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がん専門アドバイザー 本村ユウジ

25.抗がん剤・分子標的薬・免疫チェックポイント

【2026年更新】がん治療における維持療法とは?効果・メリット・注意点を分かりやすく解説。

がん治療における「維持療法」

こんにちは。がん専門のアドバイザー、本村ユウジです。

がんの治療を受けている患者さんやそのご家族から、「維持療法」という言葉を耳にしたことはありませんか。

維持療法とは、初回の治療で一定の効果が得られた後、がんの再発や進行をできるだけ遅らせるために継続して行う治療のことです。従来の治療では一定のコースを終えたら休薬期間を設けていましたが、副作用対策の進歩により、現在では効果が期待できる限り治療を続けることが可能になってきました。

この記事では、がん治療における維持療法の基本的な考え方から、実際の治療内容、メリットとデメリットまで、患者さんが知っておきたい情報をまとめています。


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維持療法とは何か

維持療法は、英語で「メンテナンス療法(Maintenance therapy)」とも呼ばれます。初回の治療によってがんが縮小したり、進行が止まるなど、治療効果が確認された後に行われる治療法です。

従来のがん治療では、抗がん剤を4〜6コース実施した後、休薬期間を設けて経過を観察するのが一般的でした。これは、抗がん剤が正常な細胞にもダメージを与えるため、体の回復を待つ必要があったからです。

しかし近年、副作用対策が進歩したことで、副作用を管理しながら治療を継続することが可能になってきました。その結果、休薬期間を置かずに治療を続ける維持療法が、さまざまながん種で行われるようになっています。

維持療法の2つの方法

維持療法には、大きく分けて2つの方法があります。

継続維持療法

継続維持療法は、初回の治療で使用した薬剤のうち、副作用が比較的少なく効果があった薬を引き続き使用する方法です。通常、プラチナ製剤などの副作用が強い薬は除外され、1剤または2剤での治療が行われます。

例えば、肺がんの治療でシスプラチンとペメトレキセドの併用療法を行った場合、副作用の強いシスプラチンは中止し、ペメトレキセド単剤で維持療法を続けるという方法です。

切り替え維持療法

切り替え維持療法は、初回の治療では使用していなかった抗がん剤を用いて維持療法を行う方法です。初回治療とは異なる作用機序の薬を使用することで、がんの進行を抑える効果が期待できます。

肺がんでは、初回治療でペメトレキセドを使用していない場合に、切り替え維持療法としてエルロチニブという分子標的薬を使用することがあります。


「自分の判断は正しいのか?」と不安な方へ


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肺がんにおける維持療法の実績

維持療法は従来、血液がんの治療でよく行われてきましたが、近年では肺がんにおいても効果が明らかになり、注目を集めています。

PARAMOUNT試験の成果

非小細胞肺がんに対する国際的臨床試験であるPARAMOUNT試験では、シスプラチンとペメトレキセドの併用療法を4コース実施した後の維持療法について検証されました。

この試験では、維持療法としてペメトレキセドを投与するグループと、偽薬を投与するグループに分けて比較しました。その結果、ペメトレキセドで維持療法を行ったグループのほうが、全生存期間が長くなることが確認されました。

この研究により、非小細胞肺がんの患者さんに対して、ペメトレキセドによる維持療法が有効な治療選択肢となることが示されました。

2025年の肺がん維持療法の進展

2025年5月には、EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な局所進行の非小細胞肺がんにおいて、タグリッソによる維持療法が新たに承認されました。化学放射線療法後にタグリッソで維持療法を行うことで、無増悪生存期間の延長が期待できるとされています。

また、イミフィンジという免疫チェックポイント阻害薬についても、非小細胞肺がんにおける術前・術後補助療法として承認が進んでおり、維持療法の選択肢は年々広がっています。


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他のがん種における維持療法

維持療法は肺がん以外のさまざまながん種でも実施されています。

卵巣がん

卵巣がんでは、手術や初回の化学療法で効果が得られた後、再発や進行を予防するために維持療法が行われます。

進行した卵巣がん(Ⅲ期・Ⅳ期)の患者さんで、初回治療でベバシズマブという分子標的薬を併用した場合、ベバシズマブ単剤での維持療法が12〜16サイクル追加されます。

また、BRCA1/2遺伝子変異がある患者さんでは、PARP阻害薬であるオラパリブやニラパリブを約2年間服用する維持療法も行われています。これらの薬は、がん細胞のDNA修復機能を阻害することで、がんの増殖を抑える効果があります。

多発性骨髄腫

多発性骨髄腫では、造血幹細胞移植や初回化学療法後に得られた治療効果を維持し、より深い効果を得るために維持療法が実施されます。

プロテアソーム阻害薬や免疫調節薬の単剤、または2剤併用で、通常1〜2年間治療が続けられます。病気の進行が抑えられ、副作用などの問題がない場合には、さらに長期間継続されることもあります。

急性リンパ性白血病

小児の急性リンパ性白血病では、寛解導入療法、強化療法に続いて維持療法が行われます。メルカプトプリンやメソトレキセートなどの薬剤を用いた内服治療で、1〜2年半の期間が一般的です。

維持療法は比較的合併症の少ない治療段階と考えられており、外来での通院治療で行われています。

維持療法のメリット

メリット 内容
生存期間の延長 無増悪生存期間や全生存期間が延びる可能性があります
がんの再発予防 治療を継続することで、がんの再発や進行を遅らせる効果が期待できます
副作用の軽減 初回治療より副作用の少ない薬を選択することで、体への負担を抑えられます
外来での治療 多くの場合、外来通院で治療を受けることができます

維持療法のデメリットと注意点

維持療法には多くのメリットがある一方で、患者さんが知っておくべき注意点もあります。

副作用のリスク

抗がん剤を継続して使用するため、副作用のリスクは避けられません。生存期間が延びても、その間の体調が悪化する可能性があります。

維持療法で使用される薬剤は、初回治療より副作用が少ないものが選ばれますが、骨髄抑制による白血球減少、貧血、血小板減少などが起こることがあります。また、吐き気、食欲低下、倦怠感などの症状が続く場合もあります。

治療費の負担

維持療法を長期間続けることで、医療費の負担が増加します。特に分子標的薬やPARP阻害薬などの新しい薬剤は高額になることがあります。

日本では高額療養費制度があり、一定額を超えた医療費は払い戻しを受けられます。収入に応じて自己負担の上限額が定められているため、制度を活用することで経済的負担を軽減できます。

QOL(生活の質)への影響

治療を継続することで、定期的な通院が必要になります。仕事や日常生活との両立を考えながら、治療スケジュールを調整する必要があります。

また、副作用による体調不良が続くことで、趣味や社会活動への参加が制限される可能性もあります。

維持療法を受ける際の判断基準

維持療法を受けるかどうかは、患者さんの状態やがんの特性、治療の効果と副作用のバランスなどを総合的に判断して決定します。

治療を始める前に、担当医から以下のような情報を聞いておくことが大切です。

  • 維持療法により期待できる効果(生存期間の延長など)
  • 予想される副作用の種類と程度
  • 治療にかかる費用と期間
  • 治療を中止する判断基準
  • 他の治療選択肢との比較

これらの情報をもとに、ご自身の価値観や生活スタイルを考慮しながら、治療方針を決めることが重要です。

副作用対策の進歩

近年、がん治療における副作用対策は目覚ましい進歩を遂げています。

制吐剤の開発により、吐き気や嘔吐のコントロールがしやすくなりました。また、白血球を増やす薬(G-CSF製剤)や、貧血を改善する薬(エリスロポエチン製剤)の使用により、骨髄抑制への対応も改善しています。

さらに、葉酸やビタミンB12を併用することで、ペメトレキセドなどの抗がん剤による副作用を軽減できることが分かっています。

このような支持療法の進歩により、維持療法を安全に継続できる環境が整ってきています。

治療の中止を検討する場合

維持療法は、効果が期待できる限り継続されますが、以下のような場合には治療の中止を検討します。

  • がんの進行が確認された場合
  • 重篤な副作用が発生した場合
  • 患者さんの全身状態が悪化した場合
  • 患者さん自身が治療の継続を望まない場合

治療を中止するかどうかの判断は、患者さんと医療チームが十分に話し合いながら決めていきます。

今後の展望

がん治療における維持療法は、さらなる発展が期待されています。

2025年以降も、新しい分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬の開発が進んでおり、より効果が高く副作用の少ない維持療法が可能になると考えられています。

また、がん遺伝子検査の普及により、個々の患者さんのがんの特性に合わせた最適な維持療法を選択できるようになってきています。これにより、治療効果を高めながら、不要な副作用を避けることができます。

リキッドバイオプシーという血液検査によるがんの監視技術も進歩しており、維持療法中のがんの状態をより正確に把握できるようになることが期待されています。

医療費と支援制度

維持療法を長期間続ける場合、医療費の負担について不安を感じる患者さんも多いでしょう。日本には患者さんの経済的負担を軽減するための制度があります。

高額療養費制度

月の医療費が一定額を超えた場合、超過分が払い戻される制度です。年齢や所得に応じて自己負担の上限額が決まっています。

70歳未満の一般的な所得の方の場合、月の自己負担上限額は約8万円です(年収約370万円〜約770万円の場合)。

医療費控除

年間の医療費が10万円を超えた場合、確定申告により税金の還付を受けられます。

患者支援団体の活用

がん患者さんやそのご家族を支援する団体も多数あります。経済的な相談や、治療と仕事の両立に関する相談など、さまざまなサポートを受けることができます。

維持療法と向き合うために

維持療法は、がんの再発や進行を抑える有効な治療法として、多くのがん種で実施されるようになっています。

治療を受けるかどうかの判断は、期待される効果と副作用、生活の質への影響、経済的な負担など、多くの要素を考慮する必要があります。

大切なのは、担当医や医療チームと十分に話し合い、ご自身の価値観や希望に沿った治療方針を選択することです。

参考文献・出典情報

  1. NPO法人キャンサーネットジャパン「肺がんのメンテナンス療法」
    https://www.cancernet.jp/cancer/lung/lung-mainte
  2. がん情報サイト「オンコロ」「維持療法」
    https://oncolo.jp/dic/ijiryouhou
  3. 日本がん対策図鑑「Year in Review 2025 肺がん治療の進歩」
    https://gantaisaku.net/year-in-review-2025_nsclc/
  4. NPO法人キャンサーネットジャパン「卵巣がんの薬物療法」
    https://www.cancernet.jp/cancer/ovary/ovary-chemo
  5. 武田薬品工業株式会社「多発性骨髄腫における維持療法について」
    https://www.takeda.co.jp/patients/myeloma/sec09.html
  6. 国立成育医療研究センター「小児急性リンパ性白血病における維持療法の意義を確認」
    https://www.ncchd.go.jp/press/2016/ALL-maintenance-therapy.html
  7. 看護roo!「シスプラチン+ペメトレキセド療法」
    https://www.kango-roo.com/learning/4072/
  8. 日本肺癌学会「肺癌診療ガイドライン」
    https://www.haigan.gr.jp/guidebook2019/2020/Q68.html
  9. 日本臨床腫瘍学会
    https://www.jsmo.or.jp/
  10. 日本内科学会雑誌「ペメトレキセド(アリムタ)」
    https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/99/7/99_1597/_pdf

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本村ユウジ
本村ユウジ
がん治療専門のアドバイザー・本村です。

私の仕事は【がん患者さんに正しい選択を伝えること】です。

「本村さん、おかげで元気になりました」

そんな報告が届くのが嬉しくて、患者さんをサポートしています。

→200通以上の感謝の声(これまでいただいた実際のメールを掲載しています)

しかし毎日届く相談メールは、

「医師に提案された抗がん剤が怖くて、手の震えが止まらない」

「腰がすこし痛むだけで、再発か?転移か?と不安で一睡もできなくなる」

「職場の人も家族さえも、ちゃんと理解してくれない。しょせんは他人事なのかと孤独を感じる」

こんな苦しみに溢れています。

年齢を重ねると、たとえ健康であっても、つらいことはたくさんありますよね。

それに加えて「がん」は私たちから、家族との時間や、積み重ねたキャリア、将来の夢や希望を奪おうとするのです。

なんと理不尽で、容赦のないことでしょうか。

しかしあなたは、がんに勝たねばなりません。

共存(引き分け)を望んでも、相手はそれに応じてくれないからです。

幸せな日々、夢、希望、大切な人を守るには勝つしかないのです。

では、がんに勝つにはどうすればいいのか?

最初の一歩は『治すためのたった1つの条件』を知ることからです。

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経験18年以上。プロのアドバイザーによる徹底解説。

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