膵臓がんが「難治がん」といわれる理由として、特有の症状がなかったり、症状が出なかったりするために発見が遅れやすいこと、膵臓のある場所が奥深いため治療が難しいこと、血管にがんが広がりやすく、転移が速いことなどが挙げられます。
膵臓がんの薬物療法として、日本ではゲムシタビン、TS-1に続き、肺がんで使われている分子標的薬のエルロチニブ(タルセバ)が2011年7月、治癒切除不能な膵臓がんに対して承認されました。
また2013年には、FOLFIRINOX(フォルフィリノックス)(5-FU、ロイコボリン、イリノテカン、エルプラットという抗がん剤を組み合わせて投与する化学療法)が承認されました。ゲムシタビン単独療法との比較試験が行われ、FOLFIRINOX療法が生存期間を延長することが証明されたためです。
現在は、ゲムシタビン単独療法、TS-1単独療法、ゲムシタビン+エルロチニブ療法、FOLFIRINOXのいずれかを行うという流れになっています。
膵臓がんに使われる薬
<抗がん剤>
・代謝拮抗薬
ゲムシタビン(GEM):製品名ジェムザール
テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム(TS-1):製品名ティーエスワン
FOLFIRINOX(5-FU、ロイコボリン、イリノテカン、エルプラット)。
<分子標的薬>
エルロチニブ:製品名タルセバ
以上、膵臓がんの薬物療法についての解説でした。