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こんにちは。17年間の活動実績を持つ、
「プロのがん治療専門アドバイザー」本村ユウジです。
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TURBTとは何か、どのような手術なのか
膀胱がんの治療において、最も多く実施される手術が経尿道的膀胱腫瘍切除術です。
英語表記のTransurethral Resection of Bladder Tumorの頭文字を取ってTURBT(ターブト)とも呼ばれます。
この手術は、尿道から内視鏡を挿入して膀胱内の腫瘍を切除する方法です。お腹を切開する必要がないため、患者さんの身体的負担が比較的少ないという特徴があります。
TURBTには2つの重要な目的があります。1つ目は腫瘍を切除して治療することです。2つ目は切除した組織を顕微鏡で詳しく検査し、がんの悪性度や深達度(がんがどこまで深く浸潤しているか)を正確に診断することです。この診断結果が、その後の治療方針を決定する上で極めて重要な情報となります。
膀胱がん全体の約75%は粘膜や粘膜下層にとどまる筋層非浸潤性がんとして発見されます。このタイプのがんに対してはTURBTが主な治療となります。一方、膀胱の筋層まで浸潤している筋層浸潤性がんの場合、TURBTは診断を確定するための検査という意味合いが強くなり、その後に膀胱全摘除術などの追加治療が検討されます。
TURBTの具体的な手術手順
手術は腰椎麻酔(下半身麻酔)または全身麻酔で行われます。腰椎麻酔の場合、手術中に足が反射的に動かないよう神経ブロックを併用することがあります。
麻酔が効いた後、尿道から直径約8ミリメートルの特殊な内視鏡(切除鏡)を挿入します。この内視鏡には電気メスや組織をつかむ道具が装着されており、モニターで膀胱内を観察しながら手術を進めます。
膀胱内には灌流液という水を流して視野を確保します。電気メスを使って腫瘍を少しずつ削り取るように切除していきます。この際、出血した部分も電気メスで焼いて止血します。
腫瘍の境界が不明瞭な場合や、がんの広がりを正確に把握する必要がある場合は、正常に見える粘膜も数カ所採取して検査に提出します。膀胱の筋層の深さまで切除できれば手術は終了となり、内視鏡を抜去します。
手術後は尿道カテーテル(管)を挿入します。このカテーテルを通して尿が排出されるため、患者さん自身で排尿を心配する必要はありません。血尿が濃い場合は、カテーテルがつまらないよう生理食塩水を膀胱内に流すこともあります。
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手術時間と入院期間
TURBTの手術時間は腫瘍の大きさや数によって異なりますが、一般的には30分から2時間程度です。
入院期間は施設や患者さんの状態によって差がありますが、多くの場合4日から5日程度です。順調に経過すれば2日から3日での退院も可能です。
手術翌日には尿道カテーテルを抜くことができるケースが多く、抜去後は食事や歩行、身の回りのことができるようになります。ただし、出血の程度や切除した範囲によっては、カテーテルをやや長めに留置することもあります。
術後のトイレと生活について
カテーテルを抜いた直後は、一時的に頻尿になったり排尿時に痛みを感じたりすることがあります。これは尿道に管が入っていた影響や、膀胱内の手術による刺激のためです。多くの場合、1日から2日程度で症状は軽減します。
退院後1カ月程度で排尿の状態はほぼ元通りになります。筋層非浸潤性がんでTURBTのみで治療が完了した場合、膀胱を残せるため、患者さんの生活の質を大きく損なうことはありません。
ただし、手術後しばらくは血尿が出ることがあります。水分を十分に摂取し、無理な運動を避けることが大切です。
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術後の痛みについて
TURBTは開腹手術ではないため、お腹の傷による痛みはありません。しかし、尿道から内視鏡を挿入するため、尿道や膀胱に多少の痛みを感じることがあります。
排尿時に軽い痛みやヒリヒリ感を覚える患者さんもいますが、通常は数日以内に改善します。痛みが強い場合は鎮痛剤で対応します。
手術後に尿道カテーテルが入っている間は、カテーテルによる違和感や膀胱の張るような感覚を感じることがありますが、これも一時的なものです。
2回目、3回目のTURBTが必要になる理由
膀胱がんは再発率が高い疾患として知られています。初回のTURBTで腫瘍を切除しても、5年以内に50%から60%の患者さんに再発が見られるというデータがあります。
再発の原因として、膀胱の別の場所に新たながんができる場合もありますが、多くは初回手術時の削り残しや見逃しであることが指摘されています。このため、2回目のTURBT(2ndTUR)が推奨されるケースがあります。
特に高異型度のT1がんと診断された場合、2ndTURによって残存腫瘍の有無を確認することが重要です。2024年の研究では、2回目のTURBTでがんが認められなかった患者さん(T0の状態)に対しては、その後の補助治療を行わなくても良好な経過が得られることが示されています。
また、膀胱がんは筋層非浸潤性がんであっても再発を繰り返すことがあり、その度にTURBTが必要になります。3回目、4回目と手術を繰り返す患者さんも少なくありません。
複数回の手術を受けた場合、尿道狭窄(尿道が狭くなること)のリスクがやや高まります。内視鏡操作による尿道への刺激が蓄積されるためです。尿道狭窄が起きた場合、追加の処置が必要になることがあります。
膀胱温存療法としてのTURBTと化学放射線療法の組み合わせ
筋層浸潤性膀胱がんに対する標準治療は膀胱全摘除術ですが、すべての患者さんがこの大きな手術を受けられるわけではありません。高齢である、他の病気がある、あるいは膀胱を温存したいという希望がある場合、膀胱温存療法という選択肢があります。
膀胱温存療法では、TURBTで可能な限り腫瘍を切除した後、抗がん剤(特にシスプラチン)による化学療法と放射線療法を同時に行います。この集学的治療により、膀胱を残したまま根治を目指します。
ただし、膀胱温存療法はすべての筋層浸潤性がんに適用できるわけではありません。日本泌尿器科学会のガイドラインでは、適応条件が限定されています。具体的には、深達度T3a以下の限局がん、腫瘍径が3センチメートル以下、上皮内がん(CIS)を伴わない、水腎症がない、といった条件を満たす必要があります。
膀胱温存療法を希望する患者さんは、これが標準治療外であることを理解した上で選択することが原則となっています。
膀胱温存療法の具体的な治療プロセス
膀胱温存療法の一般的な流れは以下のとおりです。まずTURBTで筋層浸潤がんの診断を確定すると同時に、目に見える腫瘍をできるだけ完全に切除します。
その後、40グレイの放射線照射とシスプラチンを用いた化学療法を2コース行います。この初期治療の結果を評価し、腫瘍が消失(完全寛解)した場合は、追加で25グレイの放射線照射とシスプラチン1コースを実施して治療を完了とします。
一方、初期治療で腫瘍が消失しなかった場合は、休養期間を置いた後、膀胱全摘除術を行うよう提案されます。
近年では、動注化学療法を用いて治療効果を高める方法も行われています。これは膀胱がんを栄養する血管にカテーテルを直接挿入し、高濃度の抗がん剤を腫瘍に投与する方法です。一部の施設では放射線治療の効果を高めるために温熱療法を併用することもあります。
膀胱温存療法の治療成績
膀胱温存療法による治療成績は、完全寛解率が60%から80%、5年生存率が50%から60%と報告されています。温存療法を受けた患者さんの約45%が、膀胱を維持した状態で5年生存しているというデータがあります。
一部の施設では、膀胱全摘除術に匹敵する5年生存率を達成したという報告もあり、適切な症例選択と治療技術の向上により成績が改善しています。
ただし、膀胱温存療法には課題もあります。放射線治療の副作用として下痢や頻尿を経験する可能性があり、膀胱全摘除術よりも治療後の経過観察回数を多くする必要があります。
膀胱温存療法の問題点とリスク
温存膀胱におけるがんの再発
膀胱温存療法を受けた後、5年間で約20%から30%の患者さんに再発が見られます。再発の多くは、もともと筋層浸潤がんが存在していた部分の近くに起こります。
再発が認められた場合、治療法は原則として膀胱全摘除術となります。このため、膀胱温存療法を選択する際は、将来的に膀胱全摘が必要になる可能性があることを理解しておく必要があります。
リンパ節に対する根治的治療の限界
膀胱全摘除術では骨盤内のリンパ節を切除(郭清)することが重視されています。これにより、リンパ節への転移がある場合でも対処できます。
一方、膀胱温存療法ではリンパ節に放射線を照射しますが、その効果は膀胱全摘除術におけるリンパ節郭清ほど明確ではありません。膀胱温存療法を行った場合、骨盤リンパ節への再発頻度は最大13%程度と報告されています。
再発時の膀胱全摘除のリスク
膀胱温存療法後に再発した場合の膀胱全摘除術には注意が必要です。初回治療で60グレイ以上の放射線を照射している場合、組織障害による合併症が起こりやすいとされています。
照射量が55グレイ以下であればリスクの増加はないという報告もありますが、放射線治療後の組織は癒着や線維化が生じているため、手術の難易度が上がることは避けられません。
術後の再発予防と経過観察
TURBTで筋層非浸潤性がんを切除した後、再発を予防するための治療が行われることがあります。腫瘍の悪性度や深達度によって、膀胱内注入療法が選択されます。
BCG(結核予防ワクチン)の膀胱内注入療法は、特に上皮内がんや高リスクのがんに対して高い有効性があります。また、術後24時間以内に抗がん剤を膀胱内に注入することで、再発率が低下することが知られています。
膀胱がんは再発が多い疾患であるため、術後は定期的な膀胱鏡検査と尿細胞診検査が必要です。一般的には3カ月ごとの検査が推奨されます。
最新の診断技術
近年、TURBTの精度を高めるために光線力学診断(PDD)が導入されています。これは手術前に5-アミノレブリン酸という薬剤を服用し、青色光を当てることでがん細胞を赤く蛍光発光させる技術です。
この技術により、通常の白色光では見えにくい小さながんや平坦ながんも発見できるため、削り残しを減らすことができます。光線力学診断を用いたTURBTでは、4年後の再発率が白色光のみの場合の31%に対して9%まで低下したという研究結果があります。
治療選択における考え方
膀胱がんの治療では、がんの病期や悪性度だけでなく、患者さんの年齢、全身状態、生活の質に対する希望などを総合的に考慮して方針を決定します。
筋層非浸潤性がんであればTURBTで膀胱を温存できる可能性が高く、術後の生活への影響は限定的です。一方、筋層浸潤性がんの場合、膀胱全摘除術が標準治療ですが、適応条件を満たせば膀胱温存療法という選択肢もあります。
膀胱温存療法は標準治療外であり、再発リスクや追加治療の可能性があることを十分に理解した上で選択する必要があります。担当医とよく相談し、それぞれの治療法のメリットとデメリットを理解することが大切です。
手術後の生活で注意すべきこと
TURBT後は血尿が出ることがありますが、多くは一時的なものです。水分を十分に摂取し、安静を保つことで改善します。ただし、血尿が増加したり、血の塊が多く出る場合は医療機関に連絡する必要があります。
稀に手術で切除した部分から再出血することがあります。血尿が強い場合は再手術で止血が必要になることもあります。
感染症のリスクもあるため、発熱や排尿時の強い痛みがある場合は早めに受診することが推奨されます。
手術後の定期検査は欠かさず受けることが重要です。再発の早期発見により、治療の選択肢が広がり、予後の改善につながります。
参考文献・出典情報
- 国立がん研究センター がん情報サービス「膀胱がん 治療」
- がん研有明病院「膀胱がん」
- NPO法人キャンサーネットジャパン「膀胱がんの手術法」
- 日経メディカル「2回目の経尿道的膀胱腫瘍切除術後にT0を認めた高リスク膀胱癌に対する無治療経過観察はBCG膀胱内注入療法にRFSで非劣性を証明【ESMO 2024】」
- 産業医科大学病院「膀胱がん」
- 小野薬品 がん情報「尿路上皮がんの放射線療法」
- 順天堂大学・順天堂医院泌尿器科「TUR Bt(経尿道的膀胱腫瘍切除術)」
- MSD oncology「膀胱がんの治療」
- ファイザー「尿路上皮がんの治療の種類と副作用・合併症」
- 日本泌尿器科学会編「膀胱癌診療ガイドライン 2019年版[増補版]」医学図書出版、2023年

