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こんにちは。17年間の活動実績を持つ、
「プロのがん治療専門アドバイザー」本村ユウジです。
がんを治すために必要なことは、たった1つです。
詳しくはこちらのページでお伝えさせてください。
→がんを治すための「たった1つの条件」とは?
乳がんと遺伝の関係
乳がんを発症する方の中で、5~10%程度は遺伝性であると考えられています。これまでの研究により、乳がんに関連する主要な遺伝子として「BRCA1(ビーアールシーエーワン)」と「BRCA2(ビーアールシーエーツー)」の2種類が特定されています。
これらの遺伝子に変異が見つかった場合、将来的に乳がんや卵巣がんを発症するリスクが高まることが知られています。この状態は「遺伝性乳がん・卵巣がん症候群」と呼ばれ、英語表記の頭文字を取って「HBOC(Hereditary Breast and Ovarian Cancer)」と略されています。
HBOCの可能性を調べる遺伝子検査は、採血による簡単な方法で実施できます。ただし、検査を受けるかどうかの判断は患者さん自身に委ねられます。遺伝子情報は血縁者(親、子、兄弟姉妹など)にも関わる内容であるため、プライバシーに関する配慮が必要です。
検査を検討する際は、専門の医師や遺伝カウンセラーに相談し、十分なカウンセリングを受けることが重要です。
乳がん遺伝子検査の費用と保険適応
乳がん遺伝子検査の費用と保険適応については、2020年4月に制度が大きく変更されました。現在の状況を整理します。
保険適応となる条件
2020年4月以降、以下の条件を満たす場合には保険診療として遺伝子検査を受けることができます。
| 対象者 | 条件 |
|---|---|
| すでに乳がんと診断されている方 | 45歳以下で発症した場合、または60歳以下でトリプルネガティブ乳がんと診断された場合 |
| すでに卵巣がんと診断されている方 | 漿液性腺がんまたは類内膜腺がんと診断された場合 |
| 乳がんまたは卵巣がんの患者さんの血縁者 | BRCA1またはBRCA2遺伝子の病的変異が確認されている血縁者がいる場合 |
保険適応の場合、検査費用は3割負担で約2万円程度になります。
自費診療の場合
上記の保険適応条件を満たさない場合は、自費診療となります。自費診療での検査費用は医療機関によって異なりますが、一般的に15万円~30万円程度です。遺伝カウンセリング料金が別途必要になる施設もあります。
血縁者の検査費用
すでに家族内でBRCA1またはBRCA2の変異が特定されている場合、その血縁者が検査を受ける際は「シングルサイト解析」という限定的な検査方法を用いることができます。この場合、すでに判明している変異箇所のみを調べるため、検査費用は5万円程度(自費の場合)に抑えられます。
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遺伝子検査を受けるべき人とは
すべての乳がん患者さんが遺伝子検査を受ける必要があるわけではありません。以下のような条件に該当する方は、HBOCの可能性が高いと考えられるため、検査を検討することが推奨されています。
検査が推奨される主な条件
・40歳以下で乳がんを発症した方
・トリプルネガティブ乳がんと診断された方(特に若年での発症)
・両側の乳房に乳がんができた方
・乳がんと卵巣がんの両方を発症した方
・家族や親族の中に乳がんや卵巣がんを発症した方が複数いる場合
・男性で乳がんを発症した方
・すでに卵巣がん(特に漿液性腺がん)と診断された方
日本HBOCコンソーシアムでは、ホームページ上で自己チェックができる問診票を公開しています。この問診票を利用することで、自分がHBOCのリスクが高いかどうかをある程度確認することができます。
トリプルネガティブ乳がんとBRCA1の関係
特に注目されているのが、若年性のトリプルネガティブ乳がんです。トリプルネガティブ乳がんとは、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、HER2がすべて陰性であるタイプの乳がんで、ホルモン療法や分子標的薬(ハーセプチン)による治療が効きにくいという特徴があります。
BRCA1遺伝子に変異がある場合、発症する乳がんの多くがトリプルネガティブタイプであることが分かっています。そのため、現在の医療現場では、40歳以下でトリプルネガティブ乳がんと診断された患者さんには、家族歴がなくても遺伝カウンセリングを受けることが推奨されています。
一方、BRCA2遺伝子に変異がある場合は、乳がんのタイプが一般的な乳がん全体と同様の割合で発症します。具体的には、約60~70%がホルモン受容体陽性の乳がんです。
遺伝子検査の方法と流れ
乳がん遺伝子検査は、以下のような流れで進められます。
検査前のカウンセリング
検査を受ける前に、必ず遺伝カウンセリングを受けます。カウンセリングでは、遺伝性腫瘍の基礎知識、検査の意義、検査結果の解釈、結果が陽性だった場合の対応方法などについて詳しい説明を受けます。また、検査を受けることによる心理的影響や、家族への影響についても話し合います。
採血による検査
検査自体は、通常の採血と同じ方法で行われます。採取した血液から遺伝子を抽出し、BRCA1とBRCA2の遺伝子配列を詳しく調べます。
検査結果の説明
検査結果が出るまでには、通常2~4週間程度かかります。結果は、再度カウンセリングの場で説明されます。結果の解釈や今後の対応について、専門家と一緒に考えていきます。
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検査結果の意味と解釈
遺伝子検査の結果は、「陽性」「陰性」「意義不明の変異(VUS)」の3つに分類されます。
陽性の場合
BRCA1またはBRCA2遺伝子に病的変異が見つかった場合、「陽性」と判定されます。ただし、陽性であっても必ずしも乳がんや卵巣がんを発症するわけではありません。
BRCA1遺伝子に変異がある場合、70歳までに乳がんを発症するリスクは約57~65%、卵巣がんを発症するリスクは約40~59%とされています。BRCA2遺伝子に変異がある場合、70歳までに乳がんを発症するリスクは約45~55%、卵巣がんを発症するリスクは約11~25%とされています。
陰性の場合
病的変異が見つからなかった場合、「陰性」と判定されます。ただし、陰性であっても、他の遺伝子に変異がある可能性や、遺伝性ではない乳がんを発症する可能性は残ります。
意義不明の変異(VUS)の場合
遺伝子に何らかの変異は見つかったものの、それが病的なものかどうか判断できない場合、「意義不明の変異(Variant of Uncertain Significance: VUS)」と分類されます。この場合、現時点では陰性と同じ扱いになりますが、研究が進むことで将来的に病的変異と判明する可能性もあります。
検査結果が陽性だった場合の対応
検査結果が陽性だった場合、いくつかの選択肢があります。
定期的な経過観察
最も基本的な対応は、定期的な検査を受けて早期発見に努めることです。乳がんについては、若年(25~30歳頃)から年1回の乳房MRI検査や年2回の乳房超音波検査を受けることが推奨されます。卵巣がんについても、定期的な経膣超音波検査や血液検査(CA125)を受けます。
リスク低減手術
欧米では、HBOCと診断された方が予防的に乳房切除術や卵巣卵管摘出術を受けることが一般的に行われています。日本でも、2020年4月から、HBOC診断を受けた方のリスク低減乳房切除術(RRM)とリスク低減卵巣卵管摘出術(RRSO)が保険適応になりました。
ただし、これらの手術には大きな決断が必要です。医師や遺伝カウンセラーと十分に相談し、家族とも話し合った上で判断することが重要です。
薬物療法による予防
一部のホルモン剤(タモキシフェンなど)が乳がん予防に効果があることが報告されていますが、日本ではまだ予防目的での使用は保険適応になっていません。
すでに乳がんと診断されている場合の治療への影響
すでに乳がんと診断されている患者さんが遺伝子検査で陽性となった場合、治療法の選択に影響することがあります。
手術方法の選択
温存療法が可能なケースでも、HBOC陽性の場合は対側の乳房や温存した乳房に新たながんが発生するリスクが高いことを考慮し、両側の乳房全摘出術と乳房再建術を選択する患者さんもいます。温存療法では放射線治療が必要になるため、将来的な再建が難しくなることも考慮のポイントです。
薬物療法の選択
HBOCの患者さんには、プラチナ製剤と呼ばれるタイプの抗がん剤(シスプラチン、カルボプラチンなど)が効果的であることが分かってきています。また、PARP阻害薬という新しいタイプの分子標的薬も、BRCA遺伝子変異がある乳がんや卵巣がんに対して高い効果を示すことが確認されており、治療の選択肢として注目されています。
遺伝情報の家族への影響
BRCA1やBRCA2の遺伝子変異は、親から子へ性別に関係なく50%の確率で受け継がれます。これは「常染色体優性遺伝」と呼ばれる遺伝形式です。
患者さんが陽性だった場合、その子どもや兄弟姉妹、親も同じ変異を持っている可能性があります。血縁者が検査を希望する場合は、前述のとおりシングルサイト解析という方法で費用を抑えて検査を受けることができます。
ただし、遺伝情報は非常にデリケートな個人情報です。家族に検査結果を伝えるかどうか、伝えるとしたらどのように伝えるかは、遺伝カウンセリングの中で十分に相談することが推奨されます。
遺伝子検査を受けられる医療機関
乳がん遺伝子検査は、すべての医療機関で実施できるわけではありません。検査を受けるには、遺伝カウンセリング体制が整った施設を選ぶ必要があります。
主な検査実施施設としては、大学病院、がん専門病院、地域の基幹病院などが挙げられます。日本HBOCコンソーシアムのホームページでは、遺伝子検査とカウンセリングを実施している医療機関のリストが公開されています。
検査を検討している方は、まず現在通院している主治医に相談するか、日本HBOCコンソーシアムのホームページで最寄りの実施施設を確認することをお勧めします。
遺伝子検査を受ける際の注意点
遺伝子検査を受けるかどうかは、患者さん本人の自由な意思で決定されるべきものです。検査を受けることで得られる情報がある一方で、心理的な負担が生じることもあります。
検査結果が陽性だった場合、将来への不安を感じることは自然なことです。また、家族関係に影響が出る可能性も考慮する必要があります。一方で、検査を受けることで適切な予防策や治療法を選択できるというメリットもあります。
遺伝カウンセリングでは、こうしたメリットとデメリットを十分に理解した上で、検査を受けるかどうかを決定できるようサポートします。検査を受けないという選択も、もちろん尊重されます。
検査結果が陽性であっても、必ず乳がんや卵巣がんを発症するわけではないこと、陰性であってもがんのリスクがゼロになるわけではないことを理解しておくことが大切です。
検査はあくまで一つの情報であり、その結果をどう活かすかは患者さん次第です。
参考文献・出典情報
American Society of Clinical Oncology (ASCO)

