26.メンタルケア

がん患者さんの不眠症に対するケア、解消法|がんの恐怖などで眠れないとき

がん患者さんの不眠症に対するケア

癌(がん)と告知された後の将来への不安、病状が進行することへの焦り、手術や抗がん剤治療など未知の治療への恐怖など、がんは心理面で大きな影響を与えます。そのためうつを発症する人も多く、不眠症に苦しむ人も多いのが実情です。

特に不眠症は体力の回復を妨げ、精神的により気持ちが切迫します。眠れなくなった場合、医療やセルフケアでどのようなことができるのでしょうか。

■がん患者さんに対する不眠症は睡眠薬による対処が中心

不眠が長く続いて日常生活に支障が出ている場合など、早急な手立てが必要な場合は心療内科などでは薬物による対処を行います。いっぽうで不眠の症状がそれほど重くない場合や、昼間に仕事を抱えていないなど比較的時間に余裕がある場合は心理面のアプローチが主な対策になります。

多くの場合は、薬物による対処と心理面のアプローチを同時に行うのが望ましいですが、現在の医療現場では薬物に頼る傾向が強いといえます。

薬物=睡眠薬、抗不安薬などですが、これには以下のような様々な種類があります。

作用時間 商品名
超短時間作用型 ・ロゼレム
・マイスリー
・アモバン
・ルネスタ
・ハルシオン
短時間作用型 ・デパス
・レンドルミン
・リスミー
・エバミール
中間作用型 ・エリミン
・サイレース
・ユーロジン
・ベンザリン
・ドラール
長時間作用型 ・ダルメート
・ソメリン

 

ひとことで不眠といっても、なかなか眠りにつけない「入眠困難型」、睡眠中に何度も目が覚める「中途覚醒型」、朝早くに目が覚める「早朝覚醒型」、快適な睡眠がとれない「熟睡困難型」の4つのタイプに分かれます。

薬物を使うときは上記のタイプを見極めて薬が処方されます。例えば寝つきが悪い入眠困難型の場合には、体内での作用時間が短く、効果が早く現れる短時間作用型の薬が使われます。また、早朝覚醒型の不眠には、体内で長時間作用し効果がゆっくり現れる薬が使われます。

しかし多くの薬には依存性があり、副作用としてせん妄などの意識障害が起きる薬もあります。睡眠薬の使い方には細心の注意をはらい、必ず医師の管理のもとで行うことが大切です。

■薬物以外のアプローチ

現在、薬をつかうと早く効果があるため、医療現場では不眠にはまず薬物という傾向がありますが、不眠の原因が心理的な要素であれば薬の使用は一時的な対処法にすぎません。
薬を使わない不眠症への対策はとても重要であり、それを心理療法と呼びます。

中でも現在中心となっているのは認知行動療法です。これは物事の捉え方、考え方を切り替えることで行動の変化、感情の変化を促す心理療法で、特に不眠解消にはリラクゼーション法とよばれる方法がよく使われています。

・漸進的筋弛緩法(ぜんしんてききんしかんほう)

漸進的筋弛緩法は全身にギュッと力を入れたあとにスッと力を抜き、筋肉を弛緩させることでリラックスをはかる方法です。

・自立訓練法(じりつくんれんほう)

これは自己催眠の1つです。例えば「手が重たい」などの言葉を頭の中で反復し、その後意識を集中させて、手の重たさをただ感じるようにします。そうした行動を繰り返すことで心身が落ち着き、リラックスができるようなるとされています。

■日常生活でできる対策

厚生労働省では、「睡眠障害対処12の指針」を発表しています。睡眠は人間の生体リズムであり、意識でコントロールすることができません。そのため、日常生活において睡眠に入りやすいリズムを作ることが重要となります。

【睡眠障害対策12の指針(厚生労働省)】

1 睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分 ・睡眠の長い人、短い人、季節でも変化。8時間にこだわらない。
・歳を取ると必要な睡眠時間は短くなる。
2 刺激物を避け、眠る前には自分なりのリラックス法を ・就床前4時間のカフェイン摂取、就床前1時間の喫煙は避ける。
・軽い読書、音楽、ぬるめの入浴、香り、筋弛緩トレーニング。
3 眠たくなってから床に就く。就床時間にこだわりすぎない。 ・眠ろうとする意気込みが頭を冴えさせ寝つきを悪くする。
4 同じ時刻に毎日起床 ・早寝早起きではなく、早起きが早寝に通じる。
・日曜に遅くまで床で過ごすと、月曜の朝がつらくなる。
5 光の作用でよい睡眠 ・目が覚めたら日光を取り入れ、体内時間をスイッチオン
・夜は明るすぎない照明を
6  規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣 ・朝食は心と体の目覚めに重要、夜食はごく軽く。
・運動習慣は熟睡を促進
7  昼寝をするなら、15時前の20~30分 ・長い昼寝はかえってぼんやりのもと。
・夕方以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響。
8  眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに ・寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る。
9  睡眠中の激しいイビキ・呼吸停止や足のぴくつき・むずむず感は要注意 ・背景に睡眠の病気、専門治療が必要。
10  十分眠っても日中の眠気が強いときは専門医に ・長時間眠っても日中の眠気で仕事・学業に支障がある場合は専門医に相談。
・車の運転に注意。
11  睡眠薬の代わりの寝酒は不眠のもと ・睡眠薬代わりの寝酒は、深い睡眠を減らし、夜中に目覚める原因となる。
12  睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全 ・一定時刻に服用し就床。
・アルコールとの併用をしない。

以上、がんと不眠についての解説でした。

がんと診断されたあと、どのような治療を選び、日常生活でどんなケアをしていくのかで、その後の人生は大きく変わります。

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