25.抗がん剤・分子標的薬

前立腺がんで使われるイクスタンジ(エンザルタミド)の効果と副作用

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ikus

前立腺がんで使われるイクスタンジ(エンザルタミド)の効果と副作用

前立腺がんは男性ホルモンとの関係が強いがんです。

男性ホルモン=アンドロゲンが増殖することで前立腺がんも増殖することが分かっています。前立腺がんは抗がん剤が効きにくいこともあり、化学療法(薬を使った治療)はホルモンを抑制する治療(ホルモン療法)が中心となっています。

 

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ホルモン療法で使われる薬は、主に次のとおりです。

・アンドロゲンの一種であるテストステロンの分泌を抑えるLH-RHアゴニスト製剤。
⇒薬名:ゾラデックス(ゴセレリン)、リュープリン(リュープロレリン)など。

・おなじくLH-RHアンタゴニスト製剤
⇒薬名:ゴナックス(デガレリクス)

・アンドロゲンの作用を阻害する抗アンドロゲン製剤
⇒薬名:カソデックス(ビカルタミド)、オダイン(フルタミド)など

前立腺がんの治療では、これらの薬剤を組み合わせたり、単体で使用することで進行を抑制することを目指します。

しかしどんな薬でも耐性(たいせい)ができ、薬が徐々に効かなくなります。前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSAが下がらなかったり、腫瘍が小さくならなかったりと治療効果が薄れてくるのです。

耐性には個人差があり、5年~10年もホルモン療法が効果を示すこともありますが、骨転移を起こすなどすでに進行している状況の場合は、2~3年ですべてのホルモン剤が効かなくなることもあります。

前立腺がんにおいて、ホルモン剤は「副作用がさほど大きくなく、長く使える薬」として重宝されていますが、ホルモン剤が使えなくなってしまうと他のがんと同様に「抗がん剤」に頼ることになります。

前立腺がんで従来から使われている抗がん剤は「タキソテール(ドセタキセル)」ですが、副作用として浮腫(むくみ)や下痢、吐き気、嘔吐、脱毛、発疹など日常生活に影響を及ぼす症状が少なくありません。高齢者の多い前立腺がんの患者はこのような辛い症状に抵抗を覚える人が多く、また効果もさほど高くないため敬遠されがちな選択でした。

イクスタンジ(エンザルタミド)は新しいタイプのホルモン剤

ホルモン治療が終わると辛い抗がん剤治療しかない、という状況が長く続きましたが、新たな選択肢として登場したのが2014年5月に承認された「イクスタンジ(エンザルタミド)」です。

これまでのホルモン剤(前述した抗アンドロゲン薬)は分泌されたアンドロゲンが男性ホルモン受容体に結合するのを阻害する作用があります。

いっぽう、イクスタンジはその作用だけでなく、受容体に結合したアンドロゲンががん細胞の核内に移行することも阻害します。さらにアンドロゲンとがん細胞のDNAが結合するのを阻止し、がん細胞が増殖できないようにします。

簡単にいえば、従来のホルモン剤よりも「よりがん細胞を抑制する作用が強く、がん細胞を死滅できる力が強い」薬だといえます。

イクスタンジの効果

イクスタンジは主に海外で臨床試験が行われてきました。具体的には「従来のホルモン療法を受けて耐性ができた」+「タキソテールの治療をしたががんが進行している」という状況の患者さん1000例以上を対象に効果を検証する試験が行われました。

結果、イクスタンジは生存期間を約6か月、死亡リスクを37%低下させ、PSAの上昇を明らかに抑えるという報告になりました。

イクスタンジの投与方法と費用

投与の対象となるのはホルモン療法をひととおり実施し、タキソテールを使用しても効果がでなかった人です。しかし、タキソテールを実施していない人にも使われることがあります。

・服用法
イクスタンジは経口(口から飲むタイプ)の薬です。1日1回、4錠を服用します。

・費用
イクスタンジの薬価は1カプセル3,138円です。1日の投与量は4カプセルなので1日あたり約12,000円の費用となり、1か月では40万円になります。保険対象なので実際の負担は3割となりますが、それでも1か月12万円となり高額です。

従来のホルモン剤であるゾラデックスは1か月1回の注射で39,000円、カソデックスは1日1回1錠で910円と安価であり、多くの患者さんが利用された実績があります。そのためイクスタンジを初期治療に使うのではなく、まずは従来の薬を使ってから、と考えられています。

イクスタンジの副作用

イクスタンジはいわゆる「抗がん剤」ではなく「ホルモン剤」です。そのため抗がん剤でよくあるような嘔吐、脱毛、手足のしびれなどはありません。臨床試験でよく起きた副作用は疲労、背中の痛み、便秘、関節痛などです。また、少数ですが高血圧の症状も起きる可能性があります。

また、これも少数ですが痙攣(けいれん)や発作を起こすこともあります。イクスタンジの成分には痙攣を誘発する物質があることが分かっています。てんかんや脳卒中などを起こしたことがある人は慎重に経過を見守る必要があります。

以上、前立腺がんで使われる分子標的薬についての解説でした。

私がサポートしている患者さんでも分子標的薬を使いはじめた方がいます。従来の抗がん剤に比べると効果を発揮しやすく、副作用は少ないですが、それでも「がんを治す薬」ではありません。

「どのようにして乳がんと闘うのか」については総合的に考えなくてはなりません。

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本村ユウジ
こんにちは。がん治療専門アドバイザー、本村です。

私は10年間で4,300名のがん患者さんをサポートしてきました

がんは、とても厳しい病気です。

しかし、手の打ちようがない病気ではありません。

「抗がん剤を断りましたが、今も元気です」

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