・一般名:ベバシズマブ
・商品名:アバスチン
・投与経路:点滴静注
・血管外漏出による皮膚障害のリスク:低
・催吐リスク:最小
<特徴>
作用機序:血管内皮の増殖や血管新生に関与するVEGF(血管内皮増殖因子)を阻害することで、腫瘍組織の血管新生を抑制する。
※ヒト化モノクローナル抗体である。
代謝経路:不明
<どんながん治療に使われるか>
治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん:FOLFOX+ベバシズマブ、FOLFIRI+ベバシズマブ、CapeOX+ベバシズマブ、5FU/LV+ベバシズマブ、Cape+ベバシズマブ
扁平上皮がんを除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん:CBDCA/PTX+ベバシズマブ、CDDP(orCBDCA)/PEM+ベバシズマブ
手術不能または再発乳がん:PTX+ベバシズマブ
FIGO StageⅢ以上の卵巣がん:CBDCA/PTX+ベバシズマブ
悪性神経膠腫:単剤投与
・使用時の注意点
投与方法:点滴静注
投与量・投与間隔:5~15mg/kg/回、2~3週ごとで、疾患や併用化学療法により異なる。
投与時間:初回は90分で投与。問題がなければ2回目は60分、3回目以降は30分で投与できる。
投与禁忌:25mL(テイースプーン1/2杯)以上の鮮血の喀血の既往
慎重投与:腹腔内の炎症の合併、大きな手術の術創未治癒、脳転移、先天性出血素因/凝固系異常の合併や抗凝固薬投与中、血栓塞栓症の既往、高血圧症の合併、重篤な心疾患の合併
・重大な副作用
血栓塞栓症
高血圧
出血(脳出血、肺出血、消化管出血など)
消化管穿孔
創傷治癒遅延
タンパク尿
・その他注意が必要な副作用
インフュージョンリアクション
粘膜出血(鼻出血、歯肉出血など)
・投与に関するポイント
毎日、血圧測定を行って記録する。突然の強い腹痛、呼吸困難胸痛、意識障害、下肢の腫脹・疼痛、喀血、吐血、下血、急激な血圧上昇などが出現した場合は、緊急処置が必要となる可能性が高いため、すぐに病院へ連絡する。
ベバシズマブは、血中半減期が長い(約21日間)ため、1回の投与で発現した有害事象は、約1か月続く。