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がんを治すための「たった1つの条件」とは?

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07.乳がん

【2026年更新】乳がんの悪性度(顔つき)はどう判断される?グレード分類とKi67

こんにちは。がん専門のアドバイザー、本村ユウジです。

当記事では、乳がんの「悪性度(顔つき)」について解説します。

乳がんの診断や治療を受ける際、「ステージ」という言葉とともに「悪性度」「グレード」「顔つき」といった言葉を耳にすることがあります。これらは似ているようで、実は異なる評価基準を示しています。


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悪性度とステージの違いを理解する

乳がんだけでなく、多くのがんには進行度合いを判別する「ステージ分類」という考え方があります。原則として5段階(ステージ0から4まで)に分類され、ステージ0が最も早期で、ステージ4が最も進行した状況を示します。

乳がんの場合、乳房内にとどまる小さな腫瘍であればステージ1、肺や骨など乳房から離れた臓器や器官に転移があればステージ4という分類になります。つまりステージは、がんの「広がりの範囲」を評価する指標です。

いっぽう「悪性度」は、ステージ分類とは異なる評価基準です。悪性度はがん細胞そのものの性質、具体的には「今後、再発したり転移したりする危険性が高い細胞なのか」を評価し、分類するものです。

よく「がん細胞の顔つきが悪い」といいますが、この「顔つき」は「悪性度」と同じ意味で使われています。医学的には「病理学的悪性度(グレード)」と表現されます。

悪性度は病理検査の結果で判明する

乳がんの細胞を採取する機会は通常二度あります。

一度目は針生検です。これは治療前に乳がんが疑われる部分に針を刺し、細胞を採取して顕微鏡で調べる検査です。現在では吸引式の針生検(バコラやマンモトーム生検など)が多く用いられています。

二度目は手術後の組織検査です。手術して切除した組織全体を顕微鏡で詳しく調べます。

乳がんでは手術後の組織検査で得られた情報を「確定診断」としています。針生検で得られた情報は暫定的なものですが、近年の検査精度は向上しており、確定診断とそれほど変わらない結果が得られることが多くなっています。

針生検であれ組織検査であれ、いずれの場合も病院から「病理診断結果」として患者さんに通知されます。この病理診断結果には、以下のような多くの項目が記載されています。

項目 記載例
術式 Bt+Ax
組織型 Invasive Ductal carcinoma
組織グレード 2
核グレード 2
浸潤巣の径 2.1x1.4x1.5cm
乳管内進展 2.2x2.4x1.8cm
pT分類 pT2相当
リンパ管侵襲 ly(−)
静脈侵襲 v(−)
切除断端 陰性
リンパ節転移 Ax(0/5)
ER ALLRED SCORE PS0+IS0=TS0
PgR ALLRED SCORE PS0+IS0=TS0
Her2 3+
Ki67標識率 30%

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悪性度は主に「グレード分類」で確認する

乳がんの危険度(今後再発したり転移したりする確率が高いかどうか)は、複数の指標を見て総合的に判断します。その中で一般的に「悪性度」というときは、「病理学的悪性度(グレード)」の評価のことを指します。

病理学的グレード分類には、「核グレード分類」と「組織学的グレード分類」の2種類があります。

核グレード分類について

核グレード分類は、がん細胞の核の状態を評価する方法です。分かりやすくいうと、「正常な細胞と比べて、どのくらいの変化(形の崩れ)があるか」を評価します。

具体的には「核異型スコア」と「核分裂像スコア」の2つを評価し、その合計点数から最終的に「核グレード」を3段階に分類します。

核異型スコア
1点 核の大きさ、形態が一様でクロマチンは目立たない
2点 1と3の中間
3点 核の大小不同、形態不整が目立つ。クロマチンの増量、不均等分布が目立ち、大型の核小体を有することがある
核分裂像スコア(視野数10の場合)
1点 5個未満
2点 5~10個
3点 11個以上
核グレード判定(核異型スコア+核分裂像スコア)
グレード1 2~3点
グレード2 4点
グレード3 5~6点

組織学的グレード分類について

組織学的グレード分類は、核の状態に加えて組織の構造的な特徴も評価します。現在、国際的に広く用いられているのは「ノッティンガム分類(Nottingham Histological Grade)」です。これはWHO分類第5版や日本の乳癌診療ガイドライン2022年版でも採用されています。

ノッティンガム分類では、「腺管形成」「核異型」「核分裂像」の3項目をそれぞれ1~3点で評価し、合計点数(3~9点)から最終的に3段階のグレードを決定します。

腺管形成スコア
1点 腫瘍の75%以上が腺管構造を形成している
2点 腫瘍の10~75%が腺管構造を形成している
3点 腫瘍の10%未満が腺管構造を形成している
組織学的グレード判定(3項目の合計点数)
グレード1 3~5点
グレード2 6~7点
グレード3 8~9点

グレード分類と予後の関係

これらの判定が、実際にどのような結果につながるのかという点については、国内の研究報告が参考になります。

リンパ節転移のない乳がん患者さんを対象とした研究では、核グレード別の5年術後無再発生存率(手術後に再発なく生存している確率)は以下のような結果が報告されています。

核グレード1=約98%

核グレード2=約97%

核グレード3=約81%

グレード1と2では大きな差がないように見えますが、グレード2以上の乳がんは術後5年以上経過してから再発することもあると報告されています。そのため「グレード2だから安心」とは一概にいえません。

また、グレードが高いほど転移や再発の可能性が高くなる傾向にありますが、これはあくまで統計的な傾向であり、個々の患者さんの予後は他の要因も含めて総合的に判断されます。


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Ki67(キー67)について

Ki67は、がん細胞の増殖能力を表す指標です。正式には核たんぱく質の一種で、細胞増殖期にある細胞の割合を示します。

検査では抗Ki67抗体を使ってがん細胞を染色し、Ki67が発現しているがん細胞の核に色をつけます。乳がん細胞のうち、何割の細胞が染まるかによってパーセンテージで表します。40%であれば「Ki67が40%」と報告されます。

Ki67の評価基準

2026年現在、Ki67の評価方法は完全には標準化されていません。しかし、乳癌診療ガイドライン2022年版や国際的なコンセンサスでは、以下のような目安が示されています。

Ki67が5%未満:増殖能力が低い

Ki67が5~30%:中間的な増殖能力

Ki67が30%以上:増殖能力が高い

一般的に、数値が低いほど増殖速度は遅く、高値になるにつれ増殖力が強くて速いとされています。ただし、低値の場合は抗がん剤が効きにくい傾向があるとも考えられています。

Ki67の臨床的な意義

日本乳癌学会では「Ki67の評価方法が標準化されておらず、治療効果予測としてのKi67の意義は科学的根拠が十分でない」としながらも、「Ki67と予後との間に相関があるのはほぼ確実である」としています。

つまり、目安として増殖能力を示す指標にはなりますが、具体的に何%という値で区切りを設けて抗がん薬治療をする・しないなどの判断に単独で用いることは、現時点では推奨されていません。

特にホルモン受容体陽性・HER2陰性の乳がんにおいて、Ki67は予後予測に有用な情報となりますが、他の因子と組み合わせて総合的に判断されます。

乳がんのサブタイプ分類と悪性度

サブタイプというのは、がん細胞の特徴によって分類したものです。乳がんでは「ホルモン受容体が陰性か陽性か」と「HER2たんぱくが陰性か陽性か」を必ず検査します。

その結果とKi67の値などを組み合わせて、以下のように分類されます。サブタイプ分類は薬物療法を選択する際の重要な判断材料となります。

サブタイプ 定義 特徴 5年無再発生存率の目安
ルミナルA ホルモン受容体陽性、HER2陰性、Ki67低値 増殖速度が遅い 約88%
ルミナルB(HER2陰性) ホルモン受容体陽性、HER2陰性、Ki67高値 増殖速度が速い 約69%
ルミナルB(HER2陽性) ホルモン受容体陽性、HER2陽性 増殖速度が速い
HER2エンリッチド ホルモン受容体陰性、HER2陽性 増殖速度が速い 約67%
トリプルネガティブ ホルモン受容体陰性、HER2陰性 増殖速度が速い 約74%

治療方針決定における悪性度の役割

現在の乳がん治療では、以前のように「進行度(ステージ)」だけで治療方針を決めるのではなく、「がんのタイプ(悪性度やサブタイプ)」を重視して治療方針を決定する流れになっています。

グレード分類やKi67、サブタイプ分類などの情報は、以下のような判断に活用されます。

・ホルモン療法が効果的かどうか

・抗HER2療法が適応かどうか

・化学療法(抗がん剤治療)を追加する必要があるかどうか

・術後の再発リスクがどの程度か

・定期的な検査の頻度や内容

これらの情報を総合的に判断し、患者さん一人一人の状況に合わせた治療計画が立てられます。

病理検査結果を理解するためのポイント

病理検査の結果は専門用語が多く、理解しにくい部分があるかもしれません。以下のポイントを押さえておくと、主治医との話し合いがスムーズになります。

1. グレード分類には核グレードと組織学的グレードがあり、どちらも3段階評価です

2. グレードの数字が小さいほど正常細胞に近く、大きいほど悪性度が高いと判断されます

3. Ki67は増殖能力の指標ですが、これだけで治療方針を決めることはありません

4. サブタイプ分類によって適した薬物療法が異なります

5. 個々の項目だけでなく、総合的な評価が重要です

病理検査結果について不明な点があれば、遠慮せずに主治医に質問することが大切です。自分の病状を正しく理解することは、納得のいく治療を受けるための第一歩となります。

参考文献・出典情報

国立がん研究センター がん情報サービス「乳がん」

日本乳癌学会「乳癌診療ガイドライン2022年版 病理診断」

日本乳癌学会「Ki67評価について」

一般社団法人BC TUBE「乳がん手術後の検査結果」

ファイザー「乳がんの診断」

国立がん研究センター東病院「乳がんについて」

MyPathologyReport「ノッティンガム病理学的グレード」

がんサポート「乳がんの増殖能を判定するKi-67値」

神奈川乳がん治療研究会「核グレードや核異型度の表記について」

日本乳癌学会「将来検討委員会からの提言2025年」

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本村ユウジ
本村ユウジ
がん治療専門のアドバイザー・本村です。

私の仕事は【がん患者さんに正しい選択を伝えること】です。

「本村さん、おかげで元気になりました」

そんな報告が届くのが嬉しくて、患者さんをサポートしています。

→200通以上の感謝の声(これまでいただいた実際のメールを掲載しています)

しかし毎日届く相談メールは、

「医師に提案された抗がん剤が怖くて、手の震えが止まらない」

「腰がすこし痛むだけで、再発か?転移か?と不安で一睡もできなくなる」

「職場の人も家族さえも、ちゃんと理解してくれない。しょせんは他人事なのかと孤独を感じる」

こんな苦しみに溢れています。

年齢を重ねると、たとえ健康であっても、つらいことはたくさんありますよね。

それに加えて「がん」は私たちから、家族との時間や、積み重ねたキャリア、将来の夢や希望を奪おうとするのです。

なんと理不尽で、容赦のないことでしょうか。

しかしあなたは、がんに勝たねばなりません。

共存(引き分け)を望んでも、相手はそれに応じてくれないからです。

幸せな日々、夢、希望、大切な人を守るには勝つしかないのです。

では、がんに勝つにはどうすればいいのか?

最初の一歩は『治すためのたった1つの条件』を知ることからです。

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