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20.悪性リンパ腫

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫におけるR-CHOP療法の効果はどれくらい?

更新日:

悪性リンパ腫のなかでも日本人に多いのが「びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)」というタイプのリンパ腫です。日本では悪性リンパ腫の患者さんのうちDLBCLは30~40%を占めます。

悪性度としては真ん中の「中悪性度」に分類されますが、リンパ節だけでなくあらゆる臓器や皮膚、神経などから発生するためがんの存在部分が広範囲に渡ることも少なくありません。

 

がんを治すための「たった1つの条件」とは?

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どのような状況であっても、軸となる治療法は化学療法(薬をつかった治療)であり、なかでも「R-CHOP療法(アールチョップりょうほう)」と呼ばれる多剤併用の抗がん剤治療が標準治療となっています。

R-CHOP療法とは?進め方と効果

R-CHOP療法とは

アルファベットは使用する薬の頭文字です。Rはリツキシマブ[Rituximab](リツキサン)という薬です。リツキサンは2000年頃から使われている分子標的薬です。

Cはシクロホスファミド[Cyclophosphamide](エンドキサン)、Hは塩酸ドキソルビシン[Hydroxychloride doxorubisin] (アドリアシン)、Oはオンコビン[Oncovin](ビンクリスチン)です。これらはいずれもいわゆる「抗がん剤」に位置付けられる薬です。

Pはプレドニゾン[Prednisone]で、これはステロイド薬で抗炎症作用のために加えられています。

これらのうち、最も重要な役割を果たすのがリツキシマブです。この薬は腫瘍細胞の表面に届き、直接細胞に結合してアポトーシス(細胞死)を起こすシグナルを加えたり、体内の免疫細胞を呼び込んだり、様々な作用によって抗腫瘍効果を発揮します。

R-CHOP療法の進め方

【1コースの内容】

まずリツキシマブの点滴を行います。翌日に抗がん剤(シクロホスファミド、ドキソルビシン、オンコビン)と、ステロイドであるプレドニゾンの投与を行います。それ以降はプレドニゾンのみ4日間行います。

その後休薬期間を16日設けます。これで1コース終わりとなります。

R-CHOPの基本的な投与スケジュール(1コース)
1日目 リツキシマブ(点滴)の投与
2日目 シクロホスファミド(点滴)、ドキソルビシン、オンコビン(注射)の投与 プレドニゾン(経口服薬)
3~6日目 なし プレドニゾン(経口服薬)
7~22日目 休薬

限局期(ステージ1・2)で10cmを超える巨大腫瘤がなく、放射線を照射しやすい部位に病巣がある場合は「R-CHOPx3コース+放射線治療」が選択されることがあります。

しかしそれ以外の場合は「R-CHOPx6~8コース(放射線を併用するかは状況による)」を実施するのが一般的です。

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R-CHOP療法の効果

治療前に計画されたコース(3コール、あるいは6~8コース)を完了することで、かなり強力な抗腫瘍作用を発揮します。

この治療では7~8割程度は寛解(かんかい。目視できるがんが全て消えること)に至ります。

期間中に注意する必要があるのは「好中球の減少」です。好中球が減ると免疫機能が低下して感染症を起こしやすくなります。肺炎などを起こすと予定どおりのコースを実施できず、結果としてがん治療は不完全に終わってしまいます。

そのためR-CHOP療法では好中球をきちんとコントロールすることが大切です。好中球が減少した場合はG-CSF(顆粒球コロニー刺激因子)を、休薬期間中に投与することもあります。

初回のR-CHOP療法で寛解しなかった場合や再発した場合は?

副作用に耐え、予定のコースを終えてもがんが完全に消えなかったり、一度消えても再発したりした場合は別の抗がん剤を使って寛解を目指します。これをサルベージ治療(救援化学療法)と呼びます。

それで寛解に至ればそれでいったん治療は完了しますが、寛解にまで至らない場合は自家末梢血幹細胞移植(PBSCT)を検討します。

これが実施できるのは65~70歳未満までです。体調がよくても70歳を超えると適応外になります。

【自家末梢血幹細胞移植(PBSCT)とは?】

血液中から造血幹細胞を採取し、それを冷凍保存します。造血幹細胞とは血液(赤血球や白血球など)の細胞の元になる細胞です。

採取したあと、大量の抗がん剤を体内に投与してがん細胞の殲滅を目指します。とうぜん、かなり厳しい副作用が起きることになりますが、そのリスクを負ってもがん細胞を残らず叩ききることを目的に実施します。

正常細胞もかなりダメージを受け、そのなかには造血幹細胞も含みます。体内の造血幹細胞もほぼ死滅してしまうため、あらかじめ保存しておくわけです。

大量の抗がん剤投与のあと、凍結していた造血幹細胞を体内に戻し、体力の回復を待ちます。

かなりリスクの大きい治療法であり命に関わるため、事前に治療に耐えうるかどうかを慎重に判断します。

再発した場合でもこの自家末梢血幹細胞移植を行うことができ、無事に体力が回復すれば半分の方が寛解に至ります。

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