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11.腎臓がん

【2025年更新】腎臓がんになると、腎臓の機能はどうなる?機能低下から進行時の症状まで詳しく解説

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腎臓の基本的な働きと重要性

人間の体には多くの臓器がありますが、その中でも腎臓は生命を維持するうえで極めて重要な役割を担っています。

腎臓は腰の高さの背中側に左右1つずつ、合計2つ存在します。大きさは握りこぶしよりやや大きく、長さは10~12センチ、幅が5~6センチ、厚さ4~5センチほどで、そら豆のような形状をしています。

腎臓が担う主な機能は多岐にわたります。最もよく知られているのは血液をろ過して尿を作り、体内の老廃物を排出する働きです。しかし、それだけではありません。体内の水分量を適切に保ち、ナトリウム、カリウム、カルシウムなどの電解質バランスを調整します。

また、血圧を調節するホルモンの産生、骨の代謝に関わるビタミンDの活性化、赤血球の産生を促すエリスロポエチンの分泌にも関与しています。さらに、体液のPH値を弱アルカリ性に保ち、浸透圧を調節することで、体内環境を一定に保つ役割も果たしています。

これらの機能が正常に働くことで、私たちの体は健康な状態を維持できます。腎臓は24時間休むことなく働き続け、1日に約150リットルもの血液をろ過し、そこから約1.5リットルの尿を作り出しています。この絶え間ない働きによって、体内の不要な物質が排出され、必要な成分は再吸収されるという精密な調整が行われています。

腎臓がんとはどのような病気か

腎臓にできるがんのうち、尿を作る部分である腎実質に発生するものを腎臓がん(腎細胞がん)と呼びます。腎臓がんは比較的ゆっくりとした速度で進行することが多いですが、近年、患者数と死亡者数がともに増加傾向にあります。

2025年現在のデータでは、年間の新規患者数は約1万人、死亡者数は約4000人と報告されています。発症年齢は50歳代から増加し始め、60歳代から70歳代にピークを迎えます。男女比では2対1から3対1の割合で男性に多く発症するという特徴があります。

腎臓がんの発症リスク要因としては、喫煙、肥満、高血圧、透析治療の長期化、特定の遺伝性疾患などが知られています。特に喫煙は腎臓がんのリスクを約1.5倍に高めるとされており、予防可能な要因として重要です。


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腎臓がんによる機能低下について

腎臓がんが発生すると、がんが存在する部分の腎組織は正常な機能を失います。ただし、腎臓は2つあり、さらに機能の予備能力が高いため、初期の段階では明らかな腎機能の低下を自覚することはほとんどありません。

がんが大きくなるにつれて、正常な腎組織が圧迫されたり、破壊されたりすることで、徐々に腎臓の働きが低下していきます。片方の腎臓にがんがある場合、もう一方の健康な腎臓が機能を補うため、日常生活に支障が出るほどの機能低下は初期には起こりにくいのです。

しかし、がんが進行して腎静脈や下大静脈に広がったり、両側の腎臓にがんができたり、あるいは転移によって全身状態が悪化したりすると、腎機能の低下が顕著になります。

腎機能が低下すると、老廃物の排出がうまくいかなくなり、体内に毒素が蓄積します。また、電解質バランスが崩れ、貧血が進行し、血圧のコントロールが難しくなるなど、様々な症状が現れます。


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腎臓がんの主な症状

腎臓がんには特徴的な症状が3つあります。これらは古典的三徴候と呼ばれています。

1つ目は、痛みを伴わない血尿です。肉眼でも確認できるほど尿に血が混じることがあります。ただし、血尿は必ずしも継続的に現れるわけではなく、間欠的に出現することもあります。

2つ目は、脇腹の痛みや腰痛です。がんが大きくなって周囲の組織を圧迫したり、腎被膜が引き伸ばされたりすることで痛みが生じます。

3つ目は、脇腹を触って分かる腫瘤(しこり)です。がんがかなり大きくなった状態で、触診によって確認できます。

これらの症状が現れた場合、がんはすでにある程度進行していることが多いです。特に脇腹の痛みや触れるしこりがある場合は、進行した状態である可能性が高いといえます。

さらに進行すると、発熱、貧血、食欲不振、体重減少などの全身症状が現れます。これらは腫瘍随伴症状と呼ばれ、がん細胞が産生する物質や、がんによる全身への影響によって引き起こされます。かつては、腎臓がんが転移し、転移先のがんが先に発見されるというケースもありました。肺や骨、脳などへの転移が見つかってから、元の腎臓がんが判明することもあったのです。

早期発見が増えている現状

近年、腎臓がんの発見状況は大きく変化しています。以前は症状が出てから発見されることが多かったのですが、2025年現在では、無症状の段階で発見されるケースが増加しています。

この変化の背景には、健康診断や人間ドックでの腹部超音波検査の普及があります。定期検診で偶然に腎臓の腫瘤が見つかるケースや、別の病気で受けた検査の際に偶発的に発見されるケースが多くなっています。このような偶発的に発見される腎臓がんは「偶発腎がん」と呼ばれ、全体の50%以上を占めるようになっています。

無症状で発見される腎臓がんは、一般的に早期の段階であることが多く、治療成績も良好です。触診で分かるほど大きくなる前に画像検査で発見されるため、治療の選択肢も広がります。このことから、定期的な健康診断を受けることの重要性が高まっています。

腎臓がんの検査方法

超音波検査(エコー検査)

腹部に専用のゼリーを塗り、超音波を発するプローブを皮膚の上で滑らせながら行う検査です。プローブから発せられた超音波が体内の組織で反射し、その反射波を画像化してモニターに映し出します。

超音波検査は体への負担が少なく、放射線被曝もないため、最初に行われることが多い検査です。腎臓の大きさや形、腫瘤の有無を確認でき、実質性の腫瘤と嚢胞性の病変を区別することもできます。ただし、検査者の技術に依存する面があり、小さな病変の検出には限界があることもあります。

CT検査(コンピュータ断層撮影検査)

CT検査は腎臓がんの診断において最も重要な検査といえます。腹部を輪切り状の断面画像として撮影することで、直径1センチ程度の小さながんでも検出できます。がんの大きさ、位置、周囲への広がり、リンパ節への転移、他の臓器への影響などを詳細に調べることができます。

造影剤を使用したCT検査では、さらに多くの情報が得られます。造影剤を静脈から注入することで、血流の豊富な腎臓がんははっきりと描出され、正常な腎組織との区別が明確になります。また、がんの血管への浸潤や、肺などへの転移の有無も確認できます。

MRI検査(磁気共鳴断層撮影検査)

MRI検査は磁気と電波を用いて体内の画像を作成する検査で、X線被曝がないという利点があります。特にがんの血管内への広がりを評価するのに優れており、腎静脈や下大静脈への浸潤の程度を正確に把握できます。

また、肝臓や脳への転移の検出にも有用です。腎臓がんは進行すると腎静脈から下大静脈へとがんが進展することがあり、これを腫瘍血栓と呼びますが、MRI検査ではこの状態を詳しく評価できます。

かつては血管造影検査も行われていましたが、CTやMRIの技術が進歩した現在では、侵襲的な血管造影検査はほとんど行われなくなりました。

腎臓がんのステージと治療方針の決定

これらの画像検査によって、腎臓がんのステージ(病期)が判定されます。ステージは、がんの大きさ(T因子)、リンパ節転移の有無(N因子)、遠隔転移の有無(M因子)によって、I期からIV期まで分類されます。

I期とII期は腎臓内に限局したがんで、III期はリンパ節転移があるか、または血管や周囲の組織に広がった状態、IV期は他の臓器に転移がある状態です。

ステージが確定すると、患者さんの年齢、全身状態、腎機能、合併症の有無なども考慮しながら、主治医と患者さんの間で治療方針が話し合われます。早期であれば手術による根治が期待でき、進行している場合でも薬物療法や放射線治療などの選択肢があります。

進行した場合と無治療で放置した場合のリスク

腎臓がんを無治療で放置すると、がんは徐々に大きくなり、周囲の組織や血管に浸潤していきます。腎静脈や下大静脈にがんが広がると、血流が障害され、下肢のむくみや静脈瘤などの症状が現れることがあります。

さらに進行すると、肺、骨、肝臓、脳などの他の臓器に転移します。腎臓がんは血行性転移をしやすい特徴があり、特に肺転移が最も多く見られます。転移が起こると、転移した部位に応じた症状が現れ、生活の質が低下します。

また、がんの進行によって腎機能が低下すると、体内に老廃物が蓄積し、尿毒症の状態になる可能性があります。貧血が進行し、倦怠感や息切れが強くなり、食欲不振や吐き気なども出現します。電解質バランスの乱れによって、不整脈などの重篤な合併症を引き起こすこともあります。

無治療で放置した場合の予後は、がんの進行度によって異なりますが、一般的に進行した腎臓がんの5年生存率は低くなります。早期に発見し、適切な治療を受けることが、予後を改善するうえで重要です。

腎臓がん発見後の対応

検査で腎臓がんが疑われた場合、または確定診断がついた場合は、速やかに泌尿器科の専門医を受診することが大切です。腎臓がんの治療は、がんの進行度や患者さんの状態によって異なりますが、早期であるほど治療の選択肢が広がり、治療成績も良好です。

定期的な健康診断を受けること、特に50歳以上の方や腎臓がんのリスク要因を持つ方は、腹部超音波検査を含む検診を受けることが推奨されます。血尿や腰痛などの症状がある場合は、自己判断せずに医療機関を受診することが重要です。

腎臓は生命維持に欠かせない臓器であり、その機能を理解し、異常の早期発見に努めることが、健康を守るうえで大切です。

参考文献・出典情報

国立がん研究センター中央病院 泌尿器・後腹膜腫瘍科 腎がん

国立がん研究センターがん情報サービス 腎細胞がん(腎がん)

日本臨床腫瘍学会 腎細胞がん診療ガイドライン

日本泌尿器科学会 腎臓の病気

日本腎臓学会 一般市民の皆様へ 腎臓病について

厚生労働省 人口動態統計

National Cancer Institute - Kidney Cancer

American Cancer Society - Kidney Cancer

National Kidney Foundation - About Chronic Kidney Disease

PubMed - 腎細胞がんに関する医学文献データベース

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本村ユウジ
本村ユウジ
がん治療専門のアドバイザー・本村です。

私の仕事は【がん患者さんに正しい選択を伝えること】です。

「本村さん、おかげで元気になりました」

そんな報告が届くのが嬉しくて、患者さんをサポートしています。

→200通以上の感謝の声(これまでいただいた実際のメールを掲載しています)

しかし毎日届く相談メールは、

「医師に提案された抗がん剤が怖くて、手の震えが止まらない」

「腰がすこし痛むだけで、再発か?転移か?と不安で一睡もできなくなる」

「職場の人も家族さえも、ちゃんと理解してくれない。しょせんは他人事なのかと孤独を感じる」

こんな苦しみに溢れています。

年齢を重ねると、たとえ健康であっても、つらいことはたくさんありますよね。

それに加えて「がん」は私たちから、家族との時間や、積み重ねたキャリア、将来の夢や希望を奪おうとするのです。

なんと理不尽で、容赦のないことでしょうか。

しかしあなたは、がんに勝たねばなりません。

共存(引き分け)を望んでも、相手はそれに応じてくれないからです。

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