ホジキンリンパ腫で病期分類の「早期」に分類される場合は、放射線療法が治療の中心となります。
特に、病変が全身に拡がっていないで限られた場所に留まっているような場合には、効果的な治療法といえます。従って、「早期」の場合には放射線療法単独、あるいは、化学療法(ABVD療法)を一定の回数(2~4コースなど)行った後に放射線を照射する方法が選択されます。
いっぽう「進行期」の場合は化学療法が治療の中心になりますが、治療後に病変が一部残っているような場合には、放射線療法を追加することがあります。
照射する放射線の量は?
ホジキンリンパ腫は、もともと放射線治療に対する反応性がよい腫瘍であり、また副作用の問題もあるので、照射量は必要以上に多くなりすぎないように設定されます。実際、大量の放射線照射を行っても治療成績は上がらないことが知られています。
放射線科の専門医によって、放射線をあてる場所、1回あたりの照射量および照射回数が決められますが、多くの場合、3~4週間程度の治療期間を必要とします。
放射線療法の副作用
放射線治療は、照射する場所によってさまざまな副作用が現れる可能性があります。頸部や顔などに照射した場合は、喉頭炎、咽頭炎の合併や、唾液が少なくなるなどの症状が現れることがあります。
腹部への照射では、胃の不快感、下痢などが生ずることがあります。その他、急性白血病やがん、心臓病を合併するリスクも上がりますが、これらは治療終了後5~20年以降に発症することが多いため、晩期障害と呼ばれています。
最近は、広範囲に放射線を照射することが少なくなっているので、晩期障害の危険性も以前よりは減っていると考えられています。