yuji-motomura

私は「がん」という病気に、大切なものをたくさん奪われました。無知で、情報に翻弄されるだけだった若い頃の私は、がんに立ち向かうことすらできず、大事な命が消えていくのを黙って見ていることしかできませんでした。
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2018/10/10

胃がんの検査の流れと胃がんと診断されるまで

日本では胃がんの発症率が高いため、自治体や企業が胃がんの検診(スクリーニング検査)を行っています。 スクリーニングでは、一般的には胃の造影X線検査を行います。これは、受診者がバリウムと発泡剤を飲んでから胃をX線で撮影するものです。これにより、胃の内部の形状や粘膜表面の状態をかなり細かく見ることができます。 この他、新しいスクリーニング検査として、血液中のペプシノーゲンという物質の量を調べることもあります。胃が分泌する物質ペプシノーゲンは、胃の粘膜が萎縮すると分泌量が減っていきます。 萎縮した粘膜からはがん ...

2015/6/11

胃の役割と胃がんの広がりかた

胃は、食物の消化を助ける臓器です。 胃の入口部分である噴門から食物が入ってくると、胃はこれに強い酸性の胃液を混ぜてどろどろにします。胃の出口、すなわち小腸(十二指腸)につながる部分は幽門と呼ばれ、ここが、ペースト状になった食物を小腸に少しずつ送り出しています。 胃の内壁は、胃液や粘液を分泌する厚い粘膜でおおわれています。粘膜の下には粘膜下層があり、筋肉層、漿膜下層と続いて、胃壁のもっとも外側には漿膜という薄い膜が存在します。胃がんは粘膜から発生し、多くの場合、粘膜下層へ、そして筋肉層と、胃壁を貫くように広 ...

2018/10/10

日本人に胃がんの人が多い理由は?

「がんになりやすい」などの確率は国や地域、民族などによって大きく違います。 たとえばアメリカ人は、アフリカのある地域の人々の10倍以上の確率で結腸がん(大腸がん)になります。またアメリカの黒人が前立腺がんになる確率は世界一です。一方、日本人が胃がんになる確率は、アメリカ人の11倍にも達します。 このような人間の集団間の大きな差は、人種や民族による体質の違いが原因だとする見方も、かつてはありました。しかし現在ではむしろ、生活環境、つまり食生活をはじめとする個人のライフスタイルによるところが大きい、というのが ...

2018/10/10

十二指腸にできるがん

十二指腸にも稀にがんが発生します。 十二指腸のポリープとは胃と違ってがんへと発展するポリープがありますので、注意が必要です。特に多いのは十二指腸乳頭部がんといって、十二指腸の出口にできるがんです。 ここは肝臓で作られた胆汁が、胆管という管を通って十二指腸に出ていくところです。早期であれば、内視鏡で簡単に切除できますが、大きくなってがんが粘膜の下に潜り胆汁の出口をふさいでしまうと、胆汁の黄色い色素が逆流して体中が黄色くなる黄疸という状態になります。 この黄疸が出るのは検査の観点でいうと幸いなことであり、胆汁 ...

2018/10/10

肝臓がんの放射線治療が使える人と使えない人

がんの三大治療法の1つ、放射線治療についても肝臓がんへの適応は進んでいます。 放射線を肝臓の広い範囲に照射すると、肝臓に重い障害を与えるおそれがありますが、腫瘍とその周辺のみに正確に照射すれば、肝臓の障害は軽くなります。 したがって、正確な照射さえ可能なら、基本的にはほとんどの患者が、この治療法の対象になり得ます。ただし現状では、肝臓がんに対する放射線治療は、まだ実験的治療の側面が少なくありません。そのため一般には、手術や熱凝固法などの局所的治療によって、治療ができる場合は、それらの治療法が優先されます。 ...

2018/10/10

肝臓がんに対するマイクロ波凝固療法、ラジオ波焼灼療法の効果と再発率、生存率

肝臓がんにおける熱凝固療法(マイクロ波凝固療法、ラジオ波焼灼療法)の特徴について、以下にまとめます。 マイクロ波凝固療法、ラジオ波焼灼療法の長所(メリット) 1.侵襲度が小さい 熱凝固療法は、侵襲度の小さい、つまり体が傷つく度合いの少ない治療法です。そのため、全身の状態がよくない、あるいは肝臓の機能が低下している患者でも治療を受けることが可能です。とりわけラジオ波焼灼療法は、マイクロ波凝固療法に比べて治療回数が少ないため、人院期間も短くてすみます。 2.腫瘍の性質を問わない 熱凝固療法は、エタノール注入療 ...

2019/3/12

胃がんとヘリコバクター・ピロリ菌の関係。除菌は必要か?

40歳以上の日本人の8割がピロリ菌に感染しているといわれ、飲み水や食べ物を介して口から感染するとされています。 日本の研究を含め、感染者は非感染者に比べて胃がんの発生率が高いという証拠はたくさんあり、IARC(国際がん研究機関)でも、ピロリ菌感染は胃がんにとって確実に発がん性があるとしています。 しかし、すべてのピロリ菌感染者が胃がんになるというわけでなく、実際に胃がんになる人は1割に満たないといわれています。日本同様にアジアやアフリカなど感染者の多い地域では、胃がん発生率が日本よりはるかに低い状況です。 ...

2018/10/10

胃がんの「腹腔鏡手術」が対象になるのは?

胃がんで内視鏡治療の対象にならなくとも、ステージとして早期がんの人の治療には、「腹腔鏡手術」が適しています。 腹腔鏡手術とは、お腹に2~10mmの小さな穴を4カ所ほどあけ、そこから「腹腔鏡」と呼ばれる小型カメラや器具を入れ、炭酸ガスでお腹を膨らませ、モニターを見ながら病巣とその周囲の胃の切除をする方法です。 胃がんの治療だけではなく、胆のうポリープ、大腸ポリープ、大腸がん、子宮筋腫、卵巣のう腫など、さまざまな病気の手術にこの腹腔鏡が使われています。最初は、良性の病気に使われることの多い手術法でしたが、最近 ...

2018/10/10

胃がん内視鏡手術(内視鏡的粘膜切除術(EMR))とは

胃がんの場合、本当にごく早期のがんなら内視鏡を使って手術(腫瘍の切除)が可能になります。 胃を全部残せるうえお腹をまったく切らずに、口から内視鏡を入れるだけでがんを切除できるので、体に負担のかからない治療です。治療の際、全身麻酔は必要なく、内視鏡検査のときと同じように、消泡剤と喉の麻酔薬を飲み、安定剤の注射で眠っていれば治療が済むところもこの治療のメリットの1つだといえます。 胃がんは平べったく凹凸が少ないのが特徴です。そこで、内視鏡治療の際には、粘膜下層に注射針で食塩水を入れて病変を浮き上がらせてからワ ...

2018/10/10

スキルス胃がんが早期発見しにくいのはなぜか

スキルス胃がんは、見つかったときには手遅れであることが多く、進行の早いがんとして恐れられています。 医師の中にも、スキルスの早期発見・早期治療は無理だという人がいますが、実は、スキルスでも内視鏡検査によって、早い段階で見つけることができます。 胃がんの約5~10%がこのスキルスもしくはスキルスに発展するがんで、一般的な胃がんのように粘膜の表面には表れず、胃壁の中に広がっていくので、「バリウムを使ったレントゲン検査でしか発見できない」というのが定説のようになっています。 しかし、本当に早期の段階は、内視鏡で ...

2025/8/13

【2025年更新】胃がん検査方法の完全ガイド|レントゲンと内視鏡検査の違いとメリット・デメリット

胃がん検査方法の基礎知識 胃にがんがあるかどうかを調べる検査には、複数の方法があります。国の指針(2016年4月1日から適用)では胃がん検診の内容は問診、胃部X線検査または胃内視鏡検査が勧められています。現在、主流となっているのは、従来から行われている「レントゲン検査(バリウム検査)」と、より精度の高い「内視鏡検査(胃カメラ)」の2つです。 胃がんはわが国のがんによる死亡原因の上位に位置しており、罹患する人(かかる人)は50歳代から増加します。早期発見・早期治療によって治癒率を大幅に向上させることができる ...

2018/10/10

早期胃がんとは?進行胃がんとは?

胃の壁の厚さはおよそ7~8mmで、内側の粘膜層から始まって、粘膜筋板、粘膜下層、固有筋層、漿膜下層、漿膜の6層からなっています。 そして、大腸がんや食道がんなどほかの消化器のがんも同じですが、胃がんの場合、どの層までがんが達しているかによって早期がんと進行がんとを区別しています。どの層までがんが潜っているかその「深達度」によって、必要な治療も変わってくるのです。 がんが、胃の壁の1番浅い粘膜層、あるいは粘膜下層までしか達していなければ「早期がん」、固有筋層より深いところまでがんが達していれば「進行がん」と ...

2025/8/13

【2025年更新】手術ができない膵臓がんの治療法|最新の化学療法と治療選択肢を解説

手術ができない膵臓がんとは 膵臓がんは消化器がんの中でも特に治療が困難ながんの一つです。診断時に約80%の患者が手術不能な状態で発見されることが知られています。手術ができない膵臓がんとは、がんが周囲の血管や他の臓器に広がっている、または体の別の部位に転移している状態を指します。 手術ができない理由には、局所進行がん(膵臓周囲の主要血管への浸潤)と遠隔転移がん(肝臓、肺、腹膜などへの転移)の2つのパターンがあります。これらの状態では、手術によるがんの完全切除が困難であるため、化学療法や放射線治療などの全身治 ...

2018/10/10

手術が可能な場合の膵臓がんの治療法

外科手術は、がんが十二指腸側(膵頭部)にあるときには膵臓だけを切除するわけではありません。膵臓のがん病巣の他、胃や十二指腸、胆嚢、胆管を切除することになるのが標準治療です。 それ以外のときには、膵臓の半分と脾臓を摘出します。 また、いずれの場合も、周囲のリンパ節を切除することが提案されます。再発を防ぐため、手術後には補助療法として一般に化学療法か放射線治療、もしくはその両方が薦められます。 なお術後の放射線治療と併用し、手術中に切除した部分の周囲に放射線を直接照射する「術中照射」も試みられています。補助的 ...

2025/8/13

【2025年更新】膵臓がんの検査と診断方法:早期発見のための最新検査技術を徹底解説

膵臓がんの検査が困難な理由 膵臓は人体の奥深くに位置する臓器であるため、一般的な画像診断では発見が非常に困難です。膵臓がんを疑って詳細な検査を行わない限り、早期発見は極めて難しいとされています。 膵臓がんの患者さんの多くは、初期症状として胃腸の不調を訴えます。しかし、このような症状は他の消化器疾患でも見られるため、膵臓がんの可能性を考慮せずに検査を行うと、異常なしと判断されてしまうケースが少なくありません。 2025年現在、膵臓がんの5年生存率は約12%と依然として低い水準にありますが、早期発見により治療 ...

2018/10/10

膵臓がんの自覚症状と原因

膵臓がんは、初期にはあまり症状がありません。 症状が現れてもほとんどは、胃のあたりがなんとなくおかしい、食欲がない、背中が重苦しいといった漠然とした症状です。がんが成長すると、腹部に鈍痛が生じる、背中や腰が痛む、嘔吐・下痢をする、全身がだるい(脱力感)などの症状が現れます。 また多くの患者では、膵臓内を走る胆管ががんによって圧迫されたり詰まったりするため、黄疸が現れます。 膵臓のはたらきが衰えて、糖尿病の症状がいっきに悪化することもあります。しかし、こうした明らかな症状を自覚したときには、すでに膵臓の周囲 ...

2025/8/13

【2025年最新】膵臓がん生存率の現状と治療が困難な理由を徹底解説

膵臓がんとは何か?基本的な仕組みを理解する 膵臓は、胃の後ろ側に位置するトウガラシのような形をした重要な臓器です。長さ約15センチメートルのこの臓器は、私たちの生命維持に欠かせない2つの主要な機能を担っています。 まず1つ目の機能は、血液中の糖分濃度である血糖値をコントロールするホルモンの産生です。膵臓内に点在するランゲルハンス島と呼ばれる細胞群が、血糖値を下げるインスリンと血糖値を上げるグルカゴンというホルモンを分泌しています。これらのホルモンのバランスによって、私たちの血糖値は適切に保たれているのです ...

2026/1/4

【2026年更新】すい臓がんと糖尿病の関連性を解説。リスク因子、早期発見のポイント、検査方法などを詳しく

すい臓がんと糖尿病の密接な関係性 こんにちは。がん専門のアドバイザー、本村ユウジです。 すい臓がんと糖尿病の間には、多くの方が知らない重要な関連性があります。2023年には膵臓がんによる死亡者数が40,000人を超え、がん種別死亡者数では胃がんを抜いて第3位となりました。 すい臓は胃の後ろにある長さ約15~20cmほどの臓器で、2つの重要な機能を持っています。1つは消化液である膵液を分泌する外分泌機能、もう1つは血糖値を調整するホルモン(インスリンなど)を分泌する内分泌機能です。 この2つの機能のうち、特 ...

2025/12/20

【2025年更新】膀胱がんの標準治療を提案されたら?判断のための考え方、進行速度・余命・高齢者の治療まで詳しく解説

膀胱がんの標準治療の基本的な考え方 膀胱がんの治療において、まず理解しておくべきは「標準治療」の位置づけです。 標準治療とは、現時点で最も効果が証明されており、多くの患者さんに推奨される治療法を指します。膀胱がんの場合、病期や浸潤の深さ、患者さんの年齢や全身状態によって、選択される治療法が異なります。 医師から治療の提案を受けたとき、どのような視点で考えればよいのか。それは「自分のがんがどの段階にあるのか」「治療によって何が得られ、何を失う可能性があるのか」という2つの軸を明確にすることから始まります。 ...

2015/6/10

膀胱がんの検査と診断方法

膀胱がんの検査ではおもに、尿道から膀胱に膀胱鏡(非常に細い内視鏡)を入れて観察する方法がとられます。 この検査は痛みをともなうため、麻酔(局所麻酔または仙骨硬膜外麻酔)の下で行います。通常は、この検査によってほぼ確実にがんを発見することができます。 尿の中にがん細胞が混じっているかどうかを調べる「尿細胞診」が行われることもありますが、がんの場所によっては確実ではありません。確定的な診断を下すには、麻酔下で膀胱内の組織を採取して調べる「生検」が必要です。 また、がんが膀胱の粘膜上皮の下まで浸潤している疑いが ...