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肺がんの診断に向けた検査の流れ
初期段階で行われる検査
肺がんの早期発見に有効とされる検査は、「胸部X線検査」と「喀痰細胞診」の2つです。
胸部X線検査は肺の状態を画像で確認する基本的な検査で、健康診断や人間ドックでも広く実施されています。肺に影や異常な陰影がないかを調べることができます。
喀痰細胞診は、痰を採取して顕微鏡で調べる検査です。痰には肺や気管支、咽頭などからはがれ落ちた細胞が含まれているため、がん細胞の有無を確認できます。特に肺門部(肺の入り口付近)にできるがんの発見に役立ちます。
喀痰細胞診は単独で行われることはなく、胸部X線検査と併せて実施されます。この検査の対象となる「喫煙者」は、喫煙指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が400以上の人と定義されています。例えば、1日20本を20年間吸っている場合、喫煙指数は400となります。
精密検査へ進むケース
統計によると、胸部X線検査では約3%、喀痰細胞診では約1%の受診者に異常所見が見つかり、精密検査が必要と判定されます。
精密検査では、CT検査(コンピューター断層撮影)が中心となります。CT検査はX線を使って体の断面を撮影する検査で、胸部X線検査では判別しにくい小さな病変や、病変の詳細な位置、大きさを把握できます。
気管支鏡検査も重要な精密検査の1つです。これは細い管状のカメラ(気管支鏡)を口または鼻から気管支へ挿入し、疑わしい部位を直接観察する検査です。画像検査だけでは判断できない病変の状態を確認できます。
組織や細胞を採取する検査として、生検があります。気管支鏡を使って病変部から組織片を採取したり、CTガイド下で体の外から針を刺して組織を採取する方法などがあります。
胸腔鏡検査は、胸に小さな穴を開けて胸腔鏡を挿入し、肺の表面や胸膜の状態を直接観察しながら組織を採取する検査です。胸水がたまっている場合は、その胸水を採取して細胞を調べることもあります。
肺がんの確定診断とその後の検査
採取した組織や細胞を顕微鏡で調べ、がん細胞が確認された時点で肺がんの確定診断となります。
肺がんと診断された後は、がんの広がりを詳しく調べるために追加の検査を行います。MRI検査は磁気を使った画像検査で、脳転移の有無を調べる際などに用いられます。骨シンチグラフィは放射性物質を注射して全身の骨を調べる検査で、骨転移の有無を確認します。
PET検査(陽電子放射断層撮影)は、がん細胞が正常細胞よりも多くのブドウ糖を取り込む性質を利用した検査です。放射性ブドウ糖を注射して全身を撮影することで、体のどこにがん細胞が集まっているかを調べることができます。
これらの検査結果を総合して、がんの進行度や治療方針が決定されます。
遺伝子検査の役割
肺がんの治療において、遺伝子検査は重要な位置を占めるようになっています。がん細胞が持つ遺伝子の特徴を調べることで、どの治療薬が効果的かを予測できるからです。
特に重要なのがEGFR遺伝子とALK遺伝子の検査です。EGFR遺伝子に変異がある場合は、EGFR阻害薬という分子標的薬が高い効果を示します。ALK遺伝子に異常がある場合は、ALK阻害薬が選択肢となります。
これらの遺伝子検査は、生検や手術で採取した組織を使って行われます。検査結果によって、その患者さんに最も適した治療方法を選択できるため、治療戦略を立てる上で欠かせない情報となっています。
近年では、ROS1遺伝子、BRAF遺伝子、MET遺伝子など、他の遺伝子異常についても研究が進んでおり、それぞれに対応した治療薬の開発が進められています。
肺がんのステージ分類と判定方法
TNM分類の基本的な考え方
肺がんの進行度(ステージ)は、TNM分類という国際的な基準に基づいて判定されます。この分類は3つの要素を組み合わせて総合的に評価します。
T因子は、原発腫瘍(最初にできたがん)の大きさと周囲への広がりを示します。腫瘍が小さく周囲組織への浸潤がない状態から、大きく広範囲に浸潤している状態まで、T1からT4まで分類されます。
N因子は、リンパ節転移の有無と範囲を示します。リンパ節転移がない状態をN0、がんのある肺周辺のリンパ節への転移をN1、縦隔(左右の肺の間)のリンパ節への転移をN2、反対側の肺や首のリンパ節への転移をN3として評価します。
M因子は、遠隔転移の有無を示します。肝臓、骨、脳、副腎など離れた臓器への転移や、反対側の肺への転移、がん性胸水・心嚢水の有無などで判定されます。遠隔転移がない場合をM0、ある場合をM1とします。
ステージごとの特徴
TNM分類の組み合わせにより、肺がんはステージ1からステージ4まで分類されます。さらにステージ1、2、3はAとBに細分化されます。
ステージ1は、がんが肺の中にとどまっており、リンパ節転移も遠隔転移もない状態です。ステージ1Aは腫瘍が3cm以下、ステージ1Bは3cmを超える大きさですが、いずれも早期の段階といえます。
ステージ2は、腫瘍がやや大きくなっているか、肺門部のリンパ節に転移がある状態です。ステージ2Aと2Bは腫瘍の大きさとリンパ節転移の組み合わせで判定されます。
ステージ3Aは、縦隔のリンパ節に転移がある、または腫瘍が胸壁や横隔膜などに浸潤している状態です。ステージ3Bは、がんが心臓や大血管、食道などの重要な臓器に浸潤しているか、反対側の縦隔リンパ節や首のリンパ節に転移がある状態です。
ステージ4は、肝臓、骨、脳、副腎など離れた臓器に転移している状態、または反対側の肺に転移がある状態、がん性の胸水や心嚢水が認められる状態を指します。
ステージ分類の詳細な対応表
| T分類(腫瘍の大きさ・広がり) | N0(リンパ節転移なし) | N1(肺門リンパ節転移) | N2(縦隔リンパ節転移) | N3(対側・鎖骨上リンパ節転移) | M1(遠隔転移あり) |
|---|---|---|---|---|---|
| T1a、T1b(3cm以下) | ステージ1A | ステージ2A | ステージ3A | ステージ3B | ステージ4 |
| T2a(3cm超5cm以下) | ステージ1B | ステージ2A | ステージ3A | ステージ3B | ステージ4 |
| T2b(5cm超7cm以下) | ステージ2A | ステージ2B | ステージ3A | ステージ3B | ステージ4 |
| T3(7cm超または特定の浸潤) | ステージ2B | ステージ3A | ステージ3B | ステージ3B | ステージ4 |
| T4(広範な浸潤) | ステージ3A | ステージ3A | ステージ3B | ステージ3B | ステージ4 |
このステージ分類は治療方針を決定する重要な指標となります。一般的にステージ1、2では手術が第一選択となり、ステージ3では手術、放射線治療、化学療法を組み合わせた集学的治療が検討されます。ステージ4では化学療法や分子標的薬、免疫療法が中心となります。
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肺がんの組織型による分類
小細胞肺がんと非小細胞肺がんの違い
肺がんは顕微鏡で見たがん細胞の形や性質(組織型)によって、大きく「小細胞肺がん」と「非小細胞肺がん」の2つに分けられます。この分類は治療方針を決める上で重要な意味を持ちます。
小細胞肺がんは、肺がん全体の約15~20%を占めます。細胞が小さく、増殖速度が速いことが特徴です。脳、リンパ節、骨、肝臓などへ早期に転移しやすく、診断時にすでに転移していることも少なくありません。
一方で、小細胞肺がんは抗がん剤や放射線治療に対する反応が良好です。そのため、手術よりも化学療法と放射線治療を組み合わせた治療が標準的な選択肢となります。
非小細胞肺がんは肺がんの約80~85%を占め、さらに「腺がん」「扁平上皮がん」「大細胞がん」の3つに分類されます。小細胞肺がんに比べて増殖速度はやや緩やかですが、早期であれば手術による根治が期待できます。
非小細胞肺がんの3つのタイプ
腺がんは非小細胞肺がんの中で最も多く、肺がん全体の約50~60%を占めます。肺の末梢(肺野部)に発生しやすく、女性や非喫煙者にも多く見られることが特徴です。初期には症状が現れにくいため、健康診断などで偶然発見されることもあります。
扁平上皮がんは肺の中心部(肺門部)に発生しやすく、喫煙との関連性が強いタイプです。肺がん全体の約25~30%を占めます。気管支の近くにできるため、咳や痰、血痰などの症状が比較的早く現れることがあります。
大細胞がんは肺がん全体の約5~10%と比較的少ないタイプです。細胞が大きく、増殖速度が速い傾向があります。肺の末梢部に発生することが多く、腺がんや扁平上皮がんの特徴を持たないものが大細胞がんに分類されます。
組織型ごとの特徴比較
| 分類 | 組織型 | 好発部位 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| 非小細胞肺がん | 腺がん | 肺野部(末梢) | 女性や非喫煙者にも多い、症状が出にくい |
| 扁平上皮がん | 肺門部(中心) | 喫煙との関連が強い、咳や血痰が出やすい | |
| 大細胞がん | 肺野部(末梢) | 増殖速度が速い、比較的まれ | |
| 小細胞肺がん | 小細胞がん | 肺門部(中心) | 喫煙との関連が強い、転移しやすい、抗がん剤が効きやすい |
遺伝子型による詳細な分類
非小細胞肺がんのうち、腺がんを中心とするタイプでは、遺伝子変異の有無による分類がさらに重要になります。
EGFR遺伝子変異は、日本人の肺腺がん患者さんの約30~50%に見られます。この変異がある場合、EGFR阻害薬というタイプの分子標的薬が高い効果を示します。具体的にはゲフィチニブ(イレッサ)、エルロチニブ(タルセバ)、アファチニブ(ジオトリフ)、オシメルチニブ(タグリッソ)などが使用されます。
ALK遺伝子異常は肺がん全体の約3~5%に見られ、比較的若年者や非喫煙者に多い傾向があります。この異常がある場合、ALK阻害薬であるクリゾチニブ(ザーコリ)、アレクチニブ(アレセンサ)、セリチニブ(ジカディア)などが選択肢となります。
その他にも、ROS1遺伝子異常、BRAF遺伝子変異、MET遺伝子異常、RET遺伝子異常など、さまざまな遺伝子変異が見つかっており、それぞれに対応した治療薬の研究開発が進められています。
遺伝子変異陽性の患者さんでは、対応する分子標的薬を使用することで、従来の抗がん剤よりも高い治療効果が得られる可能性があります。
肺がんの標準的な治療方法
外科手術による治療
ステージ1、2の肺がんでは、手術が第一選択となります。ステージ3Aの一部でも、手術が可能な場合があります。
手術方法は、がんの位置や大きさ、患者さんの全身状態によって選択されます。肺葉切除術は、肺が5つの肺葉に分かれていることを利用し、がんを含む肺葉全体を切除する方法です。最も一般的な術式で、がんを確実に取り除きながら肺機能を可能な限り温存できます。
片肺全摘術は、がんが複数の肺葉にまたがっている場合や、肺門部に広がっている場合に、片側の肺全体を切除する方法です。呼吸機能への影響が大きいため、患者さんの年齢や体力、肺機能を慎重に評価して適応が決定されます。
縮小手術(区域切除術、楔状切除術)は、腫瘍が小さく(一般的に2cm以下)、高齢や心肺機能の問題で肺葉切除が難しい患者さんに対して行われます。肺機能の温存を優先する術式です。
リンパ節郭清は、ほとんどの肺がん手術で同時に実施されます。肺の周囲や縦隔のリンパ節を切除することで、転移の有無を正確に評価し、再発リスクを減らすことができます。
近年では、胸腔鏡やロボット支援手術など、体への負担が少ない低侵襲手術も普及しています。
放射線治療の種類と適応
放射線治療は、高エネルギーのX線やガンマ線をがん細胞に照射し、DNAを損傷させて細胞を死滅させる治療法です。
根治的放射線治療は、がんを完全に消失させることを目的とした治療です。非小細胞肺がんのステージ1から3で、手術が難しい患者さんや手術を希望されない患者さんが対象となります。小細胞肺がんでは、限局型の場合に化学療法と併用して行われます。
定位放射線治療は、早期の肺がんに対して行われる高精度の放射線治療です。ピンポイントで高線量を照射できるため、周囲の正常組織への影響を最小限に抑えながら治療効果を高められます。
IMRT(強度変調放射線治療)は、がんの形に合わせて放射線の強度を調整する治療法で、保険適用となっています。複雑な形のがんでも効果的に照射できます。
重粒子線治療や陽子線治療などの先進的な放射線治療も一部の施設で実施されていますが、肺がんに対しては保険適用外の場合が多く、費用が高額になります。
化学放射線療法は、抗がん剤と放射線治療を同時期に行う治療法です。お互いの効果を高め合うことが期待できますが、副作用も強くなる傾向があります。
薬物療法の選択肢
化学療法は、抗がん剤や分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬などの薬を使用する治療法です。
小細胞肺がんでは、抗がん剤治療が中心となります。プラチナ製剤(シスプラチンまたはカルボプラチン)とエトポシドの併用療法が標準的です。小細胞肺がんは抗がん剤に対する反応が良好で、多くの患者さんで腫瘍の縮小が得られます。
非小細胞肺がんの薬物療法は、遺伝子変異の有無によって大きく異なります。
EGFR遺伝子変異陽性の患者さんには、EGFR阻害薬が第一選択となります。オシメルチニブ(タグリッソ)は、脳転移への効果も期待できる薬剤です。
ALK遺伝子異常陽性の患者さんには、ALK阻害薬が使用されます。アレクチニブ(アレセンサ)は日本で開発された薬剤で、高い効果が報告されています。
遺伝子変異がない、または不明の患者さんには、プラチナ製剤を含む2剤併用療法が標準的です。シスプラチンやカルボプラチンに、ペメトレキセド、ゲムシタビン、ドセタキセル、パクリタキセルなどを組み合わせます。
免疫チェックポイント阻害薬であるペムブロリズマブ(キイトルーダ)、ニボルマブ(オプジーボ)、アテゾリズマブ(テセントリク)なども、条件を満たす患者さんに使用されます。がん細胞が免疫の攻撃から逃れる仕組みを阻害することで、体の免疫力を活用してがんを攻撃します。
血管新生阻害薬であるベバシズマブ(アバスチン)は、がんに栄養を送る血管の新生を抑える薬です。抗がん剤と併用して使用されます。
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肺がんの生存率データ
5年生存率と10年生存率の意味
がん治療の成果を示す指標として、5年生存率と10年生存率が用いられます。これは、がんと診断されてから5年後、10年後に生存している患者さんの割合を示したものです。
国立がん研究センターが公表したデータによると、肺がん全体の5年生存率は約39.5%、10年生存率は約33.2%です。全がん種の平均(10年生存率58.2%)と比較すると、肺がんの予後は厳しい状況にあることがわかります。
ただし、これらの数値は過去のデータに基づくものであり、現在では新しい治療薬や治療法の開発により、生存率は向上している可能性があります。
ステージ別の10年生存率
| ステージ | 10年生存率 | 特徴 |
|---|---|---|
| ステージ1 | 約69.3% | 早期発見・早期治療で良好な予後が期待できる |
| ステージ2 | 約31.4% | リンパ節転移があるが、手術と術後補助療法で治癒を目指せる |
| ステージ3 | 約16.1% | 進行しているが、集学的治療で長期生存の可能性がある |
| ステージ4 | 約3.7% | 転移があるが、分子標的薬や免疫療法で生存期間の延長が期待できる |
手術を受けられた患者さんの10年生存率は約57.8%と報告されており、手術可能な状態で発見されることの重要性が示されています。
生存率に影響を与える要因
肺がんの生存率は、さまざまな要因によって左右されます。
ステージは最も重要な因子です。早期に発見されるほど、治癒の可能性は高くなります。定期的な検診や、症状が現れた際の早めの受診が重要です。
組織型も予後に影響します。一般的に腺がんは比較的予後が良好とされ、小細胞肺がんは進行が速い傾向があります。ただし、小細胞肺がんは薬物療法への反応が良好という特徴もあります。
年齢や全身状態、併存疾患の有無も生存率に関係します。若く、体力があり、他に重大な病気がない患者さんほど、積極的な治療を受けられる可能性が高くなります。
遺伝子変異の有無も重要な要素です。EGFR遺伝子変異やALK遺伝子異常がある患者さんでは、対応する分子標的薬によって良好な治療成績が得られることがあります。
喫煙歴も予後因子の1つです。診断後も喫煙を続けると、治療効果が低下したり、合併症のリスクが高まったりする可能性があります。
生存率データの解釈における注意点
生存率のデータを見る際には、いくつかの点に留意する必要があります。
生存率は統計的な数字であり、個々の患者さんの予後を正確に示すものではありません。同じステージでも、個人の状態や治療への反応によって経過は大きく異なります。
公表されているデータは数年前に治療を受けた患者さんのものです。現在では新しい治療薬や治療法が登場しているため、実際の生存率はデータよりも向上している可能性があります。
生存率には、がんによって亡くなった方だけでなく、他の原因で亡くなった方も含まれています。特に高齢者では、がん以外の原因による死亡も少なくありません。
また、生存率は治療を受けた患者さん全体の平均値です。積極的な治療を受けられた患者さんと、体力的な理由などで十分な治療を受けられなかった患者さんが混在しています。
肺がんの治療は日々進歩しており、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬など新しい治療選択肢が増えています。主治医とよく相談しながら、自分に最適な治療を選択していくことが大切です。

