大腸がんは大腸にできるがんですが、その大腸は結腸と直腸に分かれています。小腸から大腸に入ると盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、そして直腸と繋がっていきます。大腸がんは結腸がんと直腸がんを合わせた名称です。日本人の場合、S状結腸と直腸とで大腸がんの約70%を占めています。
大腸は1.5メートルから2メートルくらいある臓器なので、がんを切除する場合には、がんを中心として前後10センチの腸管を切除することになります。つまり、がんができると腸管20センチ程度は切除されてしまいます。とはいえ、大腸はとても長い臓器なので、実際にはこのくらい切除しても水分の吸収などの機能にはあまり影響を及ぼしません。
加えて、結腸ではリンパ節の切除を広く行っても手術後に問題となるような後遺症はほとんどありません。これらの点が胃や食道などとは大きく異なる点です。