25.抗がん剤・分子標的薬

内臓に関する抗がん剤の副作用:心不全、不整脈、高血圧、腎障害などへの対策

2015/09/30

hospi77422

心臓の筋肉や腎臓の細胞なども薬のダメージを受けることがあります。

何か問題が起きた場合は投与量を調整したり、薬を変えたりして予防し、症状が出たら別の薬に変えるなどして対応します。

■心臓の筋肉の障害は早期発見が重要

薬によって心臓の筋肉(心筋)がダメージを受け、狭心症や心筋梗塞、うっ血性心不全、不整脈などのさまざまな副作用を起こすことがあります。

こうした「心毒性」による症状は、アンスラサイクリン系の抗がん剤によく見られます。主な自覚症状は、動作時の呼吸困難や足のむくみなどで、治療中の定期検査で早期発見することが大切です。

心毒性の程度は抗がん剤の総投与量に相関するため、決められた投与量を守り、それを超えそうなときは別の薬に変えるのが一般的です。薬の組み合わせによって作用の強さが違ってくるので、併用薬が変更されることもあります。

そのほか、分子標的薬のベバシズマブ(アバスチン)は血管の柔軟性を低下させて高血圧をもたらすことがあるので、もともと血圧が高い傾向にある人については、あらかじめ降圧薬((アンジオテンシン変換酵素阻害薬やβ遮断薬など)を併用することがあります。

■腎機能の低下には大量の輸液

腎臓は体内の老廃物を排泄する臓器です。抗がん剤の中には腎臓の糸球体(毛細血管の集まりで、血液を濾過するなどのはたらきを担う)に影響を与えて、腎障害をもたらすものがあります(腎毒性)。

また、抗がん剤を投与するとき、腎障害を起こしやすい抗菌薬や免疫抑制薬などを併用することがあります。そのために、腎臓により障害が起こりやすいのです。

もう1つ、腎臓に問題が起こる原因に「腫瘍崩壊(融解)症候群」があります。これは抗がん剤によって壊れたがん細胞の中から、尿酸やカリウムなどの物質が大量に血液中に出て、体液のバランスが崩れる状態をいいます。治療開始から24~48時間で急性腎不全を起こすことがあります。

基本的に、高血圧や糖尿病などが原因で、腎機能が低下している人には、シスプラチンなど腎障害を起こしやすい抗がん剤は使わないのが原則です。

また、腎機能が正常な人でもこうした抗がん剤を投与するときは、予防的に大量の生理食塩水を点滴します。むくみや体重の急増、呼吸困難などが現れたときも、大量の生理食塩水を輸液して、利尿薬で排泄させます。利尿薬による脱水症状を防ぐために、治療後は水分をたっぷり補給します。

腫瘍崩壊症候群による高尿酸血症に対しては、現在、尿酸を低下させるラスブリカーゼ(ラスリテック)が使われています。

以上、抗がん剤の副作用についての解説でした。

私がサポートしている患者さんでもハーセプチンなど分子標的薬を使っている方は多くいます。従来の抗がん剤に比べると効果を発揮しやすく、副作用は少ないですが、それでも「がんを治す薬」ではありません。

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