胃の壁の厚さはおよそ7~8mmで、内側の粘膜層から始まって、粘膜筋板、粘膜下層、固有筋層、漿膜下層、漿膜の6層からなっています。
そして、大腸がんや食道がんなどほかの消化器のがんも同じですが、胃がんの場合、どの層までがんが達しているかによって早期がんと進行がんとを区別しています。どの層までがんが潜っているかその「深達度」によって、必要な治療も変わってくるのです。
がんが、胃の壁の1番浅い粘膜層、あるいは粘膜下層までしか達していなければ「早期がん」、固有筋層より深いところまでがんが達していれば「進行がん」と呼ばれます。
どの層まで達しているかが問題であってこの場合、大きさは関係ありません。どんなに大きくても粘膜下層にとどまっているがんであれば早期がんですし、たとえ1cmでも、固有筋層まで達していれば進行がんなのです。
粘膜下層までであれば、胃の近くのリンパ節やほかの臓器へがんが転移している危険性はかなり少ないのですが、固有筋層より深いところにがんがある場合には、転移の危険性が大きくなります。転移があるかどうかによっても、治療の方法は変わってきます。
以上、胃がんについての解説でした。