肺がん放射線治療の副作用
放射線療法では、つぎのような副作用や合併症があらわれます。代表的なものは、放射線を照射することによるやけどのような症状(炎症)が生じます。
肺の照射部位には放射性肺臓炎や肺線維症が、気管や食道のあたりに照射した場合は食道炎が、放射線照射部位近くの皮膚には皮膚炎がそれぞれあらわれることがあります。
また、放射線療法では治療中だけでなく、治療後にも合併症があらわれることがあります。なかには、数年たってからあらわれることもあるので、定期的に診察を受けましょう
肺がん化学療法(抗がん剤治療)の副作用
化学療法の副作用はじつに多様です。個人差があり、また使用する抗がん剤の種類や出現時期によって、さまざまな副作用の可能性があります。
自覚できる副作用としては吐き気や嘔吐、下痢、口内炎、食欲不振などの消化器症状がよく起こります。吐き気には、吐き気止めとして5‐HT3拮抗剤やNK1受容体拮抗薬がよく使われす。
また、化学療法開始後3週目ごろから、髪の毛が抜けはじめることがよくありますが(脱毛)、治療終了後には再び生えてきます。
検査で発見できる化学療法の副作用として、骨髄抑制(こつずいよくせい)があります。骨髄は血液のなかを流れる血球をつくっています。この骨髄機能の低下により、血液のなかで免疫を担当する白血球や好中球の数が減少して感染しやすくなったり、止血を担当する血小板の数が減って血が止まらなくなったりする副作用が、骨髄抑制です。
骨髄抑制は、化学療法開始後1~3週目にあらわれることがよくあります。重篤な場合には、G‐CSFという薬剤や血小板輸血を使って治療をおこないます。
また、心不全や不整脈、問質性肺炎が生じたり(心肺毒性)、肝臓や腎臓の機能が低下したりします。