カリウムとは?
人間の体には体重の約0.2%のカリウムが存在しています。
カリウムはナトリウムと密接な関係にあるミネラルです。日本人はナトリウムが過剰摂取しやすいのに対し、カリウムは不足しがちであることが分かっています。
人間の細胞膜外側にはナトリウムがあり、内側にはカリウムがあって、両者がバランスをとりながら体液の量や濃度を一定に保っています。カリウムにはナトリウムを体外に排出し血圧の上昇を抑制したり、心臓機能や筋肉機能を調整する働きがあります。
お茶やコーヒー、アルコールといった利尿作用が強い飲み物は、カリウムを一緒に排泄してしまうので、とりすぎないことが大切です。また、暑い時期に大量の汗をかくと、カリウムが汗とともに排泄され、低カリウム血症になり、疲れやすくなったり食欲不振になったりします。
【がんとカリウムの関係性とは】
がんに罹った人の特徴として、ナトリウムが過剰でカリウムが少ない、という報告があります。(ゲルソン医師などによる)
単純にナトリウムが少なくてカリウムが多ければよい、という問題ではなく、バランスが取れていることが体内の機能にとっては重要です。
細胞内の水分やたんぱく質の合成のときに、ナトリウムとカリウムのバランスがとれている必要があり、それが崩れることでがんになりやすいのではないかといわれています。
【カリウムの働き】
詳しく解説すると、細胞内の水分にはカリウム、細胞外の水分にはナトリウムが、それぞれ多く含まれています。細胞内にナトリウムが多くなると外へ出され、それと同時に、細胞外からカリウムがとり込まれます。
こうして浸透圧が一定に保たれるしくみを「ナトリウム・カリウムボンプ」といい、うまく働かないと生命活動の基本単位である細胞が正常に機能しなくなります。つまり、この機能異常が細胞のがん化を引き起こしているかもしれない、ということですが、直接的な因果関係は明らかになっていません。
また、ナトリウムは腎臓において再吸収されていますが、カリウムはその働きを抑え、ナトリウムが尿とともに排泄されるのを促します。この働きによって血圧が上昇するのを防ぎ、高血圧を予防してくれます。
カリウムがよく摂れる食品
カリウムは幅広く食品に含まれますが、とくに野菜、果物、芋類などに多く含まれます。水溶性なので調理によって損失しやすいのが特徴です。青菜をゆでた場合は50%ほど、芋を煮た場合は20%ほどのカリウムが流失します。できるだけそのまま摂取する調理法がよいといえます。
以上、がん(癌)とカリウムに関する解説でした。
がんと闘うには、人間の体のことや栄養素についてもある程度理解しておくことが大切です。