がん専門のアドバイザー、本村です。
がんとの闘いは長期化する傾向にあり、身体的に負担の大きい手術、抗がん剤など厳しい治療が続きます。
メンタル面での支えも重要な要素であり、そのひとつとして、「癌封じ」の祈願や病気平癒のお守りなどを求める人も多いです。
私がサポートしている人からも、「手術成功の祈祷を受けたい」「御守りを家族に贈りたいけどオオスメありますか?」などの相談を受けることは多いです。
そのような経緯から、全国の癌封じのお寺、神社や、贈答に適したお守りなどについて調べるようになりました。
というわけで今回の記事は「栃木県内」に癌封じ祈願ができる寺社があるか?病気平癒を願うならどこに参拝するのがオススメか?というお話です。
現時点で栃木県には「癌封じ」などがんに特化した祈願やお守りがあるお寺や神社はないので、病気平癒や健康に関連の深い神社を4つほど挙げたいと思います。
(あと、「どうしても癌に関する祈願がしたい、お守りが欲しい」という方向けに、近隣で行きやすい寺社や通販で癌封じのお守りを購入できる寺社などをページ下部で紹介しています)
栃木県日光市 大室たかお神社の病気平癒祈願とお守り
大室たかお神社は創建年不明とされていますが、1052年に源義家が鬼怒川洪水の際に滞在したことが創建の由来と継承されています。とても歴史深い神社で、現在の本殿は1910年に改修されたそうです。
社格としては「郷社(ごうしゃ)であり、府県、市から奉幣を受ける神社という位置づけです。
※社格とは?
明治維新以降に神社を等級化した制度で、第二次世界大戦後に廃止されましたが今日でも「旧社格」などの名称で神社を表す目安とされています
格として一番上なのが「官社」で国から奉幣を受ける神社になります。官社の中でも最も上位なのが「官幣大社」という等級で島根の出雲大社、東京の明治神宮などがあります。なお、三重の伊勢神宮は「すべての神社の上にある」とされており、社格はありません。
祭神は、大山祇命(おおやまづみのみこと。農業の神、水の神とされる)、少彦名命(すくなひこなのみこと。医薬の神とされる)、草野姫命(かやぬひめのみこと。原野の神とされる)の三柱です。
病気との関わり
少彦名命はまじないなどの多彩な能力を有し、その能力や薬をつかって大衆の病を治したといわれている神話に登場する神です。
少彦名命=病治癒や薬の神様を祀っている神社には、病気平癒のご利益があるといわれています。
特に有名なのが大阪にある少彦名神社で、病気を克服したい人はもちろん、医師や看護師など医学に携わる人も多く訪れています。
病気平癒の祈祷が受けられます
癌に特定した祈祷、ではないですが木札に名前を書いて「病気平癒の祈祷」を受けることができます。
拝殿にて病気平癒の祭詞を奏上してもらい、玉串を供えて祈願してもらうことができます。
祈祷後には病気平癒祈祷の木札と御守り、御神水がもらえます。家族が患者さん本人の衣類(下着、寝巻等)を持参すれば代理で祈祷を受けることが可能です。
なお、祈祷は事前予約となっています。
病気平癒守
病気平癒のお守りを購入することができます。
初穂料(価格)は800円。白とピンク色があります。
病落としの絵馬
全国的にも珍しい「病落としの絵馬」があります。
「病」という文字が逆さまになった絵馬に氏名、年齢とお願いを買いて納めます。もちろん癌闘病に関する祈願もできます。
御神水「おかみの水」
境内には大山山腹より絶えることなく水が湧いていて「神気のこもった水」として厄災を祓い清めてくれると伝えられています。古くは医薬服用時の水として使われていたそうです。
その場で飲むこともできますし、ペットボトルで持って帰ることもできます。ペットにも優しく、わんちゃんがお水を飲んでいる様子も宮司さんのブログに掲載されています。
自転車、バイク、車のお祓いなどでも訪れる人が多く、地元の人に親しまれている神社のようです。
【所在地】
栃木県日光市大室1619
無料の駐車場(30台)があります。
栃木県河内郡 白鷺(しらさぎ)神社の病気平癒祈祷とお守り
白鷺神社は、草薙の剣を携えて日本を平和に導いたとされる日本神話の英雄、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)を祭神とする神社です。
※ヤマトタケルには「日本武尊」(日本書紀による表記)「倭建命」(古事記による表記)の二つの漢字表記があります。
783年、疫病流行した時、平松下野守がヤマトタケルの神託によって、疫病退散の祈願をしたことが白鷺神社創建の由来とされています。
ちなみに草薙の剣は日本神話における「三種の神器」のひとつであり、熱田神宮(愛知県名古屋市)は草薙の剣をご神体としています。
白鷺神社で有名なのは、日本一の「平和の剣」(天下清祓の剣)です。鎮座1220年の記念事業として平和の剣をそれを納める「翔舞殿」が作られました。
1220年ということで長さが12m20cmあります。観光名所としても有名になりました。
この平和の剣には触れることができます。翔舞殿の看板には以下の記載があります。
手に携えた「天下清祓(てんかきよはらい)の剣」すなわち「平和の剣」には、全ての厄難を断ち切り祓い清める力。また私達ひとりひとりへの平和の願いが込められております。
「平和の剣」に触れ、ご自身の厄難を祓い清め、日々の生活が平和で豊に過ごせますようお参り下さい。白鷺神社
病気との関り
ヤマトタケルは、数多くの戦いのなかで苦難、難関を克服してきたとされ、厄除けや苦難克服、難関突破のご利益があると伝えられています。
病気平癒の祈祷が受けられます
「当病平癒」の祈祷を受けることができます。祈祷時間じゃ毎日9:00~16:00頃まで。予約はなくても随時受付が可能(正月期間・祭典日などを除く)。
祈祷料は5,000円より。
病気平癒のお守り
桐箱に入った病気平癒御守を購入できます。
病状が軽くなり快復されることや、手術が成功されるよう祈願されたお守りで、箱に入れたまま枕元に置くか身につけて持ち歩くように、とのことです。
【所在地】
栃木県河内郡上三川町しらさぎ1-41-6
駐車場あり。120台。
栃木県那須郡 那須温泉(なずゆぜん)神社の病気平癒祈祷とお守り
皇族の別荘、御用邸があることでも有名な那須。
避暑地、観光地として全国的に知られていますが歴史的な建物も数多くあります。
そのひとつが那須温泉神社です。
広い境内、参道があり、美しい拝殿もあることから人気の神社として多くの人が訪れています。
創建は舒明天皇(じょめいてんのう)の時代、630年とされています。
狩ノ三郎行広という人物が那須岳のふもとで「温泉の神」に「ここに温泉がある。みつけて民の病苦を救いなさい」とお告げを受け、神社を建立したことが由来とされています。
また、源平時代の弓の達人、那須与一ゆかりの神社としても有名です。
屋島の合戦の際、船上の扇を見事射抜いた逸話はよく知られていますが、扇を射る直前に那須温泉大明神に祈ったことから、必勝祈願の御利益があるといわれています。
また、1689年に松尾芭蕉が「奥の細道」の途中で立ち寄ったともされており、歴史的な逸話の舞台にもなった神社としても人気があります。
祭神は、大己貴命(おおなむちのみこと)、少彦名命(すくなひこなのみこと)、誉田別命(ほんだわけのみこと)です。
病気との関り
大己貴命は、島根の出雲大社の祭神でもある大国主命(おおくにぬしのみこと)の別名です。だいこくさま、とも呼ばれます。
健康祈願の神でもあり、ご利益には「病気平癒」も含まれます。
また、少彦名命(すくなひこなのみこと)は先述の大室たかお神社でも祀られており、医薬の神とされています。
「生きる」という名のご神木
神社に御神木があることは珍しくないですが、那須温泉神社の御神木は「生きる」という名前がつけられています。樹齢800年といわれるミズナラの木で「活力、蘇生力、生命力」などのパワーが授けられる木とされています。
直接触れることはできませんが、訪れた人は必ずお参りする、といわれるスポットです。
病気平癒の祈祷(祈願)が受けられます
身体健全、病気平癒を願う祈祷を受けることができます。初穂料(値段)は5,000円から。
申込みは電話かインターネットで事前予約が必要です。
病気平癒のお守り
包装された品のよい「病気平癒守」があります。
柄も美しく特に女性に人気があるようです。初穂料は700円。癌はもちろん、病気全般が治るよう願いが込められたお守りです。
那須温泉神社の特徴的なお守りとしては「一矢必中守」が有名です。
放射線治療の実施前などならこういったお守りも喜ばれるかもしれませんね。
【所在地】
栃木県那須郡那須町大字湯本182
鳥居手前に30台程度の県営駐車場あり(無料)。駐車場から徒歩1分。犬を連れての参拝も可能です。
栃木県日光市 日光東照宮のお守り
世界遺産でもある日光東照宮。栃木県で最も有名な神社です。
説明不要の神社ですので病気やお守りに関することだけ解説すると、東照宮のご利益としては実は「健康長寿」や「延命祈願」などもあります。
東照宮の神様は徳川家康=東照大権現ですが、明治時代の神仏分離政策以前の神仏習合(仏教信仰と固有の神祇信仰とを融合調和すること。明治政府の神仏分離政策まで人々の間に広く浸透した)では、東照大権現の本地仏には「薬師如来」が当てられました。
薬師如来とは「民の病患を救うという如来=薬壺を持ち病気を治す仏様」であり、ひとことでいうと医薬の仏です。
「東照大権現」の東照とは、東方薬師瑠璃光如来(とうほう やくし るりこう にょらい)を意味しています。「東から日本を明るくしてくれる薬師如来」=東照ということになります。
大権現は仏を指す言葉ではなく、神を指す言葉で「神号」です。豊臣秀吉は大明神と名付けられていますが、家康は大権現、です。
日光東照宮にお参りする→薬師如来にお参りする、ということをご存知の方も多いので、病気平癒を願うなら日本有数の薬師如来である日光東照宮へ祈願したいという人も多いのです。
日光東照宮のお守り
一般的な「病気平癒守」という形のものはないのですが、東照宮には特徴的なお守りがあります。
その1つが印籠守りです。
印籠はもともと薬などを入れる小物入れとしても使われるものです。水戸黄門の名で知られる徳川光圀公は薬をひいて粉にしハチミツで丸めて作った丸薬を印籠に入れて持ち歩いていました。
実は薬や健康祈願とかかわりの深いお守り、ということです。お土産など贈答としてはとても喜ばれるでしょう。印籠守りは1,000円です。
もう1つ有名なのが「御香守り」です。
これには身体健全、厄除開運などのご利益があるといわれています。
実際に白檀(びゃくだん。甘い香りがする香木)のかけらが錦袋に入っています。白檀の香りは徳川家康が好んだとされているものです。(御本社を参拝した人しか買うことができない)
なお、日光東照宮のお守りは、特別な祈祷により念が込められているとされ、一般的なお守りのように有効期限(通常は一年)がなく、長くお守りの効果があるとされています。
世界遺産、国宝級の建物や宝物が並ぶ東照宮ならではのこのようなお話を含めて、お守りをプレゼントしてあげるとよいかなと思います。
【所在地】
栃木県日光市山内2301
普通車200台駐車可能。有料で普通車なら一回600円。