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こんにちは。17年間の活動実績を持つ、
「プロのがん治療専門アドバイザー」本村ユウジです。
がんを治すために必要なことは、たった1つです。
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成人T細胞白血病・リンパ腫の診断に必要な検査
成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)は、HTLV-1というウイルスの感染によって引き起こされる血液のがんです。診断には複数の検査を組み合わせて、病型を正確に判断することが重要になります。
診断のための検査には、血液検査、リンパ節生検、画像検査、脳脊髄液検査などがあります。血液検査では、異常なリンパ球の有無や数、LDH(乳酸脱水素酵素)の値、カルシウムの値などを確認します。
特に、花びらのような形をした特徴的な異常リンパ球が見られることが、この疾患の診断において重要な手がかりとなります。
リンパ節が腫れている場合には、リンパ節生検を行い、組織の状態を顕微鏡で詳しく調べます。CT検査やPET-CT検査によって、体のどの部分に病変が広がっているかを把握します。脳脊髄液検査では、中枢神経系への浸潤がないかを確認します。
これらの検査結果を総合的に評価して、急性型、リンパ腫型、慢性型、くすぶり型の4つの病型のいずれに該当するかを判断します。病型によって治療方針が大きく異なるため、正確な診断が治療の出発点となります。
急性型・リンパ腫型に対する化学療法の選択
急性型およびリンパ腫型と診断された患者さんに対しては、複数の抗がん薬を組み合わせた強力な化学療法が治療の基本となります。治療の目標は、検査で病変が完全に消えている状態、つまり「完全寛解」を達成することです。
日本国内では、LSG15療法と呼ばれる治療法が広く用いられています。これは日本のリンパ腫研究グループが開発した治療法で、複数の抗がん薬を組み合わせて使用します。LSG15療法以外にも、非ホジキンリンパ腫の治療で標準的に使われるCHOP療法が選択されることもあります。
CHOP療法は、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾロンという4種類の薬を組み合わせた治療法です。一般的なリンパ腫では3週間ごとに投与しますが、成人T細胞白血病・リンパ腫に対しては、投与間隔を2週間に短縮することで治療効果が高まることが報告されています。
投与間隔を短くする理由は、この疾患の腫瘍細胞が増殖する速度が速いため、治療の間隔をあけると再び腫瘍が増えてしまう可能性があるためです。そのため、できるだけ短い間隔で治療を継続することが重視されます。
| 治療法 | 特徴 | 投与間隔 |
|---|---|---|
| LSG15療法 | 日本で開発された多剤併用療法 | プロトコールに従う |
| CHOP療法 | 4種類の抗がん薬を組み合わせた標準治療 | 2週間ごと(dose-dense) |
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化学療法に伴う副作用への対処方法
化学療法を行う際には、様々な副作用が現れる可能性があります。医療チームは副作用に対して積極的に対応し、患者さんの負担を軽減するための治療を並行して行います。
吐き気や食欲不振は、化学療法でよく見られる副作用です。制吐剤と呼ばれる吐き気を抑える薬を使用したり、点滴によって水分や栄養を補給したりすることで対処します。現在では効果の高い制吐剤が開発されているため、以前と比べて吐き気のコントロールがしやすくなっています。
脱毛は、多くの抗がん薬で起こる副作用の一つです。通常、抗がん薬の投与を始めてから2週間程度で髪が抜け始めます。これは抗がん薬が活発に分裂している細胞に作用するためで、髪の毛を作る細胞も影響を受けるためです。ただし、脱毛は一時的なもので、治療が終了してから半年から1年ほどで髪は再び生え揃ってきます。
月経年齢の女性の患者さんでは、化学療法の影響で生理不順が起きたり、生理が止まったりすることがあります。また、血小板が減少している時期に生理が来ると出血が多くなる可能性があるため、月経を一時的に停止させる薬を使用することもあります。
血球減少は、化学療法において特に注意が必要な副作用です。白血球、赤血球、血小板などの血球が減少することで、感染症にかかりやすくなったり、貧血症状が出たり、出血しやすくなったりします。
赤血球や血小板が減少した場合には、必要に応じて輸血を行います。白血球減少に対しては、G-CSF製剤と呼ばれる注射薬を使用します。これは白血球の回復を促す薬で、感染症のリスクを減らすとともに、次の化学療法を予定通りに行えるようにする役割も果たします。
成人T細胞白血病・リンパ腫の治療では、治療効果を高めるために、G-CSF製剤を積極的に使用して白血球数の回復を早め、抗がん薬の投与間隔をできるだけ短く保つ努力がなされています。
中枢神経系への浸潤に対する髄注
成人T細胞白血病・リンパ腫では、腫瘍細胞が脳や脊髄といった中枢神経系に浸潤することがあります。脳脊髄液検査で異常なリンパ球が見つかった場合には、中枢神経系への浸潤が起きていると判断されます。
このような場合、抗がん薬を脳脊髄液に直接注入する「髄注」という治療を行います。これは、腰椎穿刺という方法で腰から針を刺し、脳脊髄液に抗がん薬を注入する治療法です。脳脊髄液検査で異常リンパ球が消えるまで、髄注を繰り返し行います。
また、脳脊髄液検査で異常が見られない場合でも、予防的に髄注を行うことがあります。これは、中枢神経系への浸潤を未然に防ぐための予防的治療として位置づけられます。
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慢性型・くすぶり型の治療方針と経過観察
慢性型やくすぶり型と診断された患者さんの場合、病状が急激に進行していない段階では、すぐに化学療法を開始せずに経過を観察することが一般的です。
これらの病型は、比較的おだやかな経過をたどることが多く、すぐに強力な治療を行う必要性が低いためです。定期的な検査を行いながら、病状の変化を慎重に見ていきます。
皮膚に発疹が見られる場合には、ステロイド軟膏を塗布して症状を和らげます。皮膚症状は、この疾患でよく見られる症状の一つです。
ただし、慢性型の中でも、以下のような検査異常が認められる場合には、比較的早い時期に病状が進行する可能性があるため、化学療法を開始することがあります。
・血液中のアルブミン値が低下している
・LDH値が上昇している
・BUN(尿素窒素)値が上昇している
・白血球数が徐々に増加している
これらの指標は、病状の進行を予測する上で重要な情報となります。こうした状況では、LSG15療法やCHOP療法などの急性型に準じた化学療法を行うか、飲み薬タイプの抗がん薬による治療のいずれかが選択されます。
どちらの治療を選ぶかは、患者さんの年齢、全身状態、内臓の機能などを総合的に判断して決定されます。
感染症予防と高カルシウム血症への対応
成人T細胞白血病・リンパ腫の患者さんは、免疫機能が低下しているため、通常では感染しにくい病原体による感染症にかかりやすい状態にあります。
特に注意が必要なのは、真菌(かび)による感染症と、ニューモシスチス(以前はカリニと呼ばれていた病原体)による肺炎です。これらは、免疫力が低下したときに発症しやすい日和見感染症と呼ばれるものです。
予防のために、抗真菌薬の飲み薬や、ニューモシスチス肺炎を予防するST合剤(スルファメトキサゾール・トリメトプリム配合剤)を服用します。感染症を予防することは、治療を安全に継続する上で重要な要素となります。
また、成人T細胞白血病・リンパ腫では、高カルシウム血症が起こることがあります。これは腫瘍細胞が骨を溶かす物質を産生することなどが原因で、血液中のカルシウム濃度が異常に高くなる状態です。
高カルシウム血症に対しては、ビスホスホネート製剤やエルシトニンといった薬を投与して、カルシウム値をコントロールします。高カルシウム血症は、適切に治療しないと意識障害などの重篤な症状を引き起こす可能性があるため、注意深く管理されます。
高齢者や内臓障害がある患者さんへの治療選択
65歳以上の高齢の患者さんや、心臓、肝臓、腎臓などの内臓に障害がある患者さんの場合、強力な化学療法を行うことが体への負担が大きく、危険性が高いと判断されることがあります。
このような場合には、強力な化学療法の代わりに、飲み薬タイプの抗がん薬を使用して病状をコントロールする治療法が選択されます。同時に、感染症の予防なども行いながら、患者さんの生活の質を保つことを重視した治療が進められます。
治療方針は、患者さん一人ひとりの状態や希望を考慮して決定されます。どのような治療を選択するかについては、担当医とよく相談することが大切です。
造血幹細胞移植の適応と種類
造血幹細胞移植は、高用量の化学療法や放射線療法を行った後に、造血幹細胞を移植して血液を作る機能を回復させる治療法です。造血幹細胞移植には、大きく分けて2つの種類があります。
一つは自家造血幹細胞移植で、患者さん自身の造血幹細胞を採取しておき、治療後に戻す方法です。もう一つは同種造血幹細胞移植で、HLA(白血球の型)が適合する他人(ドナー)から造血幹細胞の提供を受けて移植する方法です。
成人T細胞白血病・リンパ腫の急性型およびリンパ腫型に対しては、同種造血幹細胞移植が治療選択肢の一つとなります。まだ広く行われている治療法ではありませんが、化学療法だけでは根治が難しい疾患であるため、移植による治療効果が期待されています。
同種造血幹細胞移植を検討できる条件としては、以下のようなものがあります。
・年齢が50歳から55歳以下(施設によって基準は異なる)
・重い内臓障害がない
・HLAが適合するドナーが見つかっている
・全身状態が良好である
これらの条件を満たす患者さんの場合、同種造血幹細胞移植を考慮すべき治療法といえます。
通常の同種造血幹細胞移植の適応とならない高齢の患者さんに対しては、移植前処置と呼ばれる化学療法や放射線療法の量を減らした「ミニ移植」や「reduced intensity conditioning(RIC)」と呼ばれる方法が試みられるようになってきました。
これは、従来の移植よりも体への負担を軽減しながら、移植による治療効果を得ようとする方法です。高齢の患者さんや体力的に通常の移植が難しい患者さんにも、移植治療の可能性を広げる試みとして注目されています。
| 移植の種類 | 特徴 | 適応 |
|---|---|---|
| 同種造血幹細胞移植(標準) | HLA適合ドナーから移植、高用量の前処置 | 若年、良好な全身状態 |
| ミニ移植(RIC) | 前処置の強度を減らした移植 | 高齢者、内臓障害がある場合 |
治療成績と長期的な予後の現状
成人T細胞白血病・リンパ腫は、現時点では治療成績が十分に満足できる状況には至っていません。化学療法だけで完全に治癒することは、残念ながらほとんど期待できないのが実情です。
急性型とリンパ腫型に対するLSG15療法では、完全寛解率が35.5%と報告されています。完全寛解とは、検査で病変が確認できない状態になることを意味します。しかし、完全寛解に至った患者さんでも、その後再発することが多く、5年生存率は10%から15%程度にとどまっています。
一方、同種造血幹細胞移植については、まだ実施例が限られているため、長期的なデータは十分に集まっていません。しかし、現時点での報告では、3年生存率が45%程度で、化学療法単独と比較すると再発が少ない傾向が見られると報告されています。
今後、移植を受ける患者さんの数が増えてくることで、より正確な長期予後のデータが明らかになっていくものと期待されます。移植後の再発予防や、移植に伴う合併症の管理についても、研究が進められています。
慢性型およびくすぶり型は、診断後しばらくは比較的穏やかな経過をたどります。急激な治療を必要としない期間が続くことも珍しくありません。
しかし、これらの病型であっても、ある時期に急性型に移行して急激に進行することが多いという特徴があります。また、免疫機能の低下により感染症を合併しやすく、感染症が原因で命を落とすこともあるため、長期的な生存率は限られています。
定期的な検査によって病状の変化を早期に察知し、適切なタイミングで治療を開始することが重要です。
治療を受ける上で知っておきたいこと
成人T細胞白血病・リンパ腫の治療を受ける際には、病型によって治療方針が大きく異なることを理解しておくことが大切です。
急性型やリンパ腫型では、診断後すぐに強力な化学療法を開始する必要があります。治療は入院して行われることが一般的で、数ヶ月にわたる治療期間を要します。副作用への対処も含めて、医療チームと密接に連携しながら治療を進めていくことになります。
慢性型やくすぶり型の場合は、すぐに治療を開始せずに経過観察を行うこともあります。この期間中は、定期的な通院と検査によって病状を注意深く見ていきます。病状が進行する兆候が見られた場合には、適切なタイミングで治療を開始します。
造血幹細胞移植を検討する場合には、移植のリスクと期待される効果について、担当医から詳しい説明を受けることが重要です。移植は体への負担が大きい治療ですが、この疾患において根治を目指すことができる可能性のある治療法でもあります。
治療方針を決定する際には、患者さん自身の価値観や希望も重要な要素となります。どのような治療を選択するか、どこまで積極的な治療を望むかについて、担当医や家族とよく話し合うことが大切です。
また、成人T細胞白血病・リンパ腫は、HTLV-1ウイルスの感染が原因で発症する疾患です。家族にHTLV-1キャリア(ウイルス保有者)がいる可能性もあるため、家族への情報提供や相談支援も重要になります。

