個別サポートの中で、比較的多いのが「今はこの病院に通っているのですが、他に移ったほうがよいですか?他におすすめの病院はありますか?」という質問です。
がんについては「一度行けば終わり」ではなく、通院、入院などを含め長期化することが多いため、どの病院を選ぶか、は重要な点になります。
というわけで、ツイッターで「病院の選び方シリーズ」を書いてみました。
「その20」まで行ってしまったので、サイトにもまとめとして残しておきたいと思います。
がん治療 病院の選びかた、探しかた
【がん治療 病院の選びかた その1】
質問で多いのが「どこの病院がおすすめ?」
事前に、現在の状況はもちろん、住まいの都道府県までは確認しているので、答えるのは難しくない。
どの部位のがんか、進行度は?どんな治療を受けてきた?まで把握できれば「もし他に行くならここ」と即答できる。
— 本村ユウジ (@motomurayuji) 2019年3月2日
【がん治療 病院の選びかた その2】
個別の状況を把握したうえでどんな病院の選択ができるか?という話は難しくない。
セカンドオピニオンを受けるべきか、転院を考えるか、それらをしなくてもよいかも即答できる。
なので、私のサポートを受けている人は気軽に相談していただければOKである。
— 本村ユウジ (@motomurayuji) 2019年3月2日
【がん治療 病院の選びかた その3】
しかし「一般的にどこがよい病院か」となると、基準は難しい。
が、よく検討される要素についていくつか思いつくままに挙げてみる。
まず「評判」「口コミ」について。
病院に対する人の評価を当てにするのはリスクがある。飲食店のようにはいかない。
— 本村ユウジ (@motomurayuji) 2019年3月2日
【がん治療 病院の選びかた その4】
人によって病院や医師への期待値は大きく異なる。
日本人の場合は「話しやすい」「愛想よく優しい」を重視する傾向があるが、難易度の高い手術を受けるなら、その医師の愛想のよさはどうでもいい。
職人気質の腕のよい外科医で、愛想の悪い人はたくさんいる
— 本村ユウジ (@motomurayuji) 2019年3月2日
【がん治療 病院の選びかた その5】
逆に化学療法(抗がん剤などの薬物治療)を受けるフェーズなら、「きちんと説明してくれる」ことや「副作用のことをきちんと聞いてくれる」ことが重要だ。
部位ごとにどの薬を使うかはガイドラインでほぼ決まっているわけで、医師ごとの技量差はほぼない。
— 本村ユウジ (@motomurayuji) 2019年3月2日
【がん治療 病院の選びかた その6】
外科医はコミュ力より技術や経験が重要で、内科医ならコミュ力や傾聴が重要。放射線なら医師どうこうより放射線の設備が重要になる。
なので「あの医師に冷たい態度をとられた」や「優しくていい先生です」という情報を元に何かを考えるのは的外れになりがち。
— 本村ユウジ (@motomurayuji) 2019年3月2日
【がん治療 病院の選びかた その7】
世の中の「評判」とか「口コミ」は、そういう感情論や印象に基づくものが多い。
一般の世界と違い、医療界はコミュニケーションやサービスの教育をほぼ受けていないので「期待する優しさや対応を下回る」ことがほとんどだが、仕方がないと割り切ったほうがよい
— 本村ユウジ (@motomurayuji) 2019年3月2日
【がん治療 病院の選びかた その8】
では、「評判」とか「口コミ」をあてにせずに、どこに目をつけて調べるか。
まずは重大な事故が起きていないか。これは基本中の基本。
記憶に新しいのが、2014年に群馬大学病院で起きた「腹腔鏡を使った肝臓手術で8名死亡」という事件。これはもう論外。
— 本村ユウジ (@motomurayuji) 2019年3月2日
【がん治療 病院の選びかた その9】
手術を受けるなら、当然ながら手術実績が豊富であるかどうか。病院ランキングの本で調べれば分かる。
数をこなしているのに下手、ということはあまりない。
手術による死亡はゼロにはならないが、平均値はあるし、自信のある病院は死亡率も公表している。
— 本村ユウジ (@motomurayuji) 2019年3月2日
【がん治療 病院の選びかた その10】
実績をみる、というのはとても重要。近隣と比べてどうか?は調べれば分かる。
ランキング本では「手術のうち、腹腔鏡手術はどのくらいか」「ロボット手術はどのくらいか」なども分かる。
実績があり、新しい技術を使って執刀している割合が高いかどうか。
— 本村ユウジ (@motomurayuji) 2019年3月2日
【がん治療 病院の選びかた その11】
会社の経営指標が数字で表せるように、病院の力量も数字で表せる。数字で見れるものがあれば数字で見ること。
あとは、病院の建物や設備をどう見るか。どこに強みがある病院か。などを見ることになるが、それはまた後日、続きに・・・。
— 本村ユウジ (@motomurayuji) 2019年3月2日
【がん治療 病院の選びかた その12】
病院の外観や内観の写真を調べみて、新しく綺麗な建物か、それとも古いのか。
長期間の通院になることが多いので、気持ちの問題で重要。
例えばがんセンター中央病院は近代的な作りのビルで採光もよい。いっぽうで東病院の本館はかなり古くて内部も暗い。
— 本村ユウジ (@motomurayuji) 2019年3月3日
【がん治療 病院の選びかた その13】
「病院に行っただけでゲンナリする」という経験は誰しもがあること。体調が優れないなか、古くて暗い施設に行くことはできるだけ避けたい。
建物が新しい病院や、リフォームして綺麗にしている病院は検査や治療の設備も新しい傾向がある。
— 本村ユウジ (@motomurayuji) 2019年3月3日
【がん治療 病院の選びかた その14】
地方だとそもそも選択肢が少なくて、綺麗な病院を探すこと自体が難しいが、首都圏や都市部ならいくつか候補があるはず。
外観や内観の写真をみたり、実際に近くまで行って見ると雰囲気は分かる。そこで得た感覚や印象はその後も続くのでとても大事。
— 本村ユウジ (@motomurayuji) 2019年3月3日
【がん治療 病院の選びかた その15】
設備でいうと、がん治療に関係あるのは「手術」と「放射線」。
手術はダビンチなどのロボット手術の設備があるか。ロボット手術はどの部位でも行えるわけではないが、例えば前立腺がんなどではロボット手術で行うのが最先端。
— 本村ユウジ (@motomurayuji) 2019年3月3日
【がん治療 病院の選びかた その16】
手術を行うことが前提なら「最新の手術技術は何か」を調べ、それができる病院、その設備が備えてある病院のほうが望ましい。
放射線は基本的なリニアックはどこでもあるが、IMRT、トモセラピー、ヴェロ、サイバーナイフ、陽子線、重粒子線と色々ある。
— 本村ユウジ (@motomurayuji) 2019年3月3日
【がん治療 病院の選びかた その17】
なんでも最新の重設備がよい、というわけではないが、例えば脳への照射ならガンマナイフよりサイバーナイフがある病院のほうが負担の少ない治療を受けられるし、肺がんも通常のリニアックよりかはサイバーナイフのほうがピンポント性が高い。
— 本村ユウジ (@motomurayuji) 2019年3月3日
【がん治療 病院の選びかた その18】
がんセンターでも陽子線は備えてないわけで。要は病院ごとに特徴や強みがある。
何を売りにしている病院なのか。どの部位に強い病院なのか。優秀な医師を何科に招聘しているのか?などが分かってくれば、選びやすくなる。
— 本村ユウジ (@motomurayuji) 2019年3月3日
【がん治療 病院の選びかた その19】
病院の強みやポリシーが病院名に反映されている病院もある。例えば神戸にある「低侵襲がん医療センター」。
最も侵襲性が高いのが手術であり、それをなるべく控えて、放射線を中心に据えている稀な病院だ。
病院も差別化が進んでいる。特色を把握してみよう
— 本村ユウジ (@motomurayuji) 2019年3月3日
【がん治療 病院の選びかた その20】
”その20”まで来たので、この辺で。
「この部位のこの治療ならこの病院しかほぼできない」という治療もある。
なので、病院探しも情報が大事。後から転院するのは結構大変なので、行く前にできるだけ調べてみよう。
— 本村ユウジ (@motomurayuji) 2019年3月3日
まとめ
あとは「待ち時間がどれくらいか」などもありますね。
人気のある病院ほど待ち時間は長くなりますし、一度の診察時間も短くなる傾向があります。
「待ち時間」だけで決めることはできないですが、がんの状況によっては「どこの病院でもやれる治療は同じ」という場合もあります。
それなら、混んでいる人気病院ではなく、「空いているが同じ治療ができる病院」に移ったほうがストレスがなくなります。
こういうことも含めて「どの病院を選ぶかは、がんの部位や進行状況、これまでの治療履歴や住んでいる場所による」という結論になります。