・一般名:カバジタキセル アセトン付加物
・商品名:ジェブタナ
・投与経路:点滴静注
・血管外漏出による皮膚障害のリスク:高
・催吐リスク:低
<特徴>
作用機序:チュープリンの重合を促進し、微小管を安定化することによって細胞分裂を阻害する。
代謝経路:肝代謝、主に糞中に排泄
<代表的なレジメン>
去勢抵抗性前立腺がん:プレドニゾロンとの併用
・使用時の注意点
投与方法:点滴静注のみ
投与量:1日1回25mg/m2(体表面積)を1時間かけて3週間間隔で点滴静注
投与速度:1回1時間かけて投与
投与禁忌:重篤な骨髄抑制、感染症合併、発熱のある感染症疑い、肝機能障害、本剤またはポリソルベート30含有製剤に対する重篤な過敏症の既往
慎重投与:骨髄抑制、間質性肺炎、浮腫、腎機能障害、アルコール過敏、高齢者
併用注意:CYP3A4を阻害する薬剤(ケトコナゾール、イトラコナゾール、クラリスロマイシン、インジナビル、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル、ボリコナゾール)、CYP3A4を強く誘導する薬剤(リファンピシン、カルバマゼピン、フェニトインなど)
前投薬:過敏反応を軽減するため、抗ヒスタミン薬や副腎皮質ホルモン、H2受容体拮抗薬などの前投与を行う。
・重大な副作用
骨髄抑制(特に好中球減少は高頻度)
消化管出血、消化管穿孔、イレウス、重篤な腸炎
重篤な下痢、腎不全
感染症・不整脈
DIC
急性膵炎
心不全
アナフィラキシーショック
末梢神経障害
肝機能障害、肝不全
皮膚粘膜眼症候群
間質性肺炎、肺疾患
心タンポナーデ、浮腫、体液貯留など
・その他注意が必要な副作用
脱毛
感染
神経障害
爪障害
・投与に関するポイント
手指衛生(手洗いまたはアルコールによる手指消毒)、シャワー浴による皮膚の清潔保持、含嗽・歯磨きによる口腔内の清潔保持に努める。
発熱性好中球減少症の頻度は、国内の臨床試験では、54.5%と高かった。日本では、ドセタキセルを低容量で長期間使用するため、骨髄が疲弊しているところに投与したため、高率に発生したと考えられている。
使用の際には、適応を慎重に検討し、感染症のリスクが高いと判断された場合には、ジーラスタ(G-CSFの長期間作用薬)を投与することや、減量して投与することも考慮する必要がある。