった1つの条件』を知ることからです。

\ 無料ガイドブック、プレゼント中 /

がんを治すための「たった1つの条件」とは?

経験17年以上。プロのアドバイザーによる徹底解説。

闘病ブログはとても参考になると思います。
にほんブログ村 病気ブログ がんへ
にほんブログ村

サポートを受けた患者さんの声

大腸がん(腹膜播種)遠藤さん|患者さんの声

遠藤です。 お世話になっております。 先週4/10(金)に両親と、妻との4人で病院へ行き、担当医に会ってきました。 本村さんが言われていたように、話がどういった展開になるか、少々心配していましたが、私たち子供が立ち会ったことも功を奏したのか、担当医は明朗に現在の状況を説明してくれました。 ガンの転移であるのかについては、今までの抗がん剤治療での経過の中で、部位が多少なりとも小さくなっていることにより、ガンであると判断するしかない、更に突き詰めるには、やはり腹腔鏡手術・開腹手術を行うしかないが、前回母が手術 ...

続きを読む

直腸がん(手術後経過)桑島さん|患者さんの声

長い間本当にありがとうございました!!! 昨年10月にご相談をしてから、早くも6ヶ月が過ぎました。 昨年1月に大腸がん(直腸)の再発に始まり、手術をし人工肛門にするか、肛門の温存又は経過観察にするべきか、悩み迷い、先生のアドバイスを受けました。 結果経過観察を選び、4月1日に6ヶ月目の検査を受診しました。 検査結果担当医より「良かったですね。肝臓に転移も無く、術後も綺麗ですね。」と先生の笑顔を初めて拝見しました。 私もとても嬉しかったです。10月の検査予約をして参りました。 本村先生へのお礼とご報告が遅く ...

続きを読む

子宮体がん(肝臓転移あり5㎜以下で2個~4個)佐藤さん|患者さんの声

(1)患者は私本人です (2)48歳 (3)北海道○○市 (4)肝臓癌 (5)10/23、CT検査。多分再発だろうと医師に言われました。 (6)2012年婦人科で「子宮内膜増殖症 異型」と診断され、ガンに移行するタイプなので設備の整っている病院を紹介され、そこで検査の結果、初期の子宮体癌と診断されました。 (7)2012年子宮、卵巣、リンパ節手術 半年位は、毎月血液検査、その後3ヵ月ごとになりました。CT検査半年ごと。今年の7月のCT検査で、微かな影(?)のようなものが認められ、10月にもう一度CT検査を ...

続きを読む

スキルス胃がん(手術前)本間さん|患者さんの声

本村さま お返事ありがとうございました。 本村さんのおっしゃる通り、知識をしっかり身につけようと思います。誰に聞けば良いのかわからない質問にまで丁寧に答えてくださり、ありがとうございます。 先日両親にガイドブックを渡しました。がんのことを家族で勉強したいと思います。これからもよろしくお願いします。 本間 【続き】 こんばんは。先日はメールをありがとうございました。 本村さんのおっしゃる通りでした。 それでも諦めきれず、以前から気になっていた食事療法の本を出されている先生のクリニックへ。 検査結果の資料一式 ...

続きを読む

肺がん(ステージ4)堀内さん|患者さんの声

本村さん こんばんわ 報告ですが○○病院の緩和病棟(外来)に行ってきました。とにかく今の吐き気が辛い事などを伝えましたが、大変親切に対応いただきました。 ○○病院の話も聞きたい旨を伝えましたが、快く賛成頂きました。結果的には、新しい吐き気止めを頂きました。(本村さんのおっしゃるとおりでした。) その薬を妻が飲み、吐き気はなくなったようです。本日(金曜日)、体調が良く吐き気がないので出社して経理の仕事をこなしていました。 ただ、車で30分。会社に着いてすぐもどしました。また退社寸前まで元気でしたが、帰る車内 ...

続きを読む

人気の記事

1

私(本村ユウジ)は身内をがんで亡くしてから、プロとして10年以上活動している、がん治療専門のアドバイザーです。

このページでは、がんを治すための「たった1つの条件」について明らかにしています。

2

標準治療(手術、放射線、化学療法)を批判する意見は多く、書籍も多く出版されています。 特に問題視されることが多いのが、抗がん剤などの薬物を使う「化学療法」です。 ...

3

2019年6月1日より、がんゲノム医療に関する「がん遺伝子パネル検査」が保険適応となりました。 テレビのニュースなどでは「がんゲノム医療が保険適応に」などとテロ ...

4

日本で最初に免疫チェックポイント阻害剤が使われたのは「2014年7月にメラノーマで承認されたオプジーボ(ニボルマブ)。 それ以来、様々な免疫チェックポイント阻害 ...

5

近年、医療関係者や患者さんの間で注目を集めている「がんゲノム医療」について、分かりやすく解説します。 専門用語が多く「いまいち理解できない」という方も多いこの分 ...

-25.抗がん剤・分子標的薬・免疫チェックポイント

© 2025 がん治療専門のアドバイザー 本村ユウジ公式サイト・ブログ