アスパラガスの特徴
アスパラガスは南ヨーロッパが原産地です。周辺の海岸地域で紀元前から栽培され、春を告げる野菜として親しまれてきました。
日本には1781年に観賞用植物として伝わり、北海道で栽培がはじまりました。自然のまま日光にあてて育てたグリーンアスパラガスは、今でも原産地の気候風土に似た東北や北海道の露地ものが品質に優れ、美味しいです。
食用されるのは、芽が出た若茎です。新鮮なものは、親指ぐらいの太さでやわらかくて甘みがあります。茎についているはかまのようなものはアスパラガスの葉です。芽吹き野菜なので、旬は露地栽培がされる4~6月上旬ぐらいまでです。栄養価も春と夏では、春どりのもののほうが高いです。
グリーンアスパラガスには食物繊維、カロテン、ビタミンCが豊富です。新陳代謝をうながして細胞を活性化させるアスパラギンを含むのが特徴で、ほどよい苦味には血圧を下げるルチンも含まれています。
【がん(癌)に作用されると言われている成分】
アスパラガスに含まれるアスパラニンAとプロトジオシンは非常に強力ながん細胞の成長抑制作用があると2009年に報告されています。また、がん予防、抗酸化作用、ピロリ菌除菌作用が確認されているスルフォラファンがアスパラガスに含まれていることが2010年に報告されています。
なお、グリーンアスパラガスに含まれるβ力ロテンは免疫機能の回復により発がんを抑えるといわれています。また、生活習慣病の予防、老化予防などに働きます。
アスパラガスは穂先に含まれるアスバラギン酸が特徴的ですが、アスパラギン酸は疲労回復、皮膚の新陳代謝を高める作用があります。アンモニアを尿とともに排泄させたり、イライラや不眠症を予防したりします。
抗酸化作用の強いルチンも含み、毛細血管をよい状態に保って高血圧を予防します。ビタミンCとルチンをいっしょにとると抗酸化作用は高まります。
アスパラガスにはグリーンアスパラガスとホワイトアスパラガスがあり、抗酸化成分は、グリーンアスパラガスに多く含まれています。
【調理方法のコツ】
アスパラガスの約70%は水分です。導管(水を吸い上げる管)が細い3~4月の走り(出はじめ)の時期は、油との相性がよいのでソテーにして、アスパラガスのうま味を引き出しましょう。
5~6月上旬の名残りの時期になり、導管が太くなってきたら、深く茄でることで柔らかく食べられます。熱湯に塩を入れて、根元を1分ほど茄でてから全体を沈めましょう。。
【良いアスパラガスを選ぶポイント】
甘くておいしいアスパラガスは、穂先がほどよくふっくらとして、はかまが正三角形をしています。茎の断面は切ると丸く、表面にはほとんどタテ筋がありません。これは士の中の株(地下の根)が元気な証拠です。また、なるべく淡い緑色のものを選びましょう。
【主な栄養成分】(100gあたり)
エネルギー 22kcal
たんぱく質 2.6g
脂質 0.2g
炭水化物 3.9g
ナトリウム 2㎎
カリウム 270㎎
カルシウム 19㎎
マグネシウム 9mg
リン 60mg
鉄 0.7㎎
亜鉛 0.5mg
銅 0.10mg
マンガン 0.19mg
ビタミンA:α-カロテン 5マイクログラム
ビタミンA:β-カロテン 370マイクログラム
ビタミンA:β-クリプトキサンチン 9マイクログラム
ビタミンE 1.7mg
ビタミンK 43マイクログラム
ビタミンB1 0.14mg
ビタミンB2 0.15mg
ナイアシン 1.0mg
ビタミンB6 0.12mg
葉酸 190マイクログラム
パントテン酸 0.59mg
ビタミンC 15mg
水溶性食物繊維 0.4g
不溶性食物繊維 1.4g
以上、がん(癌)とアスパラガスについての解説でした。