膵臓がんの転移や再発のある人に対して行われる抗がん剤治療(薬をつかった化学療法)は、次の1~4の流れに沿って行われます。
1.治療方針の決定、説明
まず、抗がん剤治療にあてはまる症例(手術不能、転移がんなど)かどうかの判断をし、同時に患者さんの全身状態の評価が行われます。体力的にも治療可能と判断されれば、医師から治療方針、治療計画の説明があります。最終的には、医師と患者さんで相談して治療法を決定します。
2.抗がん剤の投与
治療法を決めたら、抗がん剤の投与を開始します。治療法によって、外来通院か入院で行います。初回投与は入院で行い、問題なければその後は外来で行っていく場合もあります。
入院の場合も、問題となる副作用が出現しなければ数日間の入院で済みます。外来で行っていく場合は、副作用の出現に十分な注意を払いながら、定期的に問診や診察、採血、レントゲン検査などを行います。
3.治療効果の判定
2~3か月間治療を行ったら、治療効果がどれだけあるのかを評価します。評価方法には、採血による腫瘍マーカー測定や、CT検査が一般的です。
化学療法の効果判定としては、「がんの消失」、「がんの縮小」、「不変」、「がんの増大ないし新たな病変の出現」の4つに分けられます。前三者はすべて「化学療法の効果があり」と判定されます。
4.治療の継続・変更
副作用の程度と治療効果の程度で治療方針が変わります。副作用もなく、あるいは軽度であり、化学療法の効果を認めている場合は、そのまま治療を継続します。
副作用の出現があっても、治療効果を認めている場合は、いったん休んだり、あるいは投与薬量を減量したりして継続する場合もあります。治療効果がなければ、副作用の有無にかかわらず薬の変更を検討します。
以上、膵臓がんの化学療法についての解説でした。
がんと診断されたあと、どのような治療を選び、日常生活でどんなケアをしていくのかで、その後の人生は大きく変わります。
納得できる判断をするためには正しい知識が必要です。