緩和ケアは、がんの治療中であればいずれの時期でも受けることができるようになってきています。緩和ケアは、主に緩和ケア病棟への入院という方法と、緩和ケアチームによる診療という2つの方法があります。
がん診療連携拠点病院の指定を受けている医療機関は、緩和ケアに対応できる機能を持っています。また、外来診療や在宅療養についても対応が進んでいます。
緩和ケアチームとは?
緩和ケアチームは、担当医や看護師などと協力して緩和ケアを提供します。緩和ケアチームは、からだと心のつらさなどの治療のほか、患者さんの社会生活や家族を含めたサポートを行うために、さまざまな職種のメンバーが関与しています。
緩和ケアチームの診療は、担当医から勧められることもありますが、患者さんや家族から希望することもできます。つらい症状が続いている場合には、我慢しないで緩和ケアを受けましょう。
緩和ケアチームは、全国にある397のがん診療連携拠点病院には、すべて緩和ケアチームがあります。これらの医療機関では、入院、通院治療を通じて緩和ケアを受けることができます。
緩和ケアについて話を聞きたい、緩和ケアを受けたいときには、担当医や看護師に話してみましょう。また、がん診療連携拠点病院の相談支援センターで聞くこともできます。
緩和ケアチームにかかわるさまざまな職種と役割
・医師
痛みなどのからだの症状の緩和を担当する医師と、精神症状の治療を担当する医師が、担当医として治療を行います。
・看護師
患者さんや家族のケア全般についてのアドバイスを行います。転院や退院後の療養についての調整も行います。
・薬剤師
患者さんや家族に薬物療法のアドバイスや指導を行います。また、医療者対して専門的なアドバイスを行います。
・ソーシャルワーカー
療養にかかわる助成制度や経済的問題、仕事や家族などの社会生活、療養先に関するアドバイスなどを担当します。
・心理士
気持ちの問題などについてもカウンセリングを行ったり、心理検査などを行います。家族のケアも担当します。
・栄養士
食べたり飲んだりすることにかかわる問題に対応して、食事の内容や食材、調理法についてのアドバイスを行います。
・リハビリテーション
患者さんの自立を助け、日常生活の維持のためのアドバイスや治療を行います。
以上、緩和ケアついての解説でした。
がんと診断されたあと、どのような治療を選び、日常生活でどんなケアをしていくのかで、その後の人生は大きく変わります。
納得できる判断をするためには正しい知識が必要です。