がん専門のアドバイザー、本村です。
ここでは佐賀県内の神社やお寺へ「癌封じ」や癌平癒(治ること)、病気平癒を祈願したいと考えている方に候補となる場所を紹介したいと思います。
まず、「癌封じ」という癌に特化した祈祷やお守りを授与してくれるお寺、神社は現時点で佐賀県内にありません。
しかし、そもそも「癌封じ」とは「(がんでない人が)がんにならないこと」を願う祈願です。
現在はその解釈が拡大され「再発を防ぐ」「転移を防ぐ」「癌を治す」ことを祈願する意味も含むようになっています。
本来、胃がん、肝臓がん、乳がんなど各部位の癌を含む病気が治るよう祈願することは「病気平癒(へいゆ)祈願」の対象です。
ですので、癌の治療や治ることに関して祈願したり、お守りを授与してもらったりする場合は、「癌封じ」の項目を挙げている寺社にこだわらずとも、”病気平癒のご利益があると言われる寺社”へ参拝することでじゅうぶん目的は達成されます。
というわけで佐賀県内で特に病気平癒や健康長寿のご利益があるとされる神社を2社と「お寺巡り」に関して紹介したいと思います。参拝の参考にしてください。
佐賀県武雄市 武雄神社の病気平癒祈願
武雄市にある御船山のふもとにある武雄神社(たけおじんじゃ)は、佐賀県で最も有名な神社の1つです。
境内にある樹齢3000年といわれる神木「武雄の大楠(高さ30m」には、神社の主祭神である武内宿禰命(たけうちのすくね のみこと)が宿る、と伝えられています。
なお、武雄の大楠の根元にある空洞の中には天神(菅原道真公)を祀った祠(ほこら。霊を祀るところ)があります。
その他、夫婦檜と呼ばれる二本の檜、昭和45年に再建された白い社殿などが見所です。豪華絢爛な神社ではなく、整備された森の中にたたずむ、荘厳で落ち着いた雰囲気がある神社です。
癌や病気との関連
癌など特定の病気とのゆかりはないですが、健康長寿、病気平癒に関連深い神社です。
まず、武雄神社の主祭神である武内宿禰命は(日本神話での逸話として)360歳を超える長寿だったとされています。人生の中で5代の天皇に使えたといわれる神話的な忠臣です。
日本国内で祀られている祭神で、これ以上の長寿とされている神はおらず、日本一の健康長寿の神、無病息災、延命長寿の神とされています。
そのため、古くから病気平癒、疫病退散、健康長寿の神として大衆や時の領主などから篤い信仰を集めてきました。
つぎに、大楠に祀られている天神=菅原道真公は学問の神として有名ですが、非業の死をとげたことから元々怨霊として恐れられてきたこともあり「厄除けの神」でもあります。
古来から厄を祓う、災いを祓う=難病を治せるよう、天神様に祈る、という風習も根強く残っており、病気平癒や長寿にもご利益があるとされています。
また、祭神の一柱でもある応神天皇(おうじんてんのう。別名は誉田別命=ほむたわけのみこと)も、100歳まで生きられたとされた長寿の神、として信仰されています。
このように祭神、そして大楠に祀られている天神にも健康長寿、病気平癒に神徳があることから武雄神社は癌が治ることや、再発や転移がないことを願ううえでは適しているといえます。
祈祷を受けることができます。
神社に参拝するとき、拝殿にお賽銭をして二礼、二拍手、一礼をする、という形が一般的ですが、これは略式参拝といわれる参拝の仕方です。
正式な参拝とは、神職によるお祓い=祈祷(祈願)を受けることを意味します。
小さな神社では個人向けの祈祷を受けられないところもありますが、武雄神社で個人向けの祈祷を受けることができます。
願意は家内安全、心願成就など様々なものから選べますが、癌封じや癌が治ることを願う場合は「病気平癒」「身体健康」のいずれかがよいでしょう。
玉串料(祈祷料)は5,000円からです。祈祷のあとにお札やお守りを授与してもらいます。
祈祷の受付は社務所で可能で、時間は9:00~17:00までです。
当日の申し込みが可能ですが、祭事などで希望の時間に受けられないこともあるので、参拝日が決まっていれば、事前に確認、予約(0954-22-2976)をしておくとよいと思います。
病気平癒のお守りは「大楠守」
武雄神社には独特なお守りがたくさんありますが、癌を含む病気平癒のお守りを購入する場合は、大楠守がそれにあたります。
「大楠の特徴にあやかった願意を、楠の木の中でご祈願したお守り」とのことで、樹齢3000年に通じる延命長寿の祈願、病気のムシを寄せ付けない楠から、病気平癒、無病息災が祈願されたお守りです。
初穂料(価格)は1,000円。お見舞いの品や贈答用としても喜ばれると思います。
武雄神社の住所と地図
住所:佐賀県武雄市武雄町大字武雄5335
武雄神社の営業時間、電話番号、最寄り駅、駐車場など
・営業時間(参拝可能時間):授与所、祈祷受付9:00~17:00
・電話番号:0954-22-2976
・最寄り駅:JR佐世保線 武雄温泉駅より徒歩2km
・バス:武雄温泉駅から武雄高校前バス停下車徒歩3分
・車でのアクセス:長崎自動車道武雄北方ICより約10分、西九州自動車道武雄南ICより約15分。
・駐車場:無料駐車場あり
武雄神社のおすすめ度:A。【A>Eの5段階】
自然豊かな神社で気持ちの面でもリラックスできますし、祭神が病気平癒に強い関連があること、祈祷を受けられること、お守りも特徴的であることなど、癌闘病の方やご家族が参拝するには適した神社かと思います。
ご夫婦で参拝し「根元で結ばれ、枝も繋がっている夫婦檜」を見るだけでも価値はあるのでは、と思います。
佐賀県鹿島市 祐徳稲荷神社の病気平癒祈願
全国には多くの「稲荷神社」があり、その数は30,000~40,000社といわれています。
祐徳稲荷神社(ゆうとくいなりじんじゃ)は、日本三大稲荷(※)の1社であり参拝者は年間300万人に達する日本でも有数の人気のある神社です(社格は県社)。
※総本社である京都の伏見稲荷は確実ですが、その他については諸説あります。候補としては祐徳のほかに笠間稲荷(茨城)、豊川稲荷(愛知)などがあります。
祐徳稲荷神社の創建は江戸時代で、花山院(かざんいん)萬子媛(=のち祐徳院)が京都から肥前鹿島藩主に嫁ぐ際に稲荷大神の分霊を移したのが創建の由来です。
稲荷神社ならではの朱色はもちろん、色鮮やかで派手な社殿で知られ、日光の東照宮を連想させることから別名「鎮西日光」とも呼ばれています。
四季を通じて様々な花が咲き、特にアジサイや桜、紅葉が有名です。景色もよく外国人観光客からも人気があり、九州では太宰府天満宮に次ぐ参拝者が訪れています。
癌や病気との関連
稲荷神社の主祭神、倉稲魂大神(うがのみたまのおおかみ)は日本神話の主要な神の一柱です。食物の神、五穀豊穣の神として古くから民衆に信仰されてきましたが、時代が進むことによってその神徳が増えてきました。
生活に関する全体的な神徳がある、と信仰が変化し、商売繁盛、家運繁栄なども祈願されるようになり、平安時代の頃には「良縁」や「病気平癒」のご利益もあるとされるようになりました。
また、祭神の一柱である猿田彦大神(さるたひこおおかみ)」も、日本神話に登場する神です。導きの神といわれ、交通安全、縁結び、延命長寿、厄除けのご利益があるとされています。
稲荷神社といえば商売繁盛、といわれますが、これは主な神徳の1つであり、実際にはとても広い神徳、ご利益がある=人間の生活全般に関わる神として全国的な信仰があります。
病気平癒祈願を目的としても、古くから篤い信仰がある神社ですので、癌など特定の病気とのゆかりはないですが、病気が治ることや健康長寿を願うには適した神社であるといえます。
病気平癒の祈祷を受けられます
祐徳稲荷神社では病気平癒の祈祷(祈願)を受けることができます。受ける場所は総漆塗りの神楽殿になります。
この神楽殿にあがり、神職による願い事の祝詞が奏上され願い事を神に伝える、という神事です。
癌封じや癌が治ることを願う場合の願意は「病気平癒」でよいです。この願意は体の中に有る病の元がすべて無くなりもとの元気な身体にもどるようお祈りする、というものです。
初穂料(祈祷料)は5,000円より。予約は不要で当日に社務所で申し込みます。
大祓(おおはらい)
祐徳稲荷では、通常の祈願のほか、「大祓式」という行事があります。
これは罪穢れを移した人形を錦波川へ流し無病息災を祈念する、というものです。
毎日行われているものではなく、8/1の夏越、12/31の年越しの大祓式の二回です。参拝のタイミングがあえばこちらの祈願を受けるのもよいかと思います。
祐徳稲荷神社のお守り
「うまくいく守」が有名です。病気の治療、癌の治療(手術や抗がん剤、放射線)がうまくいく=成功するように願うならこのお守りもよいと思います。
身体健全としては、「身守」があります。
祐徳稲荷神社の住所と地図
住所:佐賀県鹿島市古枝
祐徳稲荷神社の営業時間、電話番号、最寄り駅、駐車場など
・営業時間(参拝可能時間):24時間参拝可能。社務所は夏:6:00~18:00頃、冬:6:00~17:00頃。
・電話番号:0954-62-2151
・最寄り駅:JR長崎本線肥前鹿島駅からタクシーで約10分
・バス:R佐賀駅から祐徳バスで約1時間
・車でのアクセス:長崎道武雄北方ICから約40分、嬉野ICから約30分
・駐車場:無料駐車場あり。2500台
・階段:あり
・バリアフリー:エレベーター(有料。おみくじ付き)で御本殿まで参拝可能。
祐徳稲荷神社のおすすめ度:B。【A>Eの5段階】
「癌や病気平癒に特にご利益の強い場所」を求める方にはやや物足りないかもしれませんが、稲荷神社は幅広い神徳・ご利益がある、とされる神社で病気平癒も含みます。
祈祷を受ける場所である神楽殿は美しいですし、体調に問題がなければ奥宮まで登ってみると忘れ難い経験になると思います。
佐賀県の薬師如来巡礼
神社ではなくお寺へ参拝するなら、薬師如来が祀られている寺院が適しています。
薬師如来は「医薬の仏」であり、左手に薬壷を持っています。薬壷には体の病、心の病、社会の病を治す薬が入っている、とされています。
古来より人々は病気やケガからの回復を祈願するときは、薬師如来が祀られているお寺を参拝しました。
難病ともいえる癌からの回復や手術や抗がん剤治療などの成功を祈願するうえでは、適したお寺だといえます。
九州では「九州四十九院薬師霊場」と呼ばれる、薬師如来を祀った寺院の巡礼があり、佐賀県には三間山東光寺、日輪山水堂安福寺など八か所のお寺が含まれます。
いわゆるお遍路さんのような巡礼であり、九州全土の薬師如来を巡られる人もいますし、佐賀県の薬師如来を巡る人もいます。
どのお寺も武雄神社や祐徳稲荷神社のような派手さはなく、個人の住職さんが管理されているような小さなお寺が多いですが、いくつかのお寺を巡りたい、ということなら薬師如来の巡礼もよいかと思います。