成人T細胞白血病・リンパ腫は現在のところ、症状や進行スピードの違い、検査結果の違いによって、急性型、リンパ腫型、慢性型、くすぶり型の4つのタイプに分けられます。
・急性型
最も多いタイプです。白血球数の増加が目立ち、特に異常なリンパ球(腫瘍細胞)が多く認められます。典型的な異常リンパ球は、花細胞と呼ばれる独特の形をしています。
その他、リンパ節の腫れ、肝臓や脾臓の腫れ、皮膚の発疹など多彩な症状が見られ、急激に進行することが多いタイプです。
・リンパ腫型
リンパ節の腫れが主な症状です。血液中に異常リンパ球を認めることは多くありません。急性型と同じく、急激に進行することが多いタイプです。
・慢性型
異常リンパ球の増加があり、花細胞もときどき認められます。リンパ節や肝臓・脾臓の腫れがありますが、症状は目立ちませんし、進行もゆっくりです。
・くすぶり型
白血球数の増加は見られませんが、異常リンパ球が存在しています。皮膚の発疹を認めることはありますが、他の症状はほとんど現れません。
以上の分類は、予後や治療方針を決定するうえでも重要です。
成人T細胞白血病・リンパ腫の分類
<急性型>
・進行スピード
多くは急激に進行
・症状
リンパ節・肝臓・脾臓の腫れ、皮膚の発疹、咳、痰、黄疸、頭痛、吐き気、意識障害、食欲不振、だるさ、感染症の症状
・血液検査
白血球増加、異常リンパ球増加、花細胞多数出現、LDH増加、可溶性IL-2受容体増加、カルシウム上昇
<リンパ腫型>
・進行スピード
多くは急激に進行
・症状
リンパ節の腫れが主な症状、肝臓・脾臓の腫れ
・血液検査
カルシウム上昇、LDH増加、可溶性IL-2受容体増加
<慢性型>
・進行スピード
ゆっくりと進行
・症状
リンパ節・肝臓・脾臓の腫れ
・血液検査
白血球増加、異常リンパ球増加、花細胞を認めることあり
<くすぶり型>
・進行スピード
ゆっくりと進行
・症状
皮膚の発疹
・血液検査
異常リンパ球の出現、白血球の増加はなし