卵巣がんのステージ3には、3a、3b、3cがあります。ステージ4には細分類はありません。それぞれの状況は以下の通りです。
卵巣がんステージ3
腫瘍が骨盤を越えていたり、後腹膜や鼠径部のリンパ節に転移している組織を調べたときに小腸や大網、肝臓にがん細胞が見られる。
ステージ3a期:腫瘍は小骨盤にとどまりリンパ節には転移していないが、組織を顕微鏡で調べると腹膜にがん細胞が見つかる
ステージ3b期:直径2センチ以下のがんが腹腔に見つかるリンパ節には転移していない
ステージ3c期:直径2センチを超えるがんが腹腔に見つかるか、リンパ節に転移している
卵巣がんステージ4
腫瘍が遠隔転移している。
卵巣がんのステージ3、ステージ4の標準治療
一般的にステージ3~4では、手術によってできるだけ多くがんを取り除くか(腫瘍減量手術)、あるいは進行度の確認にとどめるか(試験開腹術)は、転移(播種)の状況、患者の年齢や体力など個々の条件と、医師の判断によります。
手術が可能な場合は、手術によってできるだけがんを取り除き、がんの量を減らして、効果的な抗がん剤の組み合わせによる化学療法(抗がん剤治療)を行います。
ただし、この場合は非常に予後が悪く、5年生存率はステージ3期で30%、ステージ4では10%程度になります。
しかし、抗がん剤が効くタイプのがんであれば、手術の前に化学療を3~6サイクル行う「ネオアジュヴァント療法」に効果を示すことがあります。
抗がん剤の効くタイプで、ネオアジュヴァント療法を行い、その後手術ができるようになる患者さんは、80%にのぼっています。
根治手術ができれば、ステージ3~4の5年生存率は50%以上になります。