この記事では徳島県内で、癌封じや癌が治るよう祈願したい、と神社やお寺を調べられている方に、おすすめしたい場所を紹介しています。
まず、言葉の解説が必要なのは「癌封じ」についてです。
「癌封じ」とはそもそも「癌と診断されていない人が、癌にならないことを願う」祈願です(ただ「封じ」という言葉には「再発や転移を起こさない」という意味も含むため、がん闘病中の人が癌封じの祈願をすることは間違いではありません)。
本来、闘病中の人が癌が治ることや回復を願ったり、手術などの治療の成功を願う場合は、「病気平癒祈願」という願意が適しています。
ですので闘病中の人は「病気平癒」や「健康長寿」にゆかりがある寺社を探すのが適しています。
次に徳島県は神社の数が全国で6位と多い県ですが、薬祖神(医薬の神)といわれる少彦名命(すくなひこなのみこと)や、その他延命長寿にゆかりのある祭神を祀る大きな神社はほとんどありません。
いっぽうでお寺については、四国巡礼の札所の中でも、病気平癒にゆかりのある薬師如来を祀る有名なお寺がいくつかあります。
そのため、徳島県では以下のお寺を参拝することが、癌が治ることや治療の成功を祈願するには適していると思います。
なお、「癌封じ」に特化したお守りが欲しい、という人には、ページの最後で「通信販売で癌封じのお守りが購入できる寺院」を紹介しています。
徳島県阿南市 医王院 平等寺の病気平癒祈願
四国のお寺めぐりといえば、お遍路。
これは四国の八十八か所の札所を回る巡礼旅ですが、出発点は徳島県にあり、鳴門市の竺和山霊山寺が一番札所になります。
全部で徳島県には23か所の札所があります。
このうち癌や病気が治ることを祈願しに参拝するなら二十二番札所の医王院、平等寺(びょうどうじ。高野山真言宗)が適していると思います。
平等寺は814年に弘法大師・空海によって開かれた歴史深いお寺で、他の札所のお寺よりも広い境内、大きな社殿、美しい木々や花などの自然が豊かで特に人気を集めている場所です。
名所として有名なのが、空海が杖で掘ったという井戸。
空海はその水で身を清め、100日の修行をしたあとに(現在の本尊である)薬師如来を自ら彫り、堂を建てて安置したことが寺の由来とされています。
この井戸の水は「弘法の霊水(こうぼうのれいすい)」とされ、現在も豊かに湧き続けています。万病に効くとされ、持ち帰りも可能なことから多くの方がその水を飲んだり、持って帰ったりしているそうです。
また、空海は薬師如来を彫る際に「人々の苦しみを平等に癒し去る」との誓い立て、その思いを寺の名前である「平等寺」に込めたと伝わっています。
癌や病気との関連
癌など特定の病気とのつながりは伝わっていませんが、薬師如来は仏教における「医薬の王」であり「医薬の仏」として古くから信仰されてきました。
平等寺の山号は「医王院」ですが、この医王とは薬師如来のことです。
薬師如来は「民の病患を救うという如来=薬壺(やっこ)を持ち病気を治す仏様」であり、薬壷には体の病、心の病、社会の病を治す薬が入っている、とされています。
空海本人の作とされる薬師如来を祀り、1200年以上もの歴史を持つ平等院には、癌をはじめ難病平癒の祈願に多くの人が訪れています。
癌などの病気平癒を祈願する護摩祈祷
平等寺では、個人の病気平癒を願う祈祷を受けることができます。
社殿にあがって祈祷を受ける、という神社のスタイルとは違い、「願いと住所氏名を伝えて、毎月8日の”薬師如来増益護摩供”で僧侶に祈願をしてもらう」という方法になります。
これは、毎月一度(8日)に本尊薬師如来の前で、護摩を焚き、癌からの回復や治療の成功をはじめ、病気平癒や身心安穏、延命を願うという真言宗などに伝わる成就法(じょうじゅほう)です。
「護摩」とはサンスクリットの「ホーマ」が由来で意味は「物を焼く」です。
焼くことで生まれる火、炎に大きな意味があり、炎=仏の智慧の象徴とされています。また、炎により煩悩や罪障を焼き尽くすとされ、それにより福徳を生み出すために行われます。
護摩行は天台宗や真言宗など密教といわれる流派で行われていますが、日本に持ち帰り広めたのは空海といわれています。
薬師如来増益護摩供は、2,000円から受けることができます。(一座祈祷=一度の祈祷を行う=2,000円)
一回の所要時間は2時間で、これは他の寺社を含めてもとても長い時間ですが、平等寺では、「しっかり拝むとこれくらいはかかる。どうしても叶えたい、他に頼るものがない、そんな時にお参りしてください」と案内しています。
平等寺の住所と地図
住所:徳島県阿南市新野町秋山177
平等寺の営業時間、電話番号、最寄り駅、駐車場など
・営業時間(参拝可能時間):本堂開閉は6:00~17:00
・拝観料:なし
・電話番号:0884-36-3522
・最寄り駅:JR四国牟岐線 新野駅下車 (1.9km。徒歩30分)
・バス:徳島バス阿南「新野局前」下車 (0.6km)
・車でのアクセス:徳島自動車道徳島ICから約45㎞
・駐車場:無料駐車場あり。30台。
平等寺のおすすめ度:A。【A>Eの5段階】
平等寺は宿坊「坊主の宿」も有名です(完全予約制。
ヨガなども体験でき、料理もおいしく、心身ともにリフレッシュした、という方が多いです。宿泊時には健康祈願のための読経もしてくれるそうです。
参拝や祈祷を受けるのもよいですが、遠方から参拝する場合は宿泊もよいと思います。
徳島県海部郡 医王山 薬王寺の病気平癒祈願
二十二番札所の平等寺から約20kmの位置に、二十三番の無量寿院医王山(むりょうじゅいん いおうざん)薬王寺(やくおうじ)があります。
二十三番ということで、徳島県(阿波)の最終札所になります。
無量寿院医王山の由来は、無限の生命を伝え、医の王である薬師如来を祀るということにあります。
こちらも平等寺と同じく薬師如来を祀る寺院で、「厄除けの薬師如来」として有名です。お遍路以外の参拝者も多く、徳島県南部においては正月の初詣客がもっとも多いお寺です。
日和佐の町と海が一望でき、夏の新緑、秋の紅葉が美しいことで知られ、自然が豊かなお寺でお遍路のお寺でも特に人気の高い場所です。
建立は726年、奈良時代の高僧、行基によるもので、その後弘法大師空海が本尊の薬師如来を彫り、祀ることで開基されました。
特に目立つ赤い塔は瑜祇塔(ゆぎとう)といわれる建物で、1963年に建てられたものです。
1964年は四国八十八ヶ所の霊場ができて1150年、1965年は高野山開創1150年にあたり、これらを記念して建てられました。
また、現在の本堂は1908年に再建されたもので阿南室戸歴史文化道に指定されており、とくしま88景にも数えられています。
癌や病気との関連
薬師如来が祀られているという点に加え、本堂左側にある「肺大師」が肺がんからの回復祈願で有名です。
本堂の裏からラジウムを含んだ霊水(瑠璃の水)が湧出しており、特に肺病などの諸病に効くといわれ、肺大師という名がつけられたそうです。
研究によると微量の鉱物が含まれていることが判明し、肺がんの治療に使用される薬の一部の成分が含まれるといわれています(が、大量に飲んだりするのは止めておきましょう)。
薬王寺でも病気平癒の祈願を受けることができます
薬王寺では毎朝6時より護摩祈祷が行われています。願意は様々なものから選択できますが、癌闘病中の方は病気平癒祈願が適しています。
受付で申し込むとお札をもらうことができ、実際の祈祷は翌日に行われます。祈祷料は1座祈祷(1回の祈祷)で3,000円。3座(3回)の場合は5,000円です。
病気平癒や厄除けのお守りなど
厄除けや健康祈願、病気平癒のお守りなど多数の種類が授与されています。
薬王寺の住所と地図
住所:徳島県海部郡美波町奥河内字寺前285-1
薬王寺の営業時間、電話番号、最寄り駅、駐車場など
・営業時間(参拝可能時間):7:00~17:00(寺務所)。定休日なし
・電話番号:0884-77-0023
・最寄り駅:JR四国牟岐線 日和佐駅下車(0.4km)
・車でのアクセス:徳島ICから100分
・駐車場:無料駐車場あり。500台
・階段:あり
薬王寺のおすすめ度:A。【A>Eの5段階】
寺の由緒や格(薬王寺は真言宗の別格本山)、祀られている仏なども含めて、癌からの回復や治療の成功を祈願するには適していると思います。
祈祷も受けられ、近くにある「温泉宿坊 薬師会館」で宿泊もできるため、遠方からでもゆっくり時間をかけて参拝することができます。
阿波北嶺薬師霊場で薬師如来巡りで癌平癒祈願
徳島で薬師如来に参拝する、ということでいえば、阿波北嶺薬師霊場(あわほくれい やくしれいじょう)という徳島北部に点在する寺を巡る巡礼があります。
1989年に開創されたもので歴史は浅く、住職不在の小さな寺も含まれていますが、仏教においては薬師如来が医薬の仏ですので、参拝を考える人もいらっしゃるかと思います。
【阿波北嶺二十四薬師霊場】
第1番:神宮寺
第2番:安楽寺
第3番:和泉寺など24箇所。
癌封じのお守りが通信版版で購入できる寺院
詳しくは以下の記事で紹介していますので参考にしてください。