がんの広がりをみる病期(ステージ)は、がんの大きさと周囲臓器への浸潤度、リンパ節への転移の有無、肺や肝臓、骨など遠隔臓器への転移によって決められ、それによって治療方針が検討されます。
腎臓がんで最も確実な治療法は、手術とされています。がんのある側の腎臓を副腎や周囲の脂肪組織などと一緒に切除する「根治的腎摘除術」が標準的手術で、がんの大きさが4cm以下の場合は、がんだけを切除して腎臓を温存する「腎部分切除術」が選ばれることもあります。
比較的進行が遅いがんで、遠隔転移があっても、転移したがんの個数が少ないときは、手術を検討します。これは腎臓がんの1つの特徴です。薬物療法の対象となるのは、Ⅳ期にあたる転移がんや進行がん、あるいは再発がんです。
腎臓がんの病期(ステージ)と標準治療
・Ⅰ期
腫瘍の最大径が7cm以下で、腎臓内に限局している
標準治療:手術
・Ⅱ期
腫瘍の最大径が7cmより大きいが、腎臓内に限局している
標準治療:手術
・Ⅲ期
腫瘍が以下の場所に認められる
腎臓と隣接した1カ所のリンパ節
副腎または腎周囲組織中に浸潤している
腎静脈や下大静脈内に進展している
標準治療:手術
・Ⅳ期
腫瘍が以下の場所まで広がっている
腎周囲脂肪組織層を越えて、腸腰筋、肝臓、膵臓、腸管などの他臓器まで
腎臓と隣接した2個以上のリンパ節
肺や肝臓、骨などの遠隔臓器
標準治療:手術+術後薬物療法、あるいは薬物療法
以上、腎臓がんについての解説でした。