16.前立腺がん

前立腺がんのリスク分類とそれぞれの治療法について

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前立腺がんのリスク分類とそれぞれの治療法

ほかの臓器に転移のない「限局性前立腺がん」のリスクに関しては、がんの病期(T分類)、組織学的悪性度(グリソンスコア)、血液中のPSA値の3項目をもとにした「低リスク」「中リスク」「高リスク」の分類法があります。

この3つのリスクに対応した治療法と、進行がんに対する治療法の概要は次のとおりです。

前立腺がんのリスク分類と治療法の選択の目安

・ほかの臓器に転移していない場合

<低リスクの場合>

PSA<10ng/ml、グリソンスコア6以下、T分類T1かT2a、この3項目をすべて満たす

期待余命が10年以下:PSA監視療法

期待余命が10年以上:PSA監視療法、前立腺全摘除術、放射線療法(外部照射療法、内部照射療法(小線源療法))

<中リスクの場合>

PSA10~20ng/ml、グリソンスコア7、T分類T2bかT2c、これらのうちいずれか

期待余命が10年以下:PSA監視療法、前立腺全摘除術、放射線療法(外部照射療法、小線源療法)、放射線療法+ホルモン療法

期待余命が10年以上:前立腺全摘除術、放射線療法(外部照射療法、小線源療法)、放射線療法+ホルモン療法

<高リスクの場合>

PSA>20ng/ml、グリソンスコア8~10、T分類T3~T4、これらのうちいずれか

ホルモン療法、放射線療法+ホルモン療法

がんの前立腺被膜外浸潤が軽い場合など、一部に前立腺全摘除術が選択できる場合もある

ほかの臓器に転移している進行がんの場合

根治よりも延命や疼痛抑制が目的になる
N1(近くのリンパ節にがんが広がっている)、M1(離れたリンパ節や臓器、骨への転移がある)のいずれか

延命を目的として:ホルモン療法、化学療法

骨転移による痛みをとる目的として:放射線療法、ビスフォスフォネート製剤、外科的治療(手術)、鎮痛薬

再発したあとの治療法も考慮する

前立腺全摘除術と放射線療法の治療成績はそれほど差がありません。

とはいえ、最初に前立腺全摘除術を行った人が再発した場合は、放射線療法とホルモン療法を受けることができますが、最初に放射線療法を選択した人は、合併症のリスクが高まるため、再発後の前立腺全摘除術は困難で、ホルモン療法を行うことが多くなります。

そのように、再発後、適用できる治療法についてもよく知っておく必要があります。前立腺がんの治療を検討する場合は、がんが治る確率だけでなく、排尿障害や性機能障害など、手術後の合併症、生活設計、経済的負担などをトーダルに考え、家族や主治医とよく相談することが大事です。

前立腺がんには、治療の選択肢がたくさんあります。治療法の選択は病態にもよりますが、根治をめざすのか、性機能を温存するのかといった、個人の年齢やライフスタイル、人生観が深くかかわります。

いくつかの選択肢が提示されたときは、自分が何を優先するかを考えてみなければなりません。根治はしたいけど、長期間にわたる治療は生活に支障が出るという人には、放射線療法より前立腺全摘除術を、どうしても性機能を温存したい人なら、前立腺全摘除術ではなく放射線療法を選ぶ、という選択ができます。

また、年齢によっては、つらい治療はせず、薬などでホルモンを遮断してがんを抑えるホルモン療法を選んだり、高齢なので、適用条件が合えばPSA監視療法(待機療法)にしたりするという考え方もあります。

以上、前立腺がんの治療法の選択についての解説でした。

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本村ユウジ
がん治療専門のアドバイザー・本村です。

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