腎臓がんの症状
腎臓がんを告知された人の約50%が無症状であり、画像診断で偶然発見されることが多いのが現状です。
そのため腎臓がんを疑って早期で発見される例は少なく、進行した状態で発見されることのほうが多いがんです。進行している場合は発熱、体重減少、食思不振などの症状が現れます。
また、転移があると骨の場合は痛み、肺の場合は咳など、転移した箇所特有の症状が現れることがあります。
腎臓がんの疑い
・腎臓がんのスクリーニング
腎臓がんを発見するためだけの検診はほぼ行われていませんが、何らかの症状がある場合に腹部超音波検査を行うことで腎臓がんの疑いが分かることがあります。その他、腎臓がんのリスク要因として注意すべきなのは透析を受けている人、結節性硬化症、腎臓がんの家族歴がある人などです。
・腎臓がんが疑われた場合
腎臓に腫瘍があると分かった場合、まずは腎臓がんか否かの診断が問題となります。腎臓がんなのか、それとも腎盂がんなどのほかの悪性腫瘍、血管筋脂肪腫などの良性腫瘍などかという判断をする必要があります。
腎臓がんかどうか調べるための検査
1.超音波検査=安全性、正確さ、簡便性、低コストの点で優れ、必須とされています。
2.コンピューター断層撮影(CT)(単純+造影)=腎臓の腫瘍に対しては最も診断価値が高いとされており、検査の中心です。肺などへの転移がないかも確認でいます。
3.MRI=腎臓に存在する腫瘍に関して良・悪性の鑑別などに必要です。腎静脈、下大静脈浸潤の評価にも用いられます。
4.針生検=かつては、臨床的な有用性の低さと腫瘍播種(針を刺すことでがんが広がること)に対する懸念から行われることが少なかったですが、サイズの小さい腎臓腫瘍の増加などに伴い、針生検の価値が見直されています。
針生検が検討されるのは、腎腫瘍焼灼術や、全身薬物療法を行う前に組織学的診断が必要な場合、または、腎臓の腫瘤に対して経過観察を検討する場合などです。基本的に、手術の対象例では生検は適応となりません。生検を行っても、10~20%は確定診断に至らないためです。
以上、腎臓がんの検査についての解説でした。