【レジメン】
Eribulin:エリブリン(ハラヴェン)=1.4mg/m2:静注(2~5分)
基本事項
【適応】
手術不能または再発乳がん
【奏効率】
・奏効率
12%
・無増悪生存期間
3.7カ月
・全生存期間
13.1カ月
【副作用】
・白血球減少:All Grade=23%、Grade3~4=14%
・好中球減少:All Grade=52%、Grade3~4=45%
・貧血:All Grade=19%、Grade3~4=2%
・疲労:All Grade=54%、Grade3~4=8.7%
・末梢神経障害:All Grade=35%、Grade3~4=8.2%
・悪心:All Grade=35%、Grade3~4=1%
・嘔吐:All Grade=18%、Grade3~4=1%
・便秘:All Grade=25%、Grade3~4=1%
・下痢:All Grade=18%
・脱毛:All Grade=45%
・体重減少:All Grade=21%、Grade3~4=0.5%
・食欲不振:All Grade=19%、Grade3~4=0.4%
・頭痛:All Grade=19%、Grade3~4=0.4%
・筋肉痛:All Grade=22%、Grade3~4=0.4%
・発熱:All Grade=21%、Grade3~4=0.2%
・背部痛:All Grade=16%、Grade3~4=0.8%
レジメンチェックポイント
①投与量の確認
<投与開始基準>
下記の基準を満たさない場合、投与を延期する
・好中球数:1,000/mm3以上
・血小板数:75,000/mm3以上
・非血液毒性:Grade2以下
<減量基準>
前コースにおいて以下の副作用などが発現した場合、減量したうえで投与する
・7日間を超えて継続する好中球数減少(500/mm3未満)
・発熱または感染を伴う好中球数減少(1,000/mm3未満)
・血小板数減少(25,000/mm3未満)
・輸血を要する血小板数減少(50,000/mm3未満)
・Grade3以上の非血液毒性
・副作用などにより2週目に休薬した場合
<投与再開基準>
投与延期後1週間以内に上記の投与開始基準を満たした場合、減量して投与する
<休薬基準>
投与延期後1週間以内に上記の投与開始基準を満たさない場合は、休薬する
<減量の目安>
投与量:通常投与量=1.4mg/m2、1段階減量=1.1mg/m2、2段階減量=0.7mg/m2
<腎機能低下症例に対する減量の目安>
・Ccr(mL/min)>50:投与量1.4mg/m2
・Ccr(mL/min)15~49:投与量1.1mg/m2
<肝機能低下症例に対する減量の目安>
・Child-Pugh分類A:投与量1.1mg/m2
・Child-Pugh分類B:投与量0.7mg/m2
・Child-Pugh分類C:投与量使用経験なし
②投与速度の確認
2~5分かけて静脈内投与
副作用対策と服薬指導のポイント
①末梢神経障害
手足のしびれ、刺痛、焼けるような痛みが出現した場合はすぐに申し出ることを伝える
②脱毛
約半数で発現するが重篤化することは少ない、治療後、1~3週間で抜け始め、全治療終了後は回復する
③治療が進んだ患者が対象となるため、治療によりQOLが低下しないよう注意する(このステージの患者でBSC(best supportive care)と化学療法の比較試験はない)