【レジメン】
Pemetrexed(ペメトレキセド)=500mg/m2:点滴静注(10分間)
【投与前】
・葉酸の投与:Pemetrexed投与7日前よりパンビタン1g(葉酸として0.5mg)1日1回 連日 経口投与
・ビタミンB12製剤:Pemetrexed初回投与の7日前、投与期間中9週間ごと(3コースごと)1回1mg 筋肉内投与
※葉酸、ビタミンB12ともにPemetrexed最終投与日から22日目まで投与
【制吐対策】
デキサメタゾン6.6mgIV(Day1)
基本事項
【適応】
切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん
【奏効率】
・奏効率
9.1%
・生存期間(中央値)
8.3カ月
・1年生存率
29.7%
【副作用】
・悪心:All Grade=30.2%
・疲労:All Grade=24.5%
・嘔吐:All Grade=16.2%
・下痢:All Grade=12.8%
・発疹:All Grade=12.1%
・口内炎:All Grade=7.2%
・好中球減少:Grade3~4=5.3%
・貧血:Grade3~4=4.2%
・血小板減少:Grade3~4=1.9%
レジメンチェックポイント
①投与前の確認:制吐薬、前投薬
②Pemetrexedの重篤な副作用の発現を軽減するため、葉酸とビタミンB12の投与を確認する
③投与量の確認
<Pemetrexedの減量基準>
【血液毒性】
・最低好中球数<500/mm3および最低血小板数≧50,000/mm3=本剤の用量:前回の用量の75%
・最低好中球数にかかわらず最低血小板数<50,000/mm3=本剤の用量:前回の用量の75%
・最低好中球数にかかわらず出血を伴う最低血小板数<50,000/mm3=本剤の用量:前回の用量の50%
【非血液毒性】
・粘膜炎を除くGrade3または4の毒性=本剤の用量:前回の用量の75%
・入院を要する下痢(Gradeは問わない)またはGrade3もしくは4の下痢=本剤の用量:前回の用量の75%
・Grade3または4の粘膜炎=本剤の用量:前回の用量の50%
【神経毒性】
・CTC Grade:GradeO~1=本剤の用量:前回の用量の100%
・CTC Grade:Grade2=本剤の用量:前回の用量の100%
※2回の減量後にGrade3もしくは4の血液毒性あるいは非血液毒性が認められた場合、またはGrade3もしくは4の神経毒性が観察された場合は直ちに本剤の投与を中止
④点滴速度の確認
Pemetrexed:10分間かけて点滴静注
⑤併用薬の確認
NSAIDsとの併用により、Pemetrexedの血中濃度が上昇して、副作用が増強するおそれがあるため、併用する場合には注意する
副作用対策と服薬指導のポイント
①急性肺障害・間質性肺炎:急性肺障害、間質性肺炎があらわれることがあるので、胸部X線検査などの観察を十分に行う。また、患者には初期症状(風邪のような症状:発熱、息切れ、咳)を伝え、早期の医療機関への受診について指導する
②発疹:発疹の発現および重症化を軽減する目的で、海外臨床試験時にはPemetrexed投与前日から投与翌日の3日間、デキサメタゾンを1回4mg、1日2回経口投与されており、患者の状況を考慮して追加を検討する
③毒性軽減の目的を伝え、1日1回パンビタン1g(葉酸として0.5mg)服薬のアドヒアランスの維持を指導する