抗がん剤は日々研究開発が進められており、使用できる抗がん剤の選択肢は増えています。しかし、化学療法で抗がん剤を使用するとき、その効果における個人差は非常に大きいといえます。
治療の有効性が大きく、副作用が小さい抗がん剤が使用できればよいのですが、結果的に使用した抗がん剤が効かなかった場合には副作用のダメージだけ受けることになり、QOL(生活の質)が大幅に低下してしまいます。
抗がん剤感受性試験とは、患者一人ひとりに適した抗がん剤が使用できるよう、治療に先立って「抗がん剤」が効くか効かないかを判断するための試験のことです。
化学治療では通常、はじめに標準治療をおこないます。しかし、標準治療で効果がなかった場合や再発・転移をした場合、つぎに使用する抗がん剤の選択をしなければならなくなります。
このとき、患者に抗がん剤感受性試験をおこない、効く抗がん剤と効かない抗がん剤が区別できれば、効かない抗がん剤を使用するリスクを減らすことが可能になります。
現在までの報告では、抗がん剤感受性試験で判定することができるのは、およそ90%といわれています。また、そのうちの70~90%の患者で、効くと判定された抗がん剤が実際に効いた(または効かないと判定された抗がん剤が実際に効かなかった)とされています。判定率という点では、かなりの確率といえます。
抗がん剤感受性試験の方法と費用
抗がん剤感受性試験は、生検や手術で採取したがんの細胞や組織を試験管のなかで増やし、そのなかにさまざまな抗がん剤を入れて、どれが効くかを判定します。結果が出るまでの期間は、2週間程度です。しかし、効果ありと判定された抗がん剤であっても、本当に体内で効果があるかどうかについては、報告はあるものの、確実なエビデンスはいまのところありません。
また、抗がん剤感受性試験にかかる費用は2014年時点では保険適用外です。したがって、その費用は抗がん剤感受性試験をおこなっている医療機関によって異なりますが、数万円程度から数十万円かかる場合もあるようです。
・・・抗がん剤には多くのデメリットがあります。
抗がん剤のダメージを軽減するために、自らできることは「体を回復させるための栄養やビタミン」をきちんと摂取することです。