がん専門のアドバイザー、本村です。
この記事では大阪府下で癌に関する祈祷ができたり、お守りやお札が購入できたりする寺社のなかで、よいと思う神社を2つ、お寺を1つ紹介したいと思います。
それぞれの特色や祈願のおける由来などについて解説しますね。
まず有名な神社としてよく名が挙がるのは奈良県境の近くにある「石切劔箭(いしきりつるぎや)神社」です。
大阪はもちろん、奈良市からも多くの人が訪れています。
大阪府東大阪市、生駒山のふもと「石切劔箭神社」
地元の人には「石切さん」の名前で親しまれている通称「石切神社」。
日本神話における神である「天照大神(あまてらすおおかみ)」の子孫である、饒速日尊(にぎはやひのみこと)とその御子である可美真手命(うましまでのみこと)が祀られている神社です。
饒速日尊が武功をあげ、神武天皇から剣を授かったことを由来に「劔箭(つるぎや)神社」と命名されたそうです。
癌封じを願うお参り
さて、がんとの関連は石切神社が「でんぼの神」といわれていることにあります。
「でんぼ」=関西の方言で腫れもの、という意味です(現代で腫れもののことを”でんぼ”という関西人はほとんどいませんが・・・)。
つまり腫れものに由来する病気を治してくれる神様として敬われているということですね。
ちなみに石切神社の祭祀(まつりごと。あるいはまつりごとを行うこと)を務めてきた、小積氏に伝わる秘法=伝法(でんぽう)が由来です。
でんぼう→でんぼ、というのは言い間違いのような由来ではありますが、地元の人々に定着して「腫れものがよくなる=がんもよくなる」ということから「癌封じのお参り」に人々が訪れるようになった、ということです。
参拝のしかた
神社の作法として基本的な形は「二拝二拍手一拝」です。神前で姿勢を正し、二度おじぎをして(礼をすること。拝)、二度手を打ち(拍手)、最後に一礼するというものです。
もうひとつ、石切神社は「お百度参り」をして病気平癒を願う形もあります。
お百度参りとは本殿前でお参りしたあと、入口に戻り、再び本殿前でお参りすることを百回繰り返すことです。お百度を踏むともいいます。
お百度参りを経験した人はあまりいないと思いますし、一般的ではないと思われる人が多いと思いますが、石切神社では常に数人程度はお百度参りをしている人がいます。土日祝日ともなれば50人程度が熱心にお百度参りをしています。
癌の治療成功や、再発や転移がないことを願う人も多いとききます。
病気平癒を願う、なで守り
石切神社には病気平癒のお札は売られていますが、病気平癒のお守りや癌封じのお守りはありません。
しかし「なで守り」という特徴的なお守りがあります。
紙袋の中からお守りが入っています。「石切大神」と何回もとなえながら御守で患部を撫でてると患部が回復するといういわれがあります。
がんに罹患している人はその部位を撫でるとよい、とされています。
なお、お守りの中の御米は毎朝一粒ずつ、その日初めて飲む水で頂きます(食べます)。ずっと「お守り」として身につけているのではなく、一週間経ったら都合の良い日に参拝して納札所へお納めるのがならわしです。
所在地
大阪府東大阪市東石切町1丁目1−1
大阪府中央区 少彦名神社(すくなひこなじんじゃ)
大阪のビジネス街にある神社で「医薬の神様」として参拝者が絶えない神社です。病気を克服したい人はもちろん、医師や看護師、薬剤師や鍼灸師など医学に携わる人も多く訪れています。
少彦名神社に祀られているのは、日本医薬の神といわれている「少彦名命(すくなひこなのみこと)」と、中国医薬の神といわれている「神農炎帝(しんのうえんてい)」です。
少彦名命はまじないなどの多彩な能力を有したとされ、神農炎帝は野草などの効能を研究し、医薬を広めた人と伝えられています。
戦国時代後期から、道修町は薬の取引が盛んで、薬の町として発展していました。江戸時代には大きな市場となり、取引の安定や品質の向上が重要な責務となりました。
そこで神の加護を得るために少彦名神社が建立されたと言い伝えられています。
信仰を集めている「病気平癒・健康祈願」
医薬の神社、健康の神社として全国から多くの人が参拝し、祈祷を受けられています。
一般病気平癒祈祷(紙札)は7千円より。特別病気平癒祈祷(特別祈祷木札)は一万円より受けつけられています。土日は特に人気のため、あらかじめ予約して参拝するのがよいでしょう。
癌との関連
いわゆる「癌封じ」や「癌平癒祈祷」など、がんに直接関連する祈祷やお守り、お札はありませんが、病気平癒のお札、病気平癒守、天然石で作られたブレスレッドなどの授与品に人気があります。
また、1822年に大阪でコレラが流行した時、「虎頭殺鬼雄黄圓」という丸薬をつくり、病除祈願し、無償でお守りの「張子の虎」とともに配ったところ病気が平癒したという言い伝えから「虎」をモチーフとした授与品に特徴があります。
こちらは病気平癒・健康の「首ふり虎守」です。
御朱印も彩鮮やかで美しいものが多いので、御朱印を集められている人にも人気があります。
所在地
大阪府大阪市中央区道修町
大阪市天王寺区 「四天王寺(してんのうじ)」
四天王寺は聖徳太子によって建立された7つの寺のうちの1つです。太子自ら戦勝を祈願するために彫った四天王を安置するために造られた寺だと伝えられています。
四天王寺は仏教の宗派にこだわらず独立し、和宗(仏教全体)の総本山として大阪のみならず関西屈指の信仰を集めています。
聖徳太子の一生の伝説が描かれた絵伝を「絵堂」にて見ることができるなど、聖徳太子とのゆかりが特に深い寺として有名です。
ちなみにこの周辺の「天王寺」という地名や駅名は「四天王寺」を略したもの、だそうです。
癌との関連~部位を撫でる、なで仏
広い境内の中にはいくつかの専門施設=院があります。
病気健康に関するものとしては、病者に薬を施す「施薬院」、病気の者を収容し病気を癒す「療病院」があります。
病気平癒の祈祷も常時受け付けられており、特にご利益があると言われているのは毎年10月10日に「万灯院」で行われる「万灯院衣替え」です。
ここでは紙の衣を着けた「紙衣さん」の衣替えの法要が行われます。
この日に参拝すると紙衣さんが身に着けていた衣を背中に当ててもらえます。これを受けると無病息災や病気平癒のご利益があると言われています。
その他としては六時礼賛堂の入り口にある「撫仏(なで仏)」が有名です。
正確には賓頭盧尊者(びんずるそんしゃ)像と言い、この像=「撫仏(なで仏)」を撫でる(患部と同じところを撫でる)と病気が治るとされています。
がん患者さんの方は、癌に罹患された部位が回復することを願いながらさすってあげるとよいといわれています。
また、本人でなくても、その人のことを願って撫でるとご利益があるとされています。
乳癌の方には「御乳守(みむねまもり)」
布袋堂では「御乳守(みむねまもり)」と名付けられた授与品が販売されています。
女性の方で、乳癌を患われた方にはよいお守りかと思います。
御乳守(みむねまもり) 授与価格700円
所在地
大阪市天王寺区四天王寺1丁目11番18号
「癌封じ」と書かれたお守りが欲しい、という人へ
このように大阪府にも、がんに関連する祈祷やお守りがある神社やお寺、病気平癒のご利益があると思われるところはいくつかありますが、「やはり癌封じと書かれたお守りが欲しい」という人がいると思います。
大阪府では(現時点では)「癌封じ」と書かれたお守りを手にいれられる寺社はないですが、通信販売で購入できる癌封じのお守りがあります。くわしくはこちら。